(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 リモートマスタと、そのリモートマスタ

(57)【特許請求の範囲】
を付して各々自ノードのタイミングでINデータを順次
【請求項1】
リモートマスタと、そのリモートマスタ
送信する一方、リモートマスタは上記基本アイドル時間
と通信ケーブルを介し接続された複数のINスレーブお
に基づく各INスレーブ毎のタイムスロットで、各IN
よびOUTスレーブとからなり、上記リモートマスタと
データに付された上記スタートコードに基づき各INス
上記INスレーブとの間でINデータを、上記OUTス
レーブからのINデータを受信する、
レーブとの間でOUTデータをそれぞれ送受信するよう
ことを特徴とするPLCのリモートI/Oシステム。
にしたPLCのリモートI/Oシステムにおいて、
【請求項2】
OUTデータの送受信については、
と通信ケーブルを介し接続された複数のINスレーブお
リモートマスタは各スレーブに対しOUTデータを一括
よびOUTスレーブとからなり、上記リモートマスタと
で送信すると共に、各スレーブのうちOUTスレーブは
上記INスレーブとの間でINデータを、上記OUTス
自ノードのタイミングでOUTデータを受信する一方、
レーブとの間でOUTデータをそれぞれ送受信するよう
INデータの送受信については、
にしたPLCのリモートI/Oシステムにおいて、
各INスレーブは上記OUTデータの受信タイミングに
OUTデータの送受信については、
基づいて、フレーム長および物理的遅延を考慮した基本
リモートマスタは各スレーブに対しOUTデータを一括
アイドル時間毎にリモートマスタに対しスタートコード
で送信すると共に、各スレーブのうちOUTスレーブは
リモートマスタと、そのリモートマスタ
(2)
特許第3293089
自ノードのタイミングでOUTデータを受信する一方I
INデータの送受信については、
Nデータの送受信については、
各INスレーブは上記OUTデータの受信後、フレーム
各INスレーブは上記OUTデータの受信タイミングに
長および物理的遅延を考慮した基本アイドル時間毎にリ
基づいて、フレーム長および物理的遅延を考慮した基本
モートマスタに対しスタートコードを付して各々自ノー
アイドル時間毎にリモートマスタに対し自ノードアドレ
ドのタイミングでINデータを順次送信して、
スを付して各々自ノードのタイミングでINデータを順
リモートマスタは上記基本アイドル時間に基づく各IN
次送信する一方、リモートマスタは各INデータに付さ
スレーブ毎のタイムスロットで、各INデータに付され
れたノードアドレスに基づき各INスレーブからのIN
た上記スタートコードに基づき各INスレーブからのI
データを受信する、
Nデータを受信する、
ことを特徴とするPLCのリモートI/Oシステム。
ことを特徴とするPLCのリモートI/Oシステムの実
【請求項3】
行方法。
リモートマスタと、そのリモートマスタ
と通信ケーブルを介し接続された複数のINスレーブお
【請求項6】 リモートマスタと、そのリモートマスタ
よびOUTスレーブとからなり、上記リモートマスタと
と通信ケーブルを介し接続された複数のINスレーブお
上記INスレーブとの間でINデータを、上記OUTス
よびOUTスレーブとからなり、上記リモートマスタと
レーブとの間でOUTデータをそれぞれ送受信するよう
上記INスレーブとの間でINデータを、上記OUTス
にしたPLCのリモートI/Oシステムにおいて、
レーブとの間でOUTデータをそれぞれ送受信するよう
OUTデータの送受信については、
にしたPLCのリモートI/Oシステムの実行方法にお
リモートマスタは各スレーブに対しOUTデータを一括
いて、
で送信すると共に、各スレーブのうちOUTスレーブは
OUTデータの送受信については、
自ノードのタイミングでOUTデータを受信する一方、
リモートマスタは各スレーブに対しOUTデータを一括
INデータの送受信については、
で送信すると共に、各スレーブのうちOUTスレーブは
リモートマスタは、各スレーブに対しOUTデータを一
自ノードのタイミングでOUTデータを受信し、
括で送信した後、INデータ送信開始コマンドを送信す
INデータの送受信については、
る一方、
各INスレーブは上記OUTデータの受信後、フレーム
各INスレーブは、INデータ送信開始コマンドの受信
長および物理的遅延を考慮した基本アイドル時間毎にリ
時を基準として基本アイドル時間毎にリモートマスタに
モートマスタに対し自ノードアドレスを付して各々自ノ
対し各々INデータを送信する、
ードのタイミングでINデータを順次送信して、
ことを特徴とするPLCのリモートI/Oシステム。
リモートマスタは各INデータに付されたノードアドレ
【請求項4】
スに基づき各INスレーブからのINデータを受信す
