農 業 みのる農事研究会から ぼうけんてき この地で初めてスイカ栽培を試みたのは、発足地区の青年グループ『みのる農事研究会』 。冒険的取り組みといわれ いしずえ きず こころざし ながらも、本格栽培にのりだし、らいでんブランドの礎を築きました。その 志 を受けつぐかのように、2009年 (平 けっせい じょうねつ 成21年) には農家の後継者である青年たちが『Grow up』を結成。新しい特産品をつくろうと野菜づくりに情熱を かたむ かいさい しょくいく 傾け、プチ ・ マルシェの開催をはじめ、まちの食育事業に協力するなど、さまざまな活動を行っています。 かみさか よ う じ かみさか ひ で き みのる農事研究会 代表 故・神坂 要治氏のご子息/神坂 秀樹さん おやじ おやじ しゅうえき 「親父は多くを語りませんでしたが、スイ め、親 父たちはなによりも収 益が上がる カ栽培を軌 道にのせるまでは長い道のり ものをつくりたいという一 念だったのだ であったと聞いています。このあたりは と思います。スイカは手間のかかる作物で 石が多くあまりいい土地とはいえません す。手間をかけ、知恵を絞 り、あれこれ が、比 較的温 暖で海からの風により朝 露 工夫して育てるのは、やはり消費者が求 が残らないといった気象がスイカ栽培に めるものをつくりたいから。親 父から私、 は 合 っ て い た の で し ょ う。 当 時 日 本 は 私から息子へというように、技術とともに 高 度経済成長期に入っていて、農業と他 やりがいを伝え、らいでんブランドを守っ 産業との所 得格差も広がりつつあったた ていきたいと思います」。 きどう ひ か く て き おんだん あさつゆ こうどけいざい しょとくかくさ 19 |三世代で語りつぐ60年 いちねん しぼ おやじ むすこ 町村知事「みのる農事研究会」を視察 中央傘の下が町村知事、左隣が神坂要冶さん、 右隣が山本精一町長 上段左から山本美和子さん、山本耕拓さん、國本稔さん、 新井裕之さん、神坂実喜世さん 下段左から今村明博さん、中井宏国さん、浦口和也さん グ ロ ー アップ Grow upへ グ ロ ー アップ な か い ひろくに うらぐち か ず や Grow up 代表/中井 宏国さん・広報/浦口 和也さん じく てんかい はんろ 「自分たちがつくった野菜を地元の人に食 この直売を軸 に活動を展 開。新たな販 路 べてもらおう、そして新しい特産品をつ の開拓も行い経験を重ねてきたんですね。 くりだそう。これが、ぼくらの出発点で 結 成から6年、人とのつながりやネット した」と、代表を 務 める中 井宏 国さん。 ワークが広がってきたと実感。その流れ その言葉を受けて、広報担当の浦 口和 也 のなかで、取り組むべきこと、できるこ さんがこれまでをふり返ります。「当初、 とをみつけられればいい。メンバーそれ 取り組んだのが共和町と気候風土の似た ぞれの考えや思いを集 約しながら、経営 ヨーロッパの野菜栽培。収 穫した野菜を を支える力となる活動につなげていくこ 販売するプチ・マルシェも開 催しました。 とが目下の目標です」。 つと な か い ひろくに うらぐち か ず や しゅうかく かいさい けっせい しゅうやく もっか プチ ・ マルシェでは調理方法なども伝授 三世代で語りつぐ60年| 20 農 業 スイカ集出荷選果施設 道内一の出荷量を誇るスイカは、万全の 集出荷体制を整えています。選果施設で は中身を割らずに糖度ならびに品質を確 認できる光センサーを導入。『らいでん』 ブランドの高い評価は、この厳しい品質 管理によって支えられています。 21 |三世代で語りつぐ60年 メロン集出荷選果施設 スイカと同じく、メロンにも厳しい品質基準が 設けられています。季節ともなると、選果施設 では光センサーによる選別、搬送システムがフ ル稼働。フレッシュなおいしさをそのままに、 生産者から消費者のもとへ届けられています。 共和ダム 降水量が少なく土壌の保水性も乏しいことから、 安定した農業用水の確保を目的に建設されまし た。農産物の品質向上を図るための貯水池とし て機能し、発足地区のスイカやメロンなどの畑 地に供給されています。 農業開発センター 栽培技術の研究はもちろん、土 米施設 壌分析診断や品質比較試験など を行う施設です。試験圃場の面 積はおよそ 10,000㎡。加工品づ くりに向けたスペースや各種機 器、さらに後継者の研修等に使わ れる会議室も完備しています。 小麦施設 三世代で語りつぐ60年| 22
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