イベントレポート 2015年8月 EAT-JAPAN SAKE

イベントレポート
2015年8月
EAT-JAPAN SAKE EXPERIENCE 2015 (イートジャパン サケエクスペリエンス2015)
2015年7月10日(金)〜12日(日)、英国最大級のJカルチャーイベント「ハイ
パージャパンフェスティバル2015」が、英国・ロンドンの「The O2」にて開催さ
れました。同フェスティバル内では、日本酒の試飲イベント「EAT-JAPAN SAKE
EXPERIENCE 2015(イートジャパン サケエクスペリエス2015)」が行われ、3日
間で延べ約900人の来場者を迎えて、盛況のうちに幕を閉じました。
今年で第4回目を迎える本イベントは、Try(試飲)・Learn(学習)・Vote(投
票)・Buy(購入)と4つのエクスペリエンスを通じ、一般消費者に日本酒を楽
しく体験してもらうことを目的に、北は宮城県から南は兵庫県まで、日本全
国11の酒蔵が来英。純米酒、吟醸酒、本醸造酒、スパークリング、にごり、
生原酒などさまざまなタイプの日本酒 22種類に、梅酒、ゆず酒、もも酒など
6種類を加えた計28種類の酒を、来場者に振る舞いました。
本イベントは酒蔵にとって、英国内でも入手の機会が増えつつある日本酒
を一般消費者に実際に味わってもらい、日本酒ファンを増やす絶好の機会
となっています。現地の人々との交流を通して参加蔵は、「日本文化や日本
食全般に興味を持つ人が増えているだけでなく、特に日本酒に関する知識
レベルやブランド認知も上がっていると感じました」とコメントしています。日
本酒や日本食の市場全体が順調に拡大しているなか、日本酒のさらなる認
知向上・理解深耕が必要である、という声も聞かれました。今後も多くの酒
蔵が、伝統的な日本酒はもちろん、新たな発想で商品を開発し、新しいオー
ディエンスに向けて英国内外で「日本酒」を発信していくことが期待されます。
さらにイベントでは、英国で日本酒の卸売・小売を手がけるエキスパート、オ
リバー・ヒルトン=ジョンソン氏(Tengu Sake)が日本酒に関するレクチャーを
実施。同氏が日本酒の基礎知識や伝統的な酒造りの方法などについて解
説し、参加者は4タイプの酒の飲み比べを通じて、日本酒に関する知識を深
めました。
各蔵のメイン出品酒11種類を対象に、来場者による人気投票も行われました。大賞(People’s Favourite)に輝いたのは、
大関(兵庫)の「IKEZO ゼリースパークリング ピーチ」。ほか、「日本酒ビギナーにおすすめの酒(Best sake for sake
beginners)」部門では、清水清三郎商店(三重)の「イセノハナ」、「夏のピクニックで飲みたい酒(Best sake for a summer
picnic)」部門では、一ノ蔵(宮城)の「プレミアム発泡清酒 すず音Wabi」が選ばれ、さらに、「友達とシェアしたい酒(Best
sake to share with friends)」には、宝酒造(京都)の「松竹梅白壁蔵 澪スパークリング」、「日本食以外に合う酒(Best
Match with non-Japanese food)」には、菊水酒造(新潟)の「ふなぐち菊水一番しぼり」が、それぞれ選ばれました。
大賞(People’s Favourite)を受賞した大関の前田理恵氏は受賞に際し、この
ようにコメントしています。「社員一同、受賞を大変うれしく思っております。
今回のSake Experienceが、英国でこの酒をお披露目する初めての機会
だったので、どういった反応があるのか、期待と不安でいっぱいでした。で
も、Jelly Sparklingというお酒の持つ不思議な食感に対する皆さんの驚きの
表情と、『おいしい!』という言葉に、私達自身も大変励まされました。日本
酒が持つ多様性や面白さなど、新しい発見につながる商品開発を今後も
進めて参りたいと思います。ありがとうございました」
なお、試飲後、気に入った日本酒を購入できる販売コーナーでは、 3日間で合計3218本の日本酒が売れ、中には普
段レストランでしか飲めないものなど、小売店での入手が難しい日本酒をまとめて購入する熱心な人々の姿も目立ち
ました。
参加蔵元とエントリー酒
1. 清水清三郎商店(三重) 「イセノハナ」「プレミアム鈴鹿川 純米大吟醸 磨き四割」
2. 西山酒造場(兵庫) 「小鼓 路上有花 葵」
3. 菊水酒造(新潟) 「ふなぐち 菊水一番しぼり」「「菊水 純米吟醸」「キクスイ パーフェクト スノー」
4. 一ノ蔵(宮城) 「プレミアムスパークリング清酒 すず音Wabi」「一ノ蔵 特別純米樽酒」「一ノ蔵 純米大吟醸 蔵の華」
5. 浦霞(宮城)
「純米酒浦霞」「浦霞の梅酒」
6. 梅乃宿(奈良) 「梅乃宿 純米大吟醸 “吟”」「梅乃宿 ゆず酒」「梅乃宿 あらごし梅酒」
7. 日本盛(兵庫) 「惣花」「ゆず酒」
8. 月桂冠(京都) 「ヌーブル月桂冠 純米吟醸」「月桂冠 大吟醸」 「ヌーブル月桂冠 特別本醸造」
9. 宝酒造(京都) 「松竹梅白壁蔵 澪 スパークリング清酒」「柚子のきもち。」「松竹梅白壁蔵 樽酒」
