〔実 7 頁〕 公開特許公報(A) (19)日本国特許庁(JP) (12) (11)特許出願公開番号 特開2015-171360 (P2015−171360A) (43)公開日 平成27年10月1日(2015.10.1) (51)Int.Cl. A23G FI 4/00 (2006.01) A23G テーマコード(参考) 3/30 審査請求 4B014 有 請求項の数5 OL (全11頁) (21)出願番号 特願2015-48828(P2015-48828) (71)出願人 501401593 (22)出願日 平成27年3月11日(2015.3.11) ロッテ (31)優先権主張番号 10-2014-0028325 ー (32)優先日 平成26年3月11日(2014.3.11) 大韓民国 (33)優先権主張国 韓国(KR) ドウンポ−ク コンフェクショナリー カンパニ リミテッド ソウル 150−105 ヤンピョン−ドン ヨン 5−カ 21 (71)出願人 307013857 株式会社ロッテ 東京都新宿区西新宿3丁目20番1号 (74)代理人 100106666 弁理士 阿部 英樹 (74)代理人 100102875 弁理士 石島 茂男 最終頁に続く (54)【発明の名称】天然ガム組成物 (57)【 要 約 】 (修正有) 【課題】天然原料であるチクルをガムベースの主な原料として利用しながらも、ガムの物 性に満足して味と香が優秀な新しい概念の天然ガムの提供。 【 解 決 手 段 】 (A)天 然 チ ク ル 、 キ ャ ン デ リ ラ ロ ウ 、 カ ル ナ ウ バ ロ ウ 及 び マ イ ク ロ ク リ ス タ リ ン ワ ッ ク ス を 含 む 天 然 ガ ム ベ ー ス 及 び (B)エ リ ス リ ト ー ル を 含 む 組 成 物 。 天 然 チ ク ル と エ リ ス リ ト ー ル の 重 量 割 合 は 1 : 2 ∼ 1 : 4 で あ り 、 (A)天 然 ガ ム ベ ー ス 2 5 ∼ 3 5 重 量 % ; (B)エ リ ス リ ト ー ル 2 0 ∼ 5 5 重 量 % ; (C)D-キ シ ロ ー ス 1 0 ∼ 3 0 重 量 % ; (D)酵 素 処理したステビア、羅漢果抽出物及びソーマチンからなる群から選択された1種以上の甘 味 料 0 .1 ∼ 3 重 量 % ; (E)シ ト ラ ス 系 香 料 0 .8 ∼ 5 重 量 % ; 及 び (F)乳 化 剤 0 .5 ∼ 2 重 量%;を全体として100重量%を超えない範囲で含むことを特徴とする、天然ガム組成 物。 【選択図】なし ( 2 ) JP 1 2015-171360 A 2015.10.1 2 【特許請求の範囲】 。噛めば噛むほど強いガムがあれば、時間がたつにつれ 【請求項1】 柔らかくなるものもある。さらに、ガムの種類によって (A)天然チクル、キャンデリラロウ、カルナウバロウ及 数分または数秒内に味を無くすことに対して、一時間以 びマイクロクリスタリンワックスを含む天然ガムベース 上が経ても維持されるものもある。ガムの物理的特性に 、及び(B)エリスリトールを含み、 及ぶ影響は多様だが、その中でもガムベースは最も重要 前記天然チクルと前記エリスリトールの重量比は1:2 な要素である。 ∼1:4であることを特徴とする天然ガム組成物。 【0003】 【請求項2】 商業的なガムが登場する前までは、砂糖黍、植物の葉、 (A)天然ガムベース25∼35重量%; (B)エリスリトール20∼55重量%; 小麦粉などの天然物質を噛んでいた。ガムが初めて商業 10 化された1870年代、人々は古代マヤ人が噛んだゴム (C)D-キシロース10∼30重量%; 植物の一種であるマニルカラチクル(Manilkara Chicle) (D)酵素処理したステビア、羅漢果抽出物及びソーマチ を使おうとしたが、これはガムベースの唯一の原料であ ンからなる群から選択された1種以上の甘味料0.1∼ った(History of Chewing Gum、2011)。 3重量%; 【0004】 (E)シトラス系香料0.8∼5重量%;及び しかし、チクルは抽出しにくいため、ガムベースの原料 (F)乳化剤0.5∼2重量%; は天然チクルから合成物質へと変わった。