リモートマスタは、各スレーブに対しO
UTデータを一括で送信する際、特定のスレーブのアド
る、
レスを指定した管理情報要求を送信する一方、
ことを特徴とするPLCのリモートI/Oシステムの実
上記管理情報要求によりアドレスが指定された特定のス
行方法。
レーブは、上記OUTデータおよび管理情報要求の受信
【発明の詳細な説明】
後、直ぐに当該スレーブにおける管理情報を送信し、
【0001】
上記リモートマスタは、各INスレーブからINデータ
【発明の属する技術分野】本発明は、リモートマスタ
を受信する前に、上記アドレスを指定した特定のスレー
と、そのリモートマスタと通信ケーブルを介し接続され
ブからの管理情報を受信する、
た複数のスレーブとからなり、リモートマスタと各スレ
ことを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記
ーブとの間でINデータおよびOUTデータを一括送受
載のPLCのリモートI/Oシステム。
信方式で送受信するようにしたプログラマブルコントロ
【請求項5】
リモートマスタと、そのリモートマスタ
ーラ(以下、「PLC」という。)のリモートI/Oシ
と通信ケーブルを介し接続された複数のINスレーブお
ステム及びPLCのリモートI/Oシステムの実行方法
よびOUTスレーブとからなり、上記リモートマスタと
に関する。
上記INスレーブとの間でINデータを、上記OUTス
【0002】
レーブとの間でOUTデータをそれぞれ送受信するよう
【従来の技術】PLCのリモートI/Oシステムでは、
にしたPLCのリモートI/Oシステムの実行方法にお
リモートマスタと、そのリモートマスタと通信ケーブル
いて、
を介し接続された各スレーブとの間で、INデータおよ
OUTデータの送受信については、
びOUTデータを送受信する方法として、いわゆる一括
リモートマスタは各スレーブに対しOUTデータを一括
送受信方式がある。
で送信すると共に、各スレーブのうちOUTスレーブは
【0003】一括送受信方式では、図6に示すように、
自ノードのタイミングでOUTデータを受信し、
リモートマスタからOUTスレーブへのOUTデータの
(3)
特許第3293089
送受信は、リモートマスタがOUTデータの先頭にヘッ
フレームの重なりを防止して、確実に各INスレーブか
ダを付けたOUTデータフレームOFを一括で全スレー
らのINデータを受信できると共に、伝送効率を下げず
ブへ送信する一方、各OUTスレーブでは、各ノードの
に各スレーブからの管理情報を収集して信頼性を高めた
タイミングでそのOUTデータフレームOF中から自ノ
PLCのリモートI/Oシステム及びPLCのリモート
ード宛てのOUTデータを受信するようにする。
I/Oシステムの実行方法を提供することを目的とす
【0004】その一方、INスレーブからリモートマス
る。
タへのINデータの送受信は、各INスレーブがOUT
【0011】
データフレームOFの受信時等を基準に各ノードのタイ
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
ミングでINデータを含むINデータフレームIFを送
め、請求項1記載の発明では、リモートマスタと、その
信する一方、リモートマスタは、INデータフレームI
リモートマスタと通信ケーブルを介し接続された複数の
F中から各INスレーブのノードアドレスの順で各IN
INスレーブおよびOUTスレーブとからなり、上記リ
スレーブからのINデータを受信するようにする。
モートマスタと上記INスレーブとの間でINデータ
【0005】
を、上記OUTスレーブとの間でOUTデータをそれぞ
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
れ送受信するようにしたPLCのリモートI/Oシステ
PLCのリモートI/Oシステムでは、通常、I/Oデ
ムにおいて、OUTデータの送受信については、リモー
ータ処理、すなわちINデータの入力、PLC本体処
トマスタは各スレーブに対しOUTデータを一括で送信
理、OUTデータの出力を高速に行いたいという要求
すると共に、各スレーブのうちOUTスレーブは自ノー
と、リモートI/Oシステムを構築しているため、各ス
ドのタイミングでOUTデータを受信する一方、INデ
レーブの状態や通信状態等の管理情報を収集して信頼性
ータの送受信については、各INスレーブは上記OUT
を確保したいという要求とがある。
データの受信タイミングに基づいて、フレーム長および
【0006】しかしながら、上記従来の一括送受信方式
物理的遅延を考慮した基本アイドル時間毎にリモートマ
では、リモートマスタがスレーブに対しOUTデータフ
スタに対しスタートコードを付して各々自ノードのタイ
レームを一括送信した後、各INスレーブが各々INデ
