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13.研究成果概要図 (別添2 )
(ID07−02)「カイコ幼虫感染症モデルを用いた、バイオアッセイによる感染症治療
薬シーズの開発」
【研究期間】H19~H23
【研究目的】カイコ幼虫感染モデルを用いて、治療効果
を指標とした効率的な新規抗生物質の探索法の確立を
目指す。種々のライブラリーからのスクリーニングを実
施し、マウスモデルにおいても治療効果を示す、有望な
候補化合物を見いだす。それらの化合物について哺乳
動物における毒性、及び体内動態について解析する。
【実施体制】
総括研究代表者 関水和久
(東京大学大学院薬学系研究科・教授)
分担研究代表者 片岡啓子
(ゲノム創薬研究所・主任研究員)
【研究成果】土壌細菌の培養抽出物についてカイコ細菌感染モデルにおける治療効果を指標に探索
を実施した結果、新規抗生物質カイコシンを得ることに成功した。カイコシンは、作用機序も新しく、多
剤耐性菌に対しても有効であり、優れた殺菌活性を有した。カイコシンはマウスモデルにおいてもバン
コマイシンよりも高い治療活性を示した。さらに、高用量を投与しても急性毒性を示さず、安全性も高
いと期待される。また、約10万個の化合物ライブラリーについてカイコモデルにおいて治療効果を示
す化合物を探索し、得られた化合物から、優れた治療効果を示す3つの化合物を選別した。うち1化合
物については、マウスモデルにおいても治療効果を示した。さらに、本バイオアッセイ系の基礎となる
カイコにおける薬物動態は、哺乳動物と同様にP450による代謝に続いて、抱合酵素による抱合を受
けた後に排せつされた。また、既存の抗生物質の薬物動態パラメーターは、マウスと同等な値を示し
たことから、カイコにおいても基本的な薬物代謝経路は保存されていることがわかった。また、ヒトにお
いて代謝される薬物のほとんどがカイコ幼虫においても代謝されることを見いだした。
【今後の計画】研究計画はほぼ目標通りに達成できた。本研究で得られた新規抗生物質カイコシンに
ついては、前臨床試験を引き続き実施し、実用化に向けた開発を実施する。3つの新規抗菌化合物に
ついては、作用機序解析、及び有機合成展開、前臨床試験など、実用化に向けた研究を実施する。
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(ID07−02)「カイコ幼虫感染症モデルを用いた、バイオアッセイによる感染症治療薬シーズの開発」
【研究概要】
・薬物の腸管透過性は哺乳類とよく一致。
●カイコにおける薬物の体内動態 ・抗生物質の分布容積はマウスとほぼ一致。
・ヒトでP450によって代謝される化合物は、カイコでも大部分が代謝さ
れる。また薬物代謝経路は共通。
・総クリアランスの値がマウスとほぼ一致。
本アッセイ系は哺乳動物と類似した薬物動態を反映した
評価系であると考えられる
○新規抗生物質の探索
細菌培養上清
14,651株
化合物ライブラリー 103,873個
新規抗生物質カイコシンの発見に成功
・マウスで、バンコマイシンよりも高い治療効果
・新規作用機序を有し、強い殺菌活性を示す
・低毒性で安全性も高い
再現よく治療効果を示す新規骨格の抗菌薬を発見
・1化合物はマウスでも治療効果を示した
・治療効果を指標とした有機合成展開が可能
カイコ細菌感染モデルを利用した
治療効果を指標とした探索を実施
カイコ細菌感染モデルを用いて、治療有効な
新規抗菌薬の開発が可能である。
カイコ幼虫を用いたバイオアッセイによる、治療効果を指標とした
新規医薬品の探索系が確立できた
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