この欠点を解 を全体として100重量%を超えない範囲で含むことを 決するために、人々はガムベースの代替物質として、溶 特徴とする、請求項1に記載の天然ガム組成物。 解もされず、消化もされない酢酸ビニール樹脂(vinyl a 【請求項3】 cetate resin)を見つけ出した(Chicle (Gum)、2011 前記天然ガムベース(A)は、 20 )。 天然チクル50∼70重量%; 【0005】 キャンデリラロウ10∼25重量%; 一方、韓国公開特許第2013−0094141号は、 カルナウバロウ5∼15重量%;及び ガムベースの代わりの天然原料として、葡萄の皮を適用 マイクロクリスタリンワックス10∼25重量%; し、消化力及び弾性に優れたガム組成物を提供している を全体として100重量%を超えない範囲で含むことを が、産業的に大量生産することに限界があり、葡萄の皮 特徴とする、請求項1または請求項2のいずれか1項に には唾液及び消化液で分解されやすいので、ガムベース 記載の天然ガム組成物。 固有の機能を維持するためには問題があった。 【請求項4】 【0006】 キャンデリラロウ、カルナウバロウ及びマイクロクリス 韓国登録特許第10−0505533号は、くっつかな タリンワックスの重量比が1∼2.5:1:1∼1.5で 30 いガムに関するものであって、天然チクルに纎維質の植 あることを特徴とする、請求項1に記載の天然ガム組成 物素材である葛根、甘草、密蝋を配合したものに甘味料 物。 のサッカリンと天然食品香料を添加することで、いくら 【請求項5】 噛んでもくっつかない新しい概念のガムを作ろうとした 砂糖、水あめ及びブドウ糖からなる群から選択された1 が、植物、葛根、甘草と密蝋は乳化力がほとんどないた 種以上の糖類をさらに含むことを特徴とする、請求項2 め、歯牙にくっつく問題があった。 に記載の天然ガム組成物。 【0007】 【発明の詳細な説明】 よって、天然原料であるチクルをガムベースの主な原料 【技術分野】 として利用しながらも、ガムの物性に満足して味と香が 【0001】 優秀な新しい概念の天然ガムを提供する必要性があった 本発明は、天然ガム組成物に関するもので、より詳細に 40 。 は、ガムベースとして主に利用されてきた酢酸ビニール 【先行技術文献】 樹脂のような合成樹脂を基本原料にすることの代りに、 【特許文献】 天然チクルをガムの基本原料としながら、天然チクルが 【0008】 持つ食感の問題を解決し、味と香が優秀な天然ガム組成 【特許文献1】韓国公開特許第2013−009414 物に関するものである。 1号 【背景技術】 【特許文献2】韓国登録特許第10−0505533号 【0002】 【発明の概要】 毎日、一日何回もガムを楽しんだりするが、通常、一回 【発明が解決しようとする課題】 に一時間以上噛むようになる。 【0009】 ガムの種類が多様なだけ、質感、硬度、味も様々である 50 ここで、本発明者らは、天然ガムとして天然チクルと所 ( 3 ) JP 3 2015-171360 A 2015.10.1 4 定量のワックス及びエリスリトールを含有する場合、分 で、新しい天然ガムを提供することができる。 子量の小さいエリスリトールが天然チクルが持つ超硬度 【0017】 を軟化させることで、ガムで求められる硬度、1.5∼ また、本発明では、主要原料である天然チクルの松の皮 2.5kg[探針 P/5 - φ5mm(円柱形状で直径が5mmの のような高い超硬度を天然高甘味料であるエリスリトー 探針:プローブ)を用い、進入速度2mm/secの条件下で ルで軟化させることで、ガムで求められる物性と長い間 、Texture Analyserを使用した時の測定結果]などの物 口の中で咀嚼してもガムがとけて歯牙にくっつかないの 性を満足させることができることが分かって、本発明を で、年寄りや義歯をした人、大人、子供、男女を問わず 完成することになった。 、脚光を浴びることができるガムを提供できる。 【0010】 よって、本発明の目的は、(A)天然チクル、キャンデリ 【発明を実施するための形態】 10 【0018】 ラロウ、マイクロクリスタリンワックス及びカルナウバ 以下、本発明を一つの具現例として、より詳細に説明す ロウを含む天然ガムベース及び(B)エリスリトールを含 る。 む天然ガムを提供することにある。 