ミングでINデータを順次送信する一方、リモートマス
ータフレームを続けて送信してリモートマスタが受信す
タは上記基本アイドル時間に基づく各INスレーブ毎の
るプロトコルであるため、トランシーバや、通信ケーブ
タイムスロットで、各INデータに付された上記スター
ル、送受信処理による遅延等の物理的遅延により、IN
トコードに基づき各INスレーブからのINデータを受
データフレーム同士が重なって、INデータを受信でき
信する、ことを特徴とする。
ない場合がある、という問題がある。
【0012】請求項2記載の発明では、リモートマスタ
【0007】つまり、図7に示すように、上記物理的遅
と、そのリモートマスタと通信ケーブルを介し接続され
延により、リモートマスタにおけるINスレーブ2から
た複数のINスレーブおよびOUTスレーブとからな
のINデータ2の受信タイミングがサンプリングポイン
り、上記リモートマスタと上記INスレーブとの間でI
トより遅れて、次のINスレーブ3からのINデータフ
Nデータを、上記OUTスレーブとの間でOUTデータ
レーム3と重なって、INデータ2,3を受信できない
をそれぞれ送受信するようにしたPLCのリモートI/
場合がある。
Oシステムにおいて、OUTデータの送受信について
【0008】また、この上記従来の一括送受信方式で
は、リモートマスタは各スレーブに対しOUTデータを
は、リモートマスタとスレーブ間では、IN,OUTデ
一括で送信すると共に、各スレーブのうちOUTスレー
ータのみしか送受信していないため、管理情報の収集に
ブは自ノードのタイミングでOUTデータを受信する一
よるネットワークの信頼性が確保できない、という問題
方、INデータの送受信については、各INスレーブは
があった。
上記OUTデータの受信タイミングに基づいて、フレー
【0009】このため、上記一括送受信方式によってス
ム長および物理的遅延を考慮した基本アイドル時間毎に
レーブから管理情報をリモートマスタに通知しようとす
リモートマスタに対し自ノードアドレスを付して各々自
ると、INスレーブが送信するINデータ用のデータビ
ノードのタイミングでINデータを順次送信する一方、
ットを使用するしかなく、このようにした場合、INデ
リモートマスタは各INデータに付されたノードアドレ
ータビットの消費によって、リモートマスタ側のアプリ
スに基づき各INスレーブからのINデータを受信す
ケーションプログラムが使用可能なI/O点数が減少す
る、ことを特徴とする。
ると共に、OUTスレーブにはINスレーブへ管理情報
【0013】請求項3記載の発明では、リモートマスタ
を送信する機能を追加しなければならない、という新た
と、そのリモートマスタと通信ケーブルを介し接続され
な問題が発生することになる。
た複数のINスレーブおよびOUTスレーブとからな
【0010】そこで、本発明は、このような問題に着目
り、上記リモートマスタと上記INスレーブとの間でI
してなされたもので、各INスレーブからのINデータ
Nデータを、上記OUTスレーブとの間でOUTデータ
(4)
特許第3293089
をそれぞれ送受信するようにしたPLCのリモートI/
Tスレーブは自ノードのタイミングでOUTデータを受
Oシステムにおいて、OUTデータの送受信について
信し、INデータの送受信については、各INスレーブ
は、リモートマスタは各スレーブに対しOUTデータを
は上記OUTデータの受信後、フレーム長および物理的
一括で送信すると共に、各スレーブのうちOUTスレー
遅延を考慮した基本アイドル時間毎にリモートマスタに
ブは自ノードのタイミングでOUTデータを受信する一
対し自ノードアドレスを付して各々自ノードのタイミン
方、INデータの送受信については、リモートマスタ
グでINデータを順次送信して、リモートマスタは各I
は、各スレーブに対しOUTデータを一括で送信した
Nデータに付されたノードアドレスに基づき各INスレ
後、INデータ送信開始コマンドを送信する一方、各I
ーブからのINデータを受信する、ことを特徴とする。
Nスレーブは、INデータ送信開始コマンドの受信時を
【0017】このため、本発明では、INデータの送受
基準として基本アイドル時間毎にリモートマスタに対し
信の際、各INスレーブは、OUTデータの受信後、フ
各々INデータを送信する、ことを特徴とする。
レーム長および物理的遅延を考慮した基本アイドル時間
【0014】請求項4記載の発明では、請求項1、請求
毎にリモートマスタに対しスタートコードあるいはノー
項2、または請求項3記載のPLCのリモートI/Oシ
ドアドレスを付して各々INデータを送信する。
ステムにおいて、リモートマスタは、各スレーブに対し
【0018】すると、リモートマスタは、上記基本アイ
OUTデータを一括で送信する際、特定のスレーブのア
