城南高校が目指すキャリア教育 ドリカムプランの変遷と今

高校教育フォーラム
実践レポート②
城南高校が目指すキャリア教育
ドリカムプランの変遷と今
福岡県立城南高等学校
主幹教諭
下 田 浩 一
平成27年8月9日
城南高校の概要
昭和38年開校(創立52年目)
全日制課程普通科
職員数
1学年10学級 ( 内 理数コース1学級):400名/学年
84人
教育目標
進取の気象を有し、端正にして明朗で、広く社会への貢献を志す人材の育成を目指す
進路希望
ほぼ全員が大学進学希望(国公立大学志向が強い)
スーパーサイエンスハイスクール研究指定校(2期目)
城南高校の概要
• 平成27年度入試合格実績
国公立大学
推薦・AO・・・・・・・・ 13名
前+中・後期日程・・・167+49名
合計
229名
九州大37、北海道大2、名古屋大1、大阪大3、神戸大4
横浜国立大3、東京外国語大1
福岡教育大11、熊本大25、九州工業大24、鹿児島大10
私立大学
早稲田大5、慶應義塾大1、上智大1、
明治大14、青山学院大12、立教大3、
同志社大17、立命館大64、関西学院大26、西南学院大185
城南高校の概要
進路傾向
○文理問わず国公立大学志向が強い
(1年生の約9割が九州大学志望)
→ 浪人してでも国公立へ(理系生徒に多い)
○関西・関東の私立大学受験は微増傾向
(浪人すると数多く受験)
→ 文系生徒は地元私立大(西南学院大)へ
○医療系希望者の増加
→ 医学科希望者は推薦も活用
CONTENTS
1 ドリカムプランの経緯
2 城南高校のキャリア教育
3 ドリカムプランからCCSへ
4 SSH2期目が目指すもの
城南高校の変遷
キャリア教育研究指定
(県教委)H17・18・19
高大接続研究指定
(文科省)H12・13・14
H18・19
キャリア教育
の再構築
H17
ドリカムプラン
のスリム化
H6
ドリカムプラン
の立ち上げ
H22
CCSへの発展
SSH第1期
H27
SSH
第2期
城南高校ドリカムプランとは
主体的活動により内的動機づけを強め、そのことに
よって志望動機を明確にし、それが学習意欲を高め
ることに繋がり、進路実現に向けて、全力で高校3年
間を過ごさせるプラン・・・・
生徒主体の進路学習
ドリカムプランの登場
1学年の危機感
・生徒の減少に伴う県内公立高校の統廃合
・私立高校の人気の高まり(男子校→共学化)
・H4学習指導要領全面改訂による学習内容の大幅削減→→→職員の危機感
・「新しい学力観」による学び方の変化
1学年の取組
ドリカムプランの原型
・在り方・生き方指導への転換
・内的動機づけと外的動機づけの模索
全校の取組
学校経営の中核に位置づけられる
・「のれん分け」システムの導入
ドリカムプランとその効果
導入契機
システムの特色
目指したもの
影響
• 推薦・AO入試を実施する国公立大学が増加
→体験活動の重視、進路の目的意識の明確化
• 活動と同時に進化するプログラム
• 「のれん分け」による継承システム
• 「行ける大学」から「行きたい大学」へ
• 地元志向から全国展開へ
• 新しい進路指導の在り方として全国から注目
• 地域からの注目度が高まり入学希望者が増加
表には出ない校内の取組
生徒の主体的な活動
&
徹底した
学習指導
国公立大学現役合格数の推移
286
206
H5
233
200
154
130
102
222
101
H6
H7
H8
H9
H10
H11
H12
H13
国公立大学現役合格数の推移
286
233
216
200
181
194
142
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
10年目(平成16年頃)のドリカムプラン
システム上の課題
生徒の変容
職員の意識の変化
• 肥大化したプログラムによるシステム疲労
• 職員の多忙感の増大
• プログラムの消化行事化
• 希望者から全員対象による「やらされ感」の増大
• 全国模試の成績が低迷
• 大幅な人事異動による「のれん分け」(継承システム)
の機能不全化
・ドリカムプランの見直し
福岡県重点課題(キャリア教育領域)研
究指定を受ける
目的・・・ドリカムプランの立て直し
(平成16年)
実際・・・ドリカムプランのスリム化
(平成17年)
ドリカムプランの転換
平成17年