図書館だよりNo.61

九州歯科大学
図書館だより
もうすぐ夏休みですね。日頃あまり時間がなくて本を読む機会がないでしょうから,
こういうときこそ本を読むよう心がけましょう。
やはり活字から得られるものは大きいと思います。
今回の新着本もそれぞれ興味深い本が多いですが、戦後70年ということで、
戦争に関する本もお薦めです。 また希望の図書などありましたら
ご意見頂ければと思っています。 よろしくお願いします。 図書館運営部会 安細敏弘
貸出ランキング
2015.6
1位
コンプリートデンチャーテクニック / 細井紀雄 [ほか] 編
2位
パーシャルデンチャーテクニック / 五十嵐順正 [ほか] 編
3位
解剖学カラーアトラス / Johannes W. Rohen, 横地千仞, Elke Lütjen-Drecoll共著
4位
保存 . 保存修復学 歯内療法学 歯周病学 / 麻布デンタルアカデミー編
5位
歯内治療学 / 福地芳則〔ほか〕編集
6位
口腔外科学 / 白砂兼光, 古郷幹彦編
7位
循環器 / 医療情報科学研究所編
8位
保存修復学 / 麻布デンタルアカデミー編
9位
歯科国試answer / DES歯学教育スクール編
10位 小児・矯正 . 成長・発育 小児歯科学 歯科矯正学 / 麻布デンタルアカデミー編
貸出冊数(6月)
歯学科1年生
歯学科2年生
歯学科3年生
歯学科4年生
歯学科5年生
歯学科6年生
口腔保健学科1年生
口腔保健学科2年生
口腔保健学科3年生
口腔保健学科4年生
大学院生1年生
大学院生2年生
大学院生3年生
大学院生4年生
冊数
九州歯科大学 図書館だより NO.60 2015年7月発行
http://www.kyu-dent.ac.jp/library/
≪新着≫岩波新書
生きて帰ってきた男 : ある日本兵の戦争と戦後
ポスト資本主義 : 科学・人間・社会の未来
鈴木さんにも分かるネットの未来
戦争と検閲 : 石川達三を読み直す
小熊英二著
広井良典著
川上量生著
河原理子著
『うれしい悲鳴をあげてくれ』 いしわたり 淳治 著
小説とエッセイが交互にでてくる。ときに小説のほうが現実味をおびていて、エッセイのほうが作り話のようだった。そし
てこの本は全体として、重くなりすぎないように「軽さ」を意識して書かれている。作者はもとロックバンドのメンバーであ
り、生粋のもの書きでないところがおもしろいし、人の二番煎じでないオリジナリティを感じることができる。そしてその未
完成がゆえに文を作りすぎていないのがいい。時には結論らしい結論や、オチがないときもあって、一緒に考えているよ
うなツッコミやすさがいい。
このように言うと内容がなくて娯楽を意識した作品なのかと思うかもしれないが、そうではない。ふっと笑えるような話の
中に、待てよ?これは自分のことかも知れないと考えさせられるようなこと。ああ、こんな考え方もあるのか!と脱帽する
ような考え。普段の生活でついながしてしまうようなことを、また別のとらえ方で表すことで、再び大切さを理解できたりす
るのだ。軽く読めるのに、すごく考えさせられる内容も入っていて、そのセンスに恐れ入る。
「あくびとファンタジーに関する考察」という話がある。
現実の世界で起きているさまざまをバカ正直に音に置き換えたら、耳をふさぎたくなるような不協和音になるはずだ。
大切なのは想像力。僕らは想像力を使って、どうにか楽しく暮らそうと努力している。
どうせファンタジーの中で生きているのである。無駄にシリアスになったら負けなのだ。
私はこの話が、この本全体を包む空気の正体だと思う。そして人間がもつ二面性とか割り切れないものとかをあらわし
たものだと思う。
結局、真実はうたがわしい。人によってとらえ方や考え方は違うし、同じものを見ても、「真実」は人によって変わってくる
のではないだろうか。だとしたら真実なんてものは最初から存在しなくて「真実は一つ」だとした方が人々をまとめやすい
し、説明や証明が簡単だからといった理由でつくられた、都合のいい概念なのかもしれない。
だとしたら、そんなあやふやなものを真面目にとらえようと躍起になっても無意味である。自分にとって都合がいいよう
に想像力をつかって、幸せに暮らしていたいものである。
だけど人間は面倒くさい生き物で、一人では生きていけないし、だれかとつながっていたいと考える。「真実」の違いに
落胆したりする。
ひとは重く考えすぎないように考えたり、楽に生きたいのに誰かとつながっていたかったり、矛盾した生き物だと思う。考
えたところで正解はない。けれど明るい未来を想像して作り上げることはできる。そう思わせてくれる本だ。
図書館での飲食についてのお願い
図書館では飲食を禁止しています。
また図書や備品の汚損につながる恐れがあるため、
図書館の机や椅子等の備品に
飲食物を置くことを禁止しています。
飲食物を持ち込む場合は、カバンの中に入れて下さい。
マナーを守り、気持ちよく利用していただきますよう、
よろしくお願いします。