ドル時間に基づく各INスレーブ毎のタイムスロット
ドレスを指定した管理情報要求を送信する一方、上記管
で、各INデータに付された上記スタートコードに基づ
理情報要求によりアドレスが指定された特定のスレーブ
き各INスレーブからのINデータを受信するので、通
は、上記OUTデータおよび管理情報要求の受信後、直
信ケーブル等の物理的遅延によるINデータの重なりが
ぐに当該スレーブにおける管理情報を送信し、上記リモ
なくなる。
ートマスタは、各INスレーブからINデータを受信す
【0019】
る前に、上記アドレスを指定した特定のスレーブからの
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るPLCのリモ
管理情報を受信する、ことを特徴とする。
ートI/Oシステムの各実施形態について説明する。
【0015】請求項5記載の発明では、リモートマスタ
【0020】図1に、本発明に係るPLCのリモートI
と、そのリモートマスタと通信ケーブルを介し接続され
/Oシステムの第1実施形態の構成を示す。
た複数のINスレーブおよびOUTスレーブとからな
【0021】このPLCのリモートI/Oシステムは、
り、上記リモートマスタと上記INスレーブとの間でI
図に示すように、1台のPLC本体1と、複数台(便宜
Nデータを、上記OUTスレーブとの間でOUTデータ
上、6台とする。)の各種リモートスレーブ2∼7とを
をそれぞれ送受信するようにしたPLCのリモートI/
シリアルI/Fの通信ケーブル8を介し接続して構成さ
Oシステムの実行方法において、OUTデータの送受信
れている。
については、リモートマスタは各スレーブに対しOUT
【0022】PLC本体1は、通信ケーブル8と接続さ
データを一括で送信すると共に、各スレーブのうちOU
れるリモートマスタであるマスタユニット11と、ユー
Tスレーブは自ノードのタイミングでOUTデータを受
ザプログラム処理を行うCPUユニット12とが搭載さ
信し、INデータの送受信については、各INスレーブ
れており、図示はしていないがその他に外部の入出力機
は上記OUTデータの受信後、フレーム長および物理的
器と接続されるI/Oユニット等を搭載しており、パラ
遅延を考慮した基本アイドル時間毎にリモートマスタに
レルI/Fで接続している。
対しスタートコードを付して各々自ノードのタイミング
【0023】リモートスレーブ2∼7は、各々、スイッ
でINデータを順次送信して、リモートマスタは上記基
チやセンサ等と接続され、それらからINデータを取込
本アイドル時間に基づく各INスレーブ毎のタイムスロ
むINスレーブ2,4,6と、リレーやバルブ等と接続
ットで、各INデータに付された上記スタートコードに
され、それらへOUTデータを出力するOUTスレーブ
基づき各INスレーブからのINデータを受信する、こ
3,5,7とである。
とを特徴とする。
【0024】INスレーブ2,4,6には、各々、ノー
【0016】請求項6記載の発明では、リモートマスタ
ドアドレスとしてスレーブアドレス#0∼2が付与され
と、そのリモートマスタと通信ケーブルを介し接続され
ており、INデータとしてIN0∼IN2をPLC本体
た複数のINスレーブおよびOUTスレーブとからな
1へ送信する一方、OUTスレーブ3,5,7には、ぞ
り、上記リモートマスタと上記INスレーブとの間でI
れぞれ、スレーブアドレス#3∼5が与えられているも
Nデータを、上記OUTスレーブとの間でOUTデータ
のとする。
をそれぞれ送受信するようにしたPLCのリモートI/
【0025】図2に、この第1実施形態におけるPLC
Oシステムの実行方法において、OUTデータの送受信
本体1のマスタユニット11が各スレーブ2∼7との間
については、リモートマスタは各スレーブに対しOUT
で送受信するOUTデータおよびINデータ、およびそ
データを一括で送信すると共に、各スレーブのうちOU
の送受信タイミングを示す。
(5)
特許第3293089
【0026】この図2において、OUTデータフレーム
2の読込みタイミングを示すスタートコードであるヘッ
OFは、マスタユニット11がINおよびOUTの各ス
ダが付されている。
レーブ2∼7に対し一括で送信するもので、ヘッダと、
【0028】また、図中、AO,A1,A2・・・は、
OUTスレーブ3,5,7へのOUTデータとから構成
それぞれ、マスタユニット11がOUTデータフレーム
されている。
OFの送信を完了してから、スレーブアドレス#0∼2
【0027】また、INデータフレームIF0 ∼IF2
のINスレーブ2,4,6からINデータを受信するま
は、INスレーブ2,4,6がそれぞれ送信するもの
での時間を示しており、一般には以下に示すようにな
で、各INデータ0∼2の先頭には、各INデータ0∼
る。