【0019】 【課題を解決するための手段】 本発明は、(A)天然チクル、キャンデリラロウ、カルナ 【0011】 ウバロウ及びマイクロクリスタリンワックスを含む天然 上記のような課題を解決するために、本発明は、(A)天 ガムベース及び(B)エリスリトールを含み、上記天然チ 然チクル、キャンデリラロウ、カルナウバロウ及びマイ クルとエリスリトールの重量割合は1:2∼1:4であ クロクリスタリンワックスを含む天然ガムベース及び(B ることを特徴とする天然ガム組成物である。 )エリスリトールを含み、上記天然チクルと上記エリス 【0020】 リトールの重量割合は1:2∼1:4であることを特徴 20 具体的に、本発明は(A)天然ガムベース25∼35重量 とする、天然ガム組成物である。 %;(B)エリスリトール20∼55重量%;(C)D-キシロ 【0012】 ース10∼30重量%;(D)酵素処理したステビア、羅 本発明では、(A)天然ガムベース25∼35重量%;(B) 漢果抽出物及びソーマチンからなった群から選択された エリスリトール20∼55重量%;(C)D-キシロース1 1種以上の甘味料0.1∼3重量%;(E)シトラス系香料 0∼30重量%;(D)酵素処理したステビア、羅漢果抽 0.8∼5重量%;及び(F)乳化剤0.5∼2重量%を全 出物及びソーマチンからなる群から選択された1種以上 体として100重量%を超えない範囲で含む天然ガム組 の甘味料0.1∼3重量%;(E)シトラス系香料0.8∼ 成物を提供する。 5重量%;及び(F)乳化剤0.5∼2重量%;を全体とし 【0021】 て100重量%を超えない範囲で含む場合にも効果的で 上記天然ガムベース(A)は、天然成分100%で構成さ ある。 30 れた天然ガムベースであり、具体的に天然チクル50∼ 【0013】 70重量%;キャンデリラロウ10∼25重量%;カル 本発明では、前記天然ガムベース(A)は、天然チクル5 ナウバロウ5∼15重量%;及びマイクロクリスタリン 0∼70重量%;キャンデリラロウ10∼25重量%; ワックス10∼25重量%を全体として100重量%を カルナウバロウ5∼15重量%;及びマイクロクリスタ 超えない範囲で含む。 リンワックス10∼25重量%;を全体として100重 【0022】 量%を超えない範囲で含む場合にも効果的である。 この時、上記天然チクルは、感触が柔らかくて、滑らか 【0014】 で、口の中の温度で適当にかみやすい組職感を持つ特徴 本発明では、キャンデリラロウ、カルナウバロウ及びマ を有するもので、天然ガムベース全体の重量対比50∼ イクロクリスタリンワックスの重量比が1∼2.5:1 :1∼1.5である場合にも効果的である。 70重量%を使うことが好ましい。天然チクルが50重 40 量%未満の場合、香料に軟化されて組職感が粗くなる問 【0015】 題があり、70重量%超過の場合、製造工程と歯牙にく 本発明では、砂糖、水あめ及びブドウ糖からなる群から っつく問題があるので、上記範囲内で使った方が良い。 選択された1種以上の糖類をさらに含む場合にも効果的 【0023】 である。 上記キャンデリラロウは、樹脂成分を含んで水に溶けな 【発明の效果】 い特徴を持つもので、組職感に弾力を与える役割をし、 【0016】 これは天然ガムベース全体の重量対比10∼25重量% 本発明による天然ガムベースは、比較的にシンプルな原 で使うことが好ましい。キャンデリラロウが10重量% 料構成と100%天然成分から構成された組成物を提供 未満の場合、ガムベース全体の感触が柔らかくなる問題 するところ、天然成分が製品の一部にだけ含まれた従来 があり、25重量%超過の場合は、感触が固くなる問題 の製品と違い、組成物全体が天然成分から構成されるの 50 があるので、上記範囲内で使った方が良い。 ( 4 ) JP 5 2015-171360 A 2015.10.1 6 【0024】 pollinisまたはTrichosporonoides megachilensisなど 上記カルナウバロウは、ヤシの葉から抽出した樹脂で、 の醗酵液を濾過、精製、結晶化、水洗過程を経て、乾燥 組職感に弾力を与える役割をし、これは天然ガムベース した後に得られるし、主な成分として分子量が122の 全体の重量対比5∼15重量%で使うことが好ましい。 