代謝疾患としての 高リン(P)血症 代謝疾患としての 高リン(P

第5回日本腎臓リハビリテーション学会学術集会
ランチョンセミナー4
代謝疾患としての
高リン
(P)
血症
座長
昭和大学 医学部内科学講座 腎臓内科学部門 客員教授
秋澤 忠男 先生
演者
東京慈恵会医科大学 腎臓・高血圧内科 准教授
横山 啓太郎 先生
日時
2015年
3月21日
(土・祝)
【学術集会1日目】
12:10∼13:10
場所
第4会場
(都市センターホテル6階「606」)
〒102-0093 東京都千代田区平河町2-4-1
【共催】第₅回日本腎臓リハビリテーション学会学術集会/鳥居薬品株式会社
第5回日本腎臓リハビリテーション学会学術集会
2015年 3月21日(土・祝)
第4会場
(都市センターホテル6階「606」)
ランチョンセミナー4
代謝疾患としての高リン
(P)
血症
慢性腎臓病は、GFR(糸球体濾過量)の低下によ
になってきている。Dhingra, Rは腎機能正常の約2000
って定義される。GFRは年齢によって規定されるの
例を、血清P値で4群に分け、心血管合併症の発症頻
で、一定の年を重ねれば、誰もが慢性腎臓病と診断
度を調べたところ、正常範囲の中でもP高値群はP低
されることになる。そして腎臓はP調節系の主座で
値群より、その発症頻度は2倍に及んだことを報告
あり、加齢に伴う腎機能の低下は必然的にP代謝の
している。また、高P血症が腎機能を悪化させたり、
恒常性の破綻を齎す。
肺癌などの発症と関連することが、注目されている。
P調節ホルモンはカルシウム同様副甲状腺ホルモ
演者は、高P血症を代謝疾患と捉え、運動により
ン(PTH)とビタミンDであると考えられていたが、
筋肉を増強することにより、筋肉のPの緩衝系とし
常染色体低リン血性クル病(ADHR)の原因遺伝子
ての働きを高めるという試みを開始している。筋増
および腫瘍性低リン血性クル病の原因遺伝子として、
強にはビタミンDの投与も後押しをすることが期待
fibroblast growth factor(FGF)
23が、P代謝を調節する
される。
液性因子として同定された。FGF23は慢性腎臓病に
従来、腎疾患患者には運動制限を指導することが
伴う骨・ミネラル代謝異常の病態形成で重要な役割
多かった。原疾患が慢性糸球体腎炎で若年患者の多
を演じている。血清Pの上昇は糸球体濾過量が30ml/
かった以前と、高齢の慢性腎臓病患者では昨今とは
min以下になると顕著になるが、血清FGF23値の上昇
運動療法に対する捉え方は大きく異なる。P代謝を
は軽度腎機能低下から認められている。そして腎機
軸として、腎疾患患者の運動の意義についても考え
能低下から認められる前からの僅かなP代謝異常が、
てみたい。
血管石灰化および生命予後と関連することが明らか
横山 啓太郎(よこやま けいたろう)先生
東京慈恵会医科大学 腎臓・高血圧内科 准教授 ◆学歴・職歴
1985
(昭和60)
年 3月 東京慈恵会医科大学医学部卒業
1985
(昭和60)
年 5月 国立病院医療センターにて内科研修
1987
(昭和62)
年 5月 東京慈恵会医科大学医学部助手
(第二内科講座)
1991(平成3)
年 4月 虎の門病院 腎センター医員
1998
(平成10)
年10月 東京慈恵会医科大学医学部助手
(第二内科講座)
2002
(平成14)
年 1月 東京慈恵会医科大学 腎臓・高血圧内科 講師
2011
(平成23)
年10月 東京慈恵会医科大学 腎臓・高血圧内科 准教授
◆専門分野
臨床腎臓病学、水・電解質、急性腎不全、骨ミネラル代謝、腹膜透析
◆主な学会活動歴
日本腎臓学会学術評議委員、日本透析医学会評議委員、日本透析医学会二次性副甲状腺機能亢進症治療ガイドライン作成委員、日本
透析医学会CKD/MBD診断と治療ガイドライン作成委員会 副委員長、日本内科学会「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事
業」評価委員(臨床立会い医)
、東京PD研究会代表幹事
【共催】第₅回日本腎臓リハビリテーション学会学術集会/鳥居薬品株式会社