AO(INスレーブ2からのINデータフレームの着信タイミング)
=INスレーブ2からの物理的遅延+基本アイドル時間×0
=INスレーブ2からの物理的遅延
【0029】ここで、“基本アイドル時間”とは、各I
ム長と、最長INスレーブ、すなわち図1上マスタユニ
Nスレーブ2,4,6におけるINデータフレームIF
ット11からの距離が最大で、通信ケーブル8等による
0 ∼IF2 の送信タイミングの基となる時間で、マスタ
物理的遅延が最大となるINスレーブ6の物理的遅延か
ユニット11が各INスレーブ2,4,6からのINデ
ら最短INスレーブ、すなわち図1上マスタユニット1
ータフレームIF0 ∼IF2を受信する際にINデータ
1からの距離が最も小さく、通信ケーブル8等による物
フレーム同士が重複しないように設定したものである。
理的遅延が最小であるINスレーブ2の物理的遅延を減
【0030】この基本アイドル時間の具体例を説明する
算した結果との加算結果をいい、式で表すと以下に示す
と、例えばINデータフレームIF0 ∼IF2 のフレー
ようになる。
基本アイドル時間
=フレーム長+(最長スレーブの物理的遅延−最短スレーブの物理的遅延)
としている。
るのであれば、通信ケーブル8以外の要因も考慮するよ
【0031】なお、本実施形態では、物理的遅延は通信
うにする。
ケーブル8等に比例して大きいものとして説明している
【0032】また、図2中、A1、A2は、
が、通信ケーブル8以外の要因に物理的遅延が左右され
A1(INスレーブ3からのINデータフレームの着信タイミング)
=INスレーブ3からの物理的遅延+基本アイドル時間×1
A2(INスレーブ4からのINデータフレームの着信タイミング)
=INスレーブ4からの物理的遅延+基本アイドル時間×2
【0033】このため、マスタユニット11で連続して
載せたOUTデータフレームOFを全スレーブ2∼7へ
受信される隣接するINスレーブ2,4,6からの各I
向けて送信する。
NデータフレームIF0 ∼IF2 間の時間差、すなわち
【0037】OUTデータフレームOFを受信したOU
具体的には上記A0とA1との差、または上記A1とA
Tスレーブ3,5,7では、このフレームOF中に自ノ
2との差は、基本アイドル時間より大きくなり、少なく
ードで受取るべきOUTデータがあるので、このフレー
てもINデータフレーム長よりも大きくなるので、マス
ムOF中のヘッダを基準にカウントを開始して、各々、
タユニット11におけるINデータフレーム受信時のフ
自ノードのタイミングでOUTデータを受取るようにす
レームの重複がなくなることになる。
る。
【0034】また、マスタユニット11が各INスレー
【0038】また、このOUTデータフレームOFを受
ブ2,4,6からのINデータフレームIF0 ∼IF2
信した各INスレーブ2,4,6では、このOUTデー
をノード毎に受信するための監視タイムスロットである
タフレームOF中からデータを受け取らず、そのOUT
IN0∼IN2タイムスロットは、上記基本アイドル時
データフレームOF受信後、タイマを走らせて、各々の
間と、隣接する各INスレーブ2,4,6からの各IN
アイドル時間(=基本アイドル時間×スレーブアドレ
データフレームIF0 ∼IF2 間の時間差との加算値を
ス)でINデータフレームIF0 ∼IF2 を送信する。
基準に、その値、もしくはその値前後の値にすることが
【0039】このため、この送信されたINデータフレ
望ましいことになる。
ームIF0 ∼IF2 は、上記基本アイドル時間毎に時間
【0035】次に、このように構成された第1実施形態
間隔を開けて送信されるので、マスタユニット11がそ
の動作を、主に図2を参照して説明する。
のINデータフレームIF0 ∼IF2 を受信した際に、
【0036】まず、マスタユニット11から各OUTス
INデータフレーム同士が重なることがなくなる。
レーブ3,5,7へのOUTデータの送信は、図2に示
【0040】ところで、マスタユニット11では、OU
すように一括送信方式により行い、そのOUTデータを
TデータフレームOFの送信後、タイマを走らせて、各
(6)
特許第3293089
INスレーブ2,4,6毎のIN0∼IN2タイムスロ
フレームの送信後、続いてINデータ送信開始コマンド
ットで、各INスレーブ2,4,6から各々INデータ
を送信するようにして、このINデータ送信開始コマン
フレームF0∼F2が来るか否かを監視し、各タイムス
ドを受信してから各INスレーブがINデータフレーム
ロット内に各INデータフレームF0∼F2が来ている
の送信処理を開始するようにしても良い。
場合には、そのヘッダであるスタートビットに基づいて
【0047】このようにした場合、データ長の長いOU
カウントして、そのヘッダに続く各IN0∼IN2を取
Tデータフレームがノイズ等により、あるINスレーブ