低分子量を有する。このようなエリスリトールは、天然 カルナウバロウが5重量%未満の場合、ガムベース全体 チクルと混合する時、ガムベースの組職を柔らかくする の感触が柔らかくなる問題があり、15重量%超過の場 作用をして天然チクルが持つ堅い超硬度を柔らかくて滑 合は、感触が固くなる問題があるので、上記範囲内で使 らかに軟化し、ガムで求められる柔らかい物性を満足さ った方が良い。 せることができる。また、粘度が低くて粘性によって生 【0025】 じる問題点、すなわち、製造工程の問題、歯牙付着の問 上記マイクロクリスタリンワックスは、融点が65∼8 10 題などを解決する役割をする。この時、エリスリトール 5 の特徴を有するもので、ガムベースの柔軟性と混合 は天然ガム組成物全体の重量対比20∼55重量%を使 性をよくする役割をし、これは天然ガムベース全体の重 うことが好ましい。より好ましくは35∼50重量%で 量対比10∼25重量%で使うことが好ましい。マイク ある。エリスリトールが20重量%未満の場合、天然ガ ロクリスタリンワックスが10重量%未満の場合、ガム ムベースの超硬度を柔らかく軟化させにくいので、天然 の柔軟性が落ちる問題があり、25重量%超過の場合、 ガムの味と感触が悪くなる問題が生じ、55重量%超過 ガムの組職感がくたくたになる問題があるので、上記範 の場合、原価が高くなり、製造工程上、圧延などのシー 囲内で使った方が良い。 ツ形成に問題が生じるので、上記範囲内で使った方が良 【0026】 い。 この時、キャンデリラロウ、カルナウバロウとマイクロ 【0030】 クリスタリンワックスの重量割合は、1∼2.5:1: 20 同時に、上記天然ガムベースの主成分である天然チクル 1∼1.5(カルナウバロウの重量割合を1とした場合 とエリスリトールの重量割合は1:2∼1:4を使うこ に、カルナウバロウに対するキャンデリラロウの重量割 とが好ましい。より好ましくは1:2∼1:3.5であ 合が1∼2.5で、かつ、カルナウバロウに対するマイ る。上記範囲を超える場合は、エリスリトールの超硬度 クロクリスタリンワックスの重量割合が1∼1.5であ を柔らかく軟化させる役割ができないため、天然ガムの ること)の割合で使うことが好ましい。上記で言及した 味と感触が悪くなり、製造原価も高くなるので、上記重 ように、キャンデリラロウとカルナウバロウは、組職感 量割合で使うことが最も好ましい。 に弾力を与える役割をし、マイクロクリスタリンワック 【0031】 スは柔軟性と混合性をよくする役割をするので、上記の 上記(C)D-キシロースは、ガムに保型性、清凉感及び天 割合の範囲内で使う場合、天然チクルとエリスリトール 然感を強化してくれる役割をするもので、天然ガム組成 の軟化作用による組職感を目的とするガムの水準(基準 30 物全体の重量対比10∼30重量%を使うことが好まし 値)として満足させることができるためである。 い。D-キシロースが10重量%未満の場合、製造工程上 【0027】 、シーツの形成に大きい影響を与えることができないし 一方、上記天然成分から構成された天然ガムベースは、 、30重量%超過の場合は、製品の柔軟性が落ちて甘味 天然ガム組成物全体の重量対比25∼35重量%を使う と清凉感が減って品質低下の問題が生じることがあるの ことが好ましい。天然ガムベースの含量が25重量%未 で、上記範囲内で使った方が良い。 満の場合、製造工程上、圧延、栽断、包装がよくできず 【0032】 、ガムが柔らかすぎて噛むことが不便であり、35重量 上記(D)天然高甘味料は、酵素処理したステビア、羅漢 %超過の場合、製造工程上、圧延、栽断、包装がよくで 果抽出物及びソーマチンからなった群から選択された1 きず、ガムの感触がかたくなって品質低下の問題が発生 することがあるので、上記範囲内で使った方が良い。 種以上を使うことができ、これは天然ガム組成物全体の 40 重量対比0.1∼3重量%を使うことが好ましい。天然 【0028】 高甘味料が0.1重量%未満の場合、甘味が弱くなり、 同時に、本発明では砂糖、水飴、ブドウ糖、エリスリト ガム全体の香味の弱くなる問題があり、3重量%超過の ール及びD-キシロースからなった群から選択された1種 場合は、甘味が強すぎて喉がひりひりする問題があるの 以上の糖類を使うことができるが、さらに好ましくは軟 で、上記範囲内で使った方が良い。 