大和田操 似鳥嘉一 - 日本子ども家庭総合研究所

総合研究報告書
厚生科学研究(子ども家庭総合研究)
「小児糖尿病・生活習慣病の発症要因、治療、予防に関する研究」
(小児インスリン非依存性糖尿病の早期発見と鞭去、長期予辛隻改善に関する研究)
小児期発症2型糖尿病に対する適切な管理方法に関する研究
[協力者]
大和田操
日本大学医学部小児科
[結果および考察1
似鳥嘉一
日本大学医学部小児科
学童の尿糖検査で無症状のうちに発見される2
型糖尿病の特徴とその管理方法について検討した。
平成10年度は発見時における2型糖尿病の家族
[研究目的]
歴の有無と、長期追跡時の家族歴の変化を検討し、
小児発症2型糖尿病に対する適切な管理法を検
小児発症2型糖尿病児には2型糖尿病の家族歴
討することを目的とした。
が濃厚なことを明らかにした。平成11年度は長
期追跡時の脱落例を含めた検討を行い、本年度は、
[対象と方法]
小児2型糖尿病に対する薬物投与について解析
学童の尿糖スクリーニングにおいて東京の一部の
した。その結果、(1)肥満の強い例では食事・運
地区で発見され、駿河台日大病院を受診した120
動療法が極めて有用であるが、病識の欠如のため
例の2型糖尿病を対象として、血糖コントロー
にひとたび血糖コントロールが改善すると容易に
ル、膵内分泌能、身体所見、2型糖尿病家族歴に
脱落する。(2)非肥満、軽度肥満例には薬物投
ついて経験的に追跡した。また、薬物療法を行っ
与を必要とする例が多く、それが動機づけとなっ
ている場合はその推移について検討した。
て脱落例が少ないこと力朝らかにされた。
今後は自己管理を如何に適切に行うかが課題とな
るものと考える。
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