込むようにする。
で受信エラーとなった場合でも、当該INスレーブで
【0041】その際、IN0∼IN2タイムスロット
は、INデータ送信開始コマンドフレームに基づいてI
は、INデータフレームが互いに重ならないように設定
Nデータを送信できることになる。
した上記基本アイドル時間等に基づいて設定され、各I
【0048】このため、この方式によれば、OUTデー
Nデータフレーム長に対してマージンを持つため、マス
タ送受信処理と、INデータ送受信処理とが独立するこ
タユニット11では、通信ケーブル8等による物理的遅
とになり、ノイズ等によってI/Oデータの交換サイク
延を吸収でき、各INスレーブからのINデータを確実
ルが長くなる確率を減少することができる。
に受け取ることができる。
【0049】次に、本発明に係るPLCのリモートI/
【0042】従って、この第1実施形態によれば、各I
Oシステムの第2実施形態を説明する。
Nスレーブ2,4,6からは、INデータフレームが互
【0050】この第2実施形態では、図1に示す上記第
いに重ならないように設定した上記基本アイドル時間毎
1実施形態とシステム構成が同じであり、第1実施形態
に時間間隔を開けてINデータフレームF0∼F2が送
と異なる点は、マスタユニット11に、各INスレーブ
信され、しかもスレーブ毎の監視タイムスロットも上記
からのINデータフレームを受信するための監視タイム
基本アイドル時間等に基づいて設定されているので、マ
スロットを設けずに、各INスレーブが送信するINデ
スタユニット11がそのINデータフレームIF0 ∼I
ータフレーム中のヘッダに各スレーブのスレーブアドレ
F2 を受信した際、フレーム同士が重なることがなくな
スを設けることを特徴としている。
り、INデータフレームF0∼F2中のヘッダに基づい
【0051】図3に、この第2実施形態におけるマスタ
て各IN0∼IN2を確実に取込むことが可能になる。
ユニット11が送受信するOUTデータおよびINデー
【0043】このため、この第1実施形態によれば、ト
タ、およびその送受信タイミングを示す。
ランシーバや、通信ケーブル等の物理的遅延によるIN
【0052】図に示すように、マスタユニット11は、
データの受信ができないということがなくなるので、信
第1実施形態のものと同じOUTデータフレームOF′
頼性が高くなる。
の送信後、INスレーブ2,4,6からヘッダとして各
【0044】また、この第1実施形態では、各INスレ
スレーブのスレーブアドレスが付されたINデータフレ
ーブ毎にコマンドを送信することなく、連続してINデ
ームIF′0 ∼IF′2 を受信するが、ノード監視タイ
ータを受信することができるので、物理的遅延と、IN
ムスロットに基づくことなく、そのヘッダである各スレ
データフレーム長と応じて、各スレーブにおけるINデ
ーブのスレーブアドレスに基づいてINデータフレーム
ータフレーム送信のアイドル時間と、リモートマスタに
IF′0 ∼IF′2 の送信元スレーブを判断して受信す
おけるINデータフレーム受信のためのタイムスロット
ることになる。
を調整することで、伝送速度の高速化も可能となる。
【0053】このため、この第2実施形態によれば、ヘ
【0045】なお、この第1実施形態では、リモートマ
ッダとして各スレーブのスレーブアドレスを設定してい
スタとスレーブ間のフレーム伝送速度や、アイドル時
るので、INデータフレーム長が長くなり、サイクルタ
間、タイムスロットの設定をするための方法や手段等に
イムが遅くなるという欠点はあるが、その分マスタユニ
ついては何等説明しなかったが、本発明では、マスタユ
ット11において予め各スレーブ毎の監視タイムスロッ
ニット11や、スレーブ2∼7のそれぞれに、伝送速度
トを登録しておく必要がないので、容易かつ簡単に物理
切り替えSWや、アイドル時間切替えスイッチ、タイム
的遅延によるINデータの重なりを防止して、信頼性を
スロット切替えSWを設けるようにして、伝送速度可変
向上させることが可能になる。
なPLCのリモートI/Oシステムを構築するようにし
【0054】なお、この第2実施例においては、上記第
ても良い。
1実施形態と同様に、各INスレーブがマスタユニット
【0046】また、この第1実施形態では、各INスレ
11からOUTデータフレームの受信に基づいて各ノー
ーブは、マスタユニット11からOUTデータフレーム
ドがそれぞれ各INデータを送信するように説明した
の受信タイミングに基づきタイマを走らせて、各ノード
が、本発明では、OUTデータフレームの受信に基づく
がそれぞれ各INデータを送信するように説明したが、
のではなく、マスタユニット11がOUTデータフレー
本発明では、OUTデータフレームの受信タイミングに
ムの送信後、INデータ送信開始コマンドフレームを送
