マウスピース型の睡眠時 無呼吸症候群治療装置 九州歯科大学 助教 教授 教授 中原孝洋 柿木保明 西原達次 1 睡眠時無呼吸症候群とは 睡眠時無呼吸症候群=睡眠中に短時間の呼吸停止または呼吸 低下が生じるものである。 ・睡眠中の覚醒 ・集中力の低下 ・うつ状態をはじめとする精神症状 ・心疾患や糖尿病 etc… 日中の傾眠→自動車事故や労働中事故 日本において成人の1~2%に起きているとされ、罹患者約200万人 ここを何らかの 方法で開いて やる必要 ①舌の根本(舌根)や軟口蓋が落ち込むた め、空気の通り道が塞がってしまう。 ②そのまま閉塞したままであれば、睡眠時 無呼吸となる。 ②’完全閉塞しないが、軟口蓋等を震わせ ながら空気が移動すると「いびき」になる。 ③血中の酸素飽和度が低下すると、身体 が危機を感じ、舌根が挙上されるなどし て閉塞が解ける。 2 従来技術とその問題点 CPAPによる治療 閉塞した舌根部を圧搾空気で開く 写真・図は、それぞれ日本医科大学呼吸器内科、帝人 ファーマのWebサイトより引用 マウスピースによる治療 下顎を前方にせり出させることで、舌根の 沈下を防止する。 厚みがあり、普段と顎の位置が違うため、 違和感がある。 3 新技術の特徴・従来技術との比較 従来技術 ●CPAP 鼻から圧搾空気を送り込むことで、気道を無理矢理広げる。 睡眠中、ずっと装着しなければならない(違和感がある)。 機器が大きく、旅行や出張への対応が困難である。 ●マウスピース 顎関節への負担(顎関節症の誘発)。 不確実性がある。 新 技 術 ○口腔内刺激法 小型・省スペースで、口腔内で完結させるこ とができる。 鼻マスクやマウスピースのような不快感がな い。 症例には、向き・不向きがあるので、完全代替を目指す ものではなく、従来適用できなかった対象者への門戸を 広げる意味が強い 4 想定される用途 • 睡眠時無呼吸症候群の治療として →日中傾眠の他、糖尿病や心臓病との関連も示唆され ている その他にも、、、 • いびき・歯ぎしりの防止 →睡眠騒音の抑制 →顎関節症の治療・予防 →歯周組織の負担軽減 5 実用化に向けた課題 • 理論的には、軟口蓋~舌根部への刺激によって、気道の閉塞 解除は可能。 • 刺激アルゴリズム(機械的・電気的刺激)の開発。 • 口腔内センシングデバイスの選定、開発。 • 同じくプロセッサの開発等。 • バッテリ、給電方法。 • 毒性試験。 • パッケージング。 6 企業への期待 • 課題に対する要件の解決 →小型、省電力デバイス(MEMS?)の製作 →特に給電方法の解決 →様々な形状に対応出来るようなパッケージ化 • 最終的に薬事承認までを行える体制作り。 7 本技術に関する知的財産権 ・発明の名称 :口腔内設置型生体モニター・ 治療装置 ・出願番号 :特願2002-338883 ・出願人 :西原 達次 、小関 健由 ・発明者 :西原 達次 、小関 健由 8 問い合わせ先 九州歯科大学 総合教育学分野 中原孝洋 TEL 093-582-1131 FAX 093-582-6000 e-mail nakahara@kyu-dent.ac.jp 9
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