10. 白瀧酒造(新潟) 「純米濃醇 魚沼」「上善如水スパークリング」「純米 上善如水白こうじ」
11. 大関(兵庫) 「IKEZO 艶めくゼリースパークリング ピーチ」「花泡香スパークリング酒」「辛丹波」
人気投票 結果
大賞(People’s Favourite)
IKEZO 艶めくゼリースパークリング ピーチ / 大関(兵庫)
肌に優しい美容成分セラミドを含むフルーティーなスパークリンク酒。アルコール度数を5%に押さえている分、
ピーチ風味と甘いゼリーをより楽しめます。女子会の食前酒やピクニックのペアリングにちょうど良い。
大関の前田氏は “スパークリンク酒や甘酒のカクテルはお酒の良さを新マーケットに伝えるには相応しい
商品だと思っています。もちろん、UKの皆さんに伝統的なお酒も楽しんでもらいたい。”とコメント。
日本酒ビギナーにおすすめの酒 部門 (Best sake for sake beginners)
イセノハナ / 清水清三郎商店(三重)
イセノハナの独特なベリーと洋ナシの風味から後味のかすかなほろ苦さは夏にはちょうど良い!魚介類
のバーベキューと良く合う。酒蔵の代表者は、“試飲した方からは、様々なフードペアリングを楽しめそうと
いった、お酒に対して非常に高評価をいただいています。”とコメント。
夏のピクニックで飲みたい酒 部門 (Best sake for a summer picnic)
プレミアムスパークリング清酒 すず音 Wabi / 一ノ蔵(宮城)
酵母による自然の発酵でできたきめ細かな泡が特徴の発泡清酒。マスカットを思わせる爽やかなフルーティな
香りが立ち上り、なめらかで透明感のある甘味と柔らかな酸味のバランスが秀逸。シーフードサラダ、カリフォ
ルニアロール、カルパッチョに合わせたい。一ノ蔵の榎本氏は“私たちは、日本でスパークリング酒を初めて実
現させました。この技術革新が英国市場場開拓につながり、また海外でも人気なのは素晴らしいことです。”と
コメント。
友達とシェアしたい酒 部門 (Best sake to share with friends)
松竹梅白壁蔵 澪スパークリング清酒 / 宝酒造(兵庫)
爽やかな泡が立ちのぼる、アルコール分5%の低アルコール発泡性清酒。米と米麹のみから生まれた自然の
甘さとほどよい酸味が、初心者にも飲みやすい味わい。フルーツデザートやシャーベットによく合う。
松竹梅白壁蔵の伊東氏は“すでにMIOをよく知っていて、定期的に購入しているという嬉しいお声をたくさんいた
だきました。初めて飲んだ方は、飲み口が軽くてとても飲みやすいと驚かれます。”とコメント。
和食以外に合う酒 部門 (Best match with non-Japanese food)
ふなぐち菊水一番しぼり / 菊水酒造(新潟)
ドライフルーツにナツメヤシと糖蜜の風味は生酒ならではの大胆なコンビネーション。ラムチョップ、カルビや
フルーツケーキと合う。菊水酒蔵のプリースト氏は“この生酒は伝統的なタイプの生酒です。光や熱、酸素の
影響を受けないために缶で販売されています。生酒独特のクセがあるので、慣れるのに少し時間がかかる
かもしれませんが、ワインよりも味の深みと広がりがあります。”とコメント。
来場者の声
「日本酒は何回か飲んだことがあるけど、数種類のお酒を比べながら飲むのは初めて。好きなお酒が多すぎて、
“一番”を選ぶのはとても難しかった」(40代/英国人女性)
「酒蔵の人と直接話せてとても楽しかった。日本酒について語る皆さんの熱意を感じたし、フードペアリングや日本酒を
使ったカクテルについて、新しい可能性が見えた」(30代/英国人男性)
「果物ベースのお酒やスパークリングをもっと飲んでみたい。日本食レストラン以外でも日本酒を楽しみたいので、
日本酒を販売しているお店がもっと増えてほしい」(20代/英国人女性)
オリバー・ヒルトン-ジョンソン氏 コメント
サケ・エクスペリエンス監修、Tengu Sake (www.tengusake.com)ディレクター
「入場料を払っても日本酒を試したい、という来場者の熱意は素晴らしく、投票の結果も興味深いです。英国の市場動向
を完全に反映しているわけではないですが、ハイパージャパンの若いファン層が何を求めているかがわかります。
日本酒をそれほど飲んだことがない来場者が多かったようなので、このイベントをきっかけに、より多くの人が日本酒に
興味を持って、知識を深めることを期待したいです。今後興味があれば、日本食レストランで飲んだり、オンラインで買っ
て自宅で楽しんだりしてほしいです。
イギリスでは、特に寒い季節は温かいお酒が人気なので、冬の時期はレストランでも熱燗が飲めるといいですね。日本
酒をサーブするときの適温やフードペアリングについて、今後レストラン関係者にももっと知ってもらえればと思います。」
関連ウェブサイト
HYPER JAPAN (www.hyperjapan.co.uk)
EAT-JAPAN (www.eat-japan.com)
お問合せ
クロスメディア
水野愛莉([email protected])
TEL: +44-(0)20-8963-9903