基づくのではなく、マスタユニット11がOUTデータ
信するようにして、このコマンドを受信してからINス
(7)
特許第3293089
レーブがINデータフレームの送信処理を開始するよう
らOUTデータフレームOF″の受信後直ぐにこの管理
にしても良い。
情報フレームSFを送信することを示している。
【0055】次に、本発明に係るPLCのリモートI/
【0063】なお、この図4では、図2に示す第1実施
Oシステムの第3実施形態を説明する。
形態や、図3に示す第2実施形態のようにマスタユニッ
【0056】この第3実施形態では、上記第1実施形態
ト11におけるINデータフレームIF″0 ∼IF″2
や上記第2実施形態を改良したもので、一括送受信方式
の受信タイミングや監視タイムスロットを図示していな
では今までINビットを使う方法でしか実行できないで
いが、この第3実施形態は、図2に示す第1実施形態や
いたマスタユニット11における管理情報の収集を、I
図3に示す第2実施形態を改良したものであるので、そ
Nビットを使用することなく可能にしたことを特徴とし
れらの説明は省略しただけである。
ている。
【0064】次に、このように構成されたこの第3実施
【0057】なお、この第3実施形態は、上記第2実施
形態の動作を説明すると、まず、マスタユニット11
形態と同様、図1に示す上記第1実施形態とシステム構
が、一括送信方式によりOUTデータの後に管理情報要
成が同じであるので、この第3実施形態におけるマスタ
求としてのスレーブアドレスを設定したOUTデータフ
ユニット11が送受信するOUTデータおよびINデー
レームOF″を全スレーブへ向けて送信する。
タおよび送受信タイミングでこの第3実施形態の特徴を
【0065】OUTデータフレームOFを受信したOU
説明する。
Tスレーブでは、このOUTデータフレームOF中のヘ
【0058】図4に、この第3実施形態におけるマスタ
ッダからカウントを開始して、自ノードのタイミングで
ユニット11が送受信するOUTデータおよびINデー
OUTデータを受取る一方、OUTデータフレームOF
タ、およびその送受信タイミングを示す。
を受信した各INスレーブでは、上記第1実施例等とは
【0059】この第3実施形態では、図2に示す第1実
異なり管理情報送信時間を余分に取ったそれぞれのアイ
施形態のフレーム送受信、および図3に示す第2実施形
ドル時間(=管理情報送信時間+基本アイドル時間×ス
態のフレーム送受信とは異なり、マスタユニット11が
レーブアドレス)を開けて、INデータフレームを送信
各スレーブに対し一括で送信するOUTデータフレーム
する。
OF″には、ヘッダと、OUTスレーブへのOUTデー
【0066】その際、OUTデータフレームOF″には
タとの他に、INおよびOUTの各スレーブに対し管理
“アドレス#1”が設定されているので、スレーブアド
情報(ステータス)レスポンスを要求する管理情報要求
レス#1のINスレーブ4は、マスタユニット11から
としてのスレーブアドレスを付加し、しかもこのスレー
OUTデータフレームOF″を受信すると、直ぐに図に
ブアドレスを通信サイクル毎にこのスレーブアドレスを
示すようにヘッダと、ステータス(管理情報)からなる
更新するようにしたことを特徴としている。
当該INスレーブにおける管理情報フレームSFを送信
【0060】なお、スレーブアドレスの更新はせずに、
して、その後自ノードのINデータフレームを送信する
特定スレーブのスレーブアドレスのみを指定するように
ようにする。
しても良い。この図4では、スレーブアドレス#1のI
【0067】すると、マスタユニット11では、INス
Nスレーブ4のアドレス“アドレス#1”を指定してい
レーブからINデータフレームIF0∼IF2を受信す
る。
る前に、スレーブアドレス#1のINスレーブからの管
【0061】図において、フレームIF″0 ∼IF″2
理情報フレームSFを受信することができる。
は、スレーブアドレス#0∼2のINスレーブ2,4,
【0068】以上のことを全ノード数サイクル、すなわ
6がそれぞれ送信するINデータのフレームを示してお
ちINおよびOUTのスレーブ2∼7全てについて行う
り、各INデータの先頭に各INデータの取込みタイミ
と、マスタユニット11では、OUTデータフレームO
ングを示すスタートコードまたはスレーブアドレスがヘ
F″に付加するスレーブアドレスを全スレーブ2∼7分
ッダとして付加されている点は、図2に示す第1実施形
更新したことになるので、全スレーブ2∼7の管理情報
態、および図3に示す第2実施形態は同様であるが、各
を収集できることになる。
INスレーブでは、管理情報要求としてのスレーブアド
【0069】従って、この第3実施形態によれば、1通
レスが指定されたスレーブが送信する管理情報フレーム
信サイクルごとに1つのスレーブから管理情報を収集す
