19~22ページ

農 業
みのる農事研究会から ぼうけんてき
この地で初めてスイカ栽培を試みたのは、発足地区の青年グループ『みのる農事研究会』
。冒険的取り組みといわれ
いしずえ きず
こころざし
ながらも、本格栽培にのりだし、らいでんブランドの礎を築きました。その 志 を受けつぐかのように、2009年
(平
けっせい
じょうねつ
成21年)
には農家の後継者である青年たちが『Grow up』を結成。新しい特産品をつくろうと野菜づくりに情熱を
かたむ
かいさい
しょくいく
傾け、プチ ・ マルシェの開催をはじめ、まちの食育事業に協力するなど、さまざまな活動を行っています。
かみさか よ う じ
かみさか ひ で き
みのる農事研究会 代表 故・神坂 要治氏のご子息/神坂 秀樹さん
おやじ
おやじ
しゅうえき
「親父は多くを語りませんでしたが、スイ
め、親 父たちはなによりも収 益が上がる
カ栽培を軌 道にのせるまでは長い道のり
ものをつくりたいという一 念だったのだ
であったと聞いています。このあたりは
と思います。スイカは手間のかかる作物で
石が多くあまりいい土地とはいえません
す。手間をかけ、知恵を絞 り、あれこれ
が、比 較的温 暖で海からの風により朝 露
工夫して育てるのは、やはり消費者が求
が残らないといった気象がスイカ栽培に
めるものをつくりたいから。親 父から私、
は 合 っ て い た の で し ょ う。 当 時 日 本 は
私から息子へというように、技術とともに
高 度経済成長期に入っていて、農業と他
やりがいを伝え、らいでんブランドを守っ
産業との所 得格差も広がりつつあったた
ていきたいと思います」。
きどう
ひ か く て き おんだん
あさつゆ
こうどけいざい
しょとくかくさ
19
|三世代で語りつぐ60年
いちねん
しぼ
おやじ
むすこ
町村知事「みのる農事研究会」を視察
中央傘の下が町村知事、左隣が神坂要冶さん、
右隣が山本精一町長
上段左から山本美和子さん、山本耕拓さん、國本稔さん、
新井裕之さん、神坂実喜世さん
下段左から今村明博さん、中井宏国さん、浦口和也さん
グ
ロ
ー
アップ
Grow upへ
グ
ロ
ー
アップ
な か い ひろくに
うらぐち か ず や
Grow up 代表/中井 宏国さん・広報/浦口 和也さん
じく
てんかい
はんろ
「自分たちがつくった野菜を地元の人に食
この直売を軸 に活動を展 開。新たな販 路
べてもらおう、そして新しい特産品をつ
の開拓も行い経験を重ねてきたんですね。
くりだそう。これが、ぼくらの出発点で
結 成から6年、人とのつながりやネット
した」と、代表を 務 める中 井宏 国さん。
ワークが広がってきたと実感。その流れ
その言葉を受けて、広報担当の浦 口和 也
のなかで、取り組むべきこと、できるこ
さんがこれまでをふり返ります。「当初、
とをみつけられればいい。メンバーそれ
取り組んだのが共和町と気候風土の似た
ぞれの考えや思いを集 約しながら、経営
ヨーロッパの野菜栽培。収 穫した野菜を
を支える力となる活動につなげていくこ
販売するプチ・マルシェも開 催しました。
とが目下の目標です」。
つと
な か い ひろくに
うらぐち か ず や
しゅうかく
かいさい
けっせい
しゅうやく
もっか
プチ ・ マルシェでは調理方法なども伝授
三世代で語りつぐ60年|
20
農 業
スイカ集出荷選果施設
道内一の出荷量を誇るスイカは、万全の
集出荷体制を整えています。選果施設で
は中身を割らずに糖度ならびに品質を確
認できる光センサーを導入。『らいでん』
ブランドの高い評価は、この厳しい品質
管理によって支えられています。
21
|三世代で語りつぐ60年
メロン集出荷選果施設
スイカと同じく、メロンにも厳しい品質基準が
設けられています。季節ともなると、選果施設
では光センサーによる選別、搬送システムがフ
ル稼働。フレッシュなおいしさをそのままに、
生産者から消費者のもとへ届けられています。
共和ダム
降水量が少なく土壌の保水性も乏しいことから、
安定した農業用水の確保を目的に建設されまし
た。農産物の品質向上を図るための貯水池とし
て機能し、発足地区のスイカやメロンなどの畑
地に供給されています。
農業開発センター
栽培技術の研究はもちろん、土
米施設
壌分析診断や品質比較試験など
を行う施設です。試験圃場の面
積はおよそ 10,000㎡。加工品づ
くりに向けたスペースや各種機
器、さらに後継者の研修等に使わ
れる会議室も完備しています。
小麦施設
三世代で語りつぐ60年|
22