化作用が優れたエリスリトールとガムに保型性、清凉感 【0033】 及び天然感を強化してくれるD-キシロースを使うことが 上記(E)香料は天然香料であって、シトラス系統、例え 好ましい。 ばオレンジ、レモン、ライムなどを使うことができるが 【0029】 、必ずこれに制限されることではない。天然香料は、天 よって、本発明で使う主要成分である(B)エリスリトー 然ガム組成物全体の重量対比0.8∼5重量%を使うこ ルは低カロリー、高甘味料であって、酵母のMoniliella 50 とが好ましい。天然香料 0.8重量%未満の場合、味が ( 5 ) JP 7 2015-171360 A 2015.10.1 8 弱くなる問題があり、5重量%超過の場合、ガムの組織 が柔らかくなる問題があるので、上記範囲内で使った方 が良い。 【0034】 上記(F)乳化剤は、ガムの混合性及び付着抑制の役割を するもので、天然ガム組成物全体の重量対比0.5∼2 重量%を使うことが好ましい。乳化剤が0.5重量%未 満の場合、ガムが歯牙にくっつく問題があり、2重量% 超過の場合には、ガムの組織が柔らかくなる問題がある ので、上記範囲内で使うことが好ましい。 10 【0035】 【0041】 同時に、上記天然ガムベース組成物には、シトラス抽出 実施例1∼3及び比較例1∼6 物、天然ガムにはレシチン、天然甘味料であるアセロラ 製造例1∼8で用意した天然ガムベース、並びに下記表 果汁などの天然抽出物をさらに含むことができる。 2に示した構成成分及び含量を混合してガムを製造した 【0036】 。具体的に、実施例1は製造例1で準備してガムベース よって、本発明では、天然チクルに天然ワックスととも を、実施例2は製造例2、実施例3は製造例3、比較例 に分子量の小さいエリスリトールを使用する場合、従来 1は製造例4、比較例2は製造例5、比較例3は製造例 の天然チクルが持つ超硬度がとても硬くて、後半の感触 1、比較例4は製造例6、比較例5は製造例7、比較例 は強くなるは問題点を克服しながらも、シンプルな原料 6は製造例8を使用したことを除いて、下記表2に示し 構成で100%天然成分から構成された天然ガムベース 20 た構成成分及び含量を混合してガムを製造した。 及び天然ガム組成物を提供することができる。 【0042】 【0037】 【表2】 ひいては、上記天然ガムの場合には、基本原料であるガ ムベースだけでなく添加される他の構成も天然物質を使 うことで、従来の食感などの問題で合成樹脂とともに極 少量の天然樹脂を使っても天然ガムと称した製品とは違 う、‘天然ガム’に適 するガムを消費者に提供するこ とができる。よって、本発明による天然ガムは、年寄り や義歯をした人、大人、子供、男女を問わず脚光を浴び ることができるガムを提供することができる。 30 【0038】 以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明する。 しかし、これらの実施例は本発明を例示するためのもの で、本発明の範囲がこれらによって限定されることはな い。 【0043】 【0039】 実験例1:物性評価 製造例1∼8 実験例1 1:硬度テスト 下記表1に示した構成成分及び含量を混合して、ガムベ 探針 P/5 - φ5mm(円柱形状で直径が5mmの探針:プ ースの製造工程を経て天然ガムベースを製造した。 【0040】 ローブ)を用い、進入速度2mm/secの条件下でTexture 40 【表1】 Analyser TA.XT Plusを利用して硬度テストを行い、そ の結果を下記表3に示した。 【0044】 【表3】 【0045】 50 上記表3に示したように、本発明による組成物で製造さ ( 6 ) JP 9 2015-171360 A 2015.10.1 10 れた実施例1∼3は、基準値を満たすことに対して、比 【0052】 較例1∼5は超硬度が強くて噛むのに適してない結果を 上記表5に示したように、ガムの粘弾性テストの結果、 確認することができた。