の分だけ発信タイミングを遅らせてINデータフレーム
ると共に、スレーブアドレスを通信サイクル毎に更新す
IF″0 ∼IF″2 を送信している。
ることにより、全ノード数サイクルで全てのスレーブの
【0062】また、フレームSFは、OUTデータフレ
管理情報を収集できるので、通信サイクルをそれ程低下
ームOF″中の“アドレス#1”によりスレーブアドレ
させずに、リモートI/Oシステムの信頼性を確保する
スが指定されたスレーブアドレス#1のINスレーブ4
ことが可能になる。
が送信した管理情報フレームを示しており、スレーブア
【0070】また、スレーブアドレスを更新せずに、ま
ドレス#1のINスレーブ4は、マスタユニット11か
たは更新する方法を変えることにより、特定のスレーブ
(8)
特許第3293089
または任意のスレーブのみの管理情報の収集も可能にな
【図面の簡単な説明】
る。
【図1】本発明に係るPLCのリモートI/Oシステム
【0071】なお、以上説明した第1実施形態∼第3実
の第1実施形態の構成を示す構成図。
施形態では、図1に示すPLC本体1にリモートマスタ
【図2】第1実施形態におけるリモートマスタが送受信
であるマスタユニット11が搭載されたリモートI/O
するOUTデータおよびINデータ、およびその送受信
システムを参照して説明したが、本発明では、図5に示
タイミングを示す説明図。
すように、PLC本体11′にはマスタユニット11′
【図3】第2実施形態におけるリモートマスタが送受信
を搭載せずに、PLC本体1′に搭載されたI/Oユニ
するOUTデータおよびINデータ、およびその送受信
ット13にパラレルI/Fでマスタユニット11′を接
タイミングを示す説明図。
続して、このリモートマスタユニット11′にシリアル
【図4】第3実施形態におけるリモートマスタが送受信
I/Fの通信ケーブル8を介し各種スレーブを接続する
するOUTデータおよびINデータ、およびその送受信
ようにしても良い。
タイミングを示す説明図。
【0072】
【図5】本発明に係るPLCのリモートI/Oシステム
【発明の効果】以上説明したように本発明では、各IN
の他の構成を示す構成図。
スレーブからリモートマスタに対しては物理的遅延を考
【図6】従来技術におけるリモートマスタが送受信する
慮したアイドル時間毎にINデータフレームが送信され
OUTデータおよびINデータ、およびその送受信タイ
るので、リモートマスタがそのINデータフレームを受
ミングを示す説明図。
信した際、フレーム同士が重なることがなくなると共
【図7】従来技術の問題点を示す説明図。
に、INデータフレーム中のヘッダに基づいて各INデ
【符号の説明】
ータを取込むことが可能になる。
1
【0073】このため、本発明によれば、トランシーバ
11
マスタユニット(リモートマスタ)
や、通信ケーブル、送受信処理による遅延等の物理的遅
12
CPUユニット
延によるINデータの受信ができないということがなく
13
I/Oユニット
なるので、信頼性が高くなると共に、各INスレーブ毎
11′
マスタユニット(リモートマスタ)
にコマンドを送信することなく、連続してINデータを
2,4,6
INスレーブ
受信することができるので、物理的遅延とフレーム長に
3、5、7
OUTスレーブ
合わせてアイドル時間とタイムスロットを調整すること
8
で、伝送速度の高速化も可能となる。
OF
OUTデータフレーム
【0074】また、本発明では、OUTデータフレーム
OF′
OUTデータフレーム
に管理情報を要求するスレーブアドレスを付加して送信
OF″
OUTデータフレーム
すると共に、通信サイクル毎にこのスレーブアドレスを
IF0 ∼IF2
更新するようにしたので、全ノード数サイクルで全ての
IF′0 ∼IF′2
INデータフレーム
スレーブの管理情報を収集することができ、通信サイク
IF″0 ∼IF″2
INデータフレーム
ルをそれ程低下させずに、リモートI/Oシステムの信
SF
頼性を確保することが可能になる。
【図1】
PLC本体
通信ケーブル
INデータフレーム
管理情報フレーム
(9)
特許第3293089
【図2】
【図3】
【図4】
【図7】
【図5】
(10)
特許第3293089
【図6】
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献
特開
昭57−98007(JP,A)
特開
昭63−234304(JP,A)
特開
平4−319703(JP,A)
特開
平3−246604(JP,A)
特開
平3−253907(JP,A)
特開
昭62−271591(JP,A)
特開
平6−230806(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
G05B
19/04 - 19/05