特に、比較例3の場合、実施例 本発明によって製造された実施例1∼3のガムは、粘弾 1と同じガムベース組成物を含んでいるが、エリスリト 性が4∼5dyn/cm の時、噛むのに適した感触と粘弾性 ールの未添加によって超硬度が非常に高くて、ガムで求 を有する結果を確認することができた。 められる物性を満足させられなかったことを確認するこ 【0053】 とができた。同時に、比較例1の場合には、天然チクル よって、上記実験例1の結果を通じて、エリスリトール を使ってはいるが、超硬度を調節するために酢酸ビニー は天然チクルの硬い感触を改善することができ、これに ル合成樹脂を含まなければならなかった。比較例4∼6 よってガムで求められる物性を満足させられたことを確 の場合、エリスリトールの軟化作用はあったが、使った 10 認できた。 天然ワックスが本発明による重量割合を超えた場合は、 【0054】 目標値に到達できないことを確認できる。 実験例2:官能検査 特に、比較例6の場合には、マイクロクリスタリンワッ 上記実施例1∼3及び比較例1∼6によって製造された クスを多量含んで、組職感がくたくたになるなど、超硬 ガムに対して官能検査を9点尺度法によって実施し、そ 度がとても低いことを確認することができる。 の結果を下の表6に示した。上記官能検査は、ガムの関 【0046】 連分野で3年以上携わって、官能検査の経験がある男女 よって、本発明による天然ガムベースに所定量のエリス 20名(男女それぞれ10名)によって測定するようにし リトールと、所定の割合で天然ワックスを入れる場合、 た。 100%の天然ガムベースを使う場合にもガムで求めら 【0055】 れる物性を満足させることができる。 2 20 【表6】 【0047】 実験例1 2:伸展度テスト レオメーター(RUD-J型)を使ってガムの応力の変化をテ ストし、その結果を下記表4に示した。 【0048】 【表4】 【0056】 上記表6を通じて、本発明によって製造された実施例1 ∼3のガムが、香と味が良く出て、特に、触感が比較例 30 1∼6に比べて大きい差が出る結果を確認することがで きた。 【0049】 【0057】 上記表4に示したように、ガムの伸展度をテストした結 よって、本発明による天然ガムは、主要原料である天然 果、本発明によって製造された実施例1∼3のガムは、 チクルの松の皮のような高い超硬度をエリスリトールで ガムの伸びる程度は4∼5mmで最適であることを確認す 軟化させることで、ガムで求められる物性と、長い間口 ることができた。 の中で咀嚼してもガムがとけて歯牙にくっつかないので 【0050】 、年寄りや義歯をした人、大人、子供、男女を問わず脚 実験例1 3: ガムの粘弾性テスト 光を浴びることができるガムを提供することができる。 東洋精機社製の粘弾性測定装置(レオログラフ)を利用 してガムの粘弾性テストを行い、その結果を下記表5に 40 示した。 【0051】 【表5】 ──────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き ( 7 ) (72)発明者 パク 431−792 ムグンホワ (72)発明者 ヨーン ヒョスン ギョンギ−ド アパートメント アンヤン−シ 2015.10.1 ドンガン−グ ドンガン−ロ 35 104−804 大韓民国 157−794 ソウル ガンソ−グ イ−パク アパートメント 122−304 ジェオン ジンキュン 大韓民国 158−755 リー アパートメント デゥンチョン−ロ ソウル ヤンチェン−グ 163 モックドンドン−ロ デウンチョン ア 350 モックドン 529−1302 キュヨン 大韓民国 (72)発明者 A ソック 5ダンジ (72)発明者 2015-171360 チジョル 大韓民国 (72)発明者 JP 143−761 ンダイ プライム イェア ミョンジャイ アパートメント 大韓民国 135−991 クヒョン タウン Fターム(参考) 4B014 GB14 ソウル グァンジン−グ GK03 GK05 GK07 56−ジル 29 ヒュ グワンピョン−ロ 19−ジル 15 モッ 13−1801 ソウル ガンナム−グ アパートメント グワンナル−ロ 106−1406 GL03 GL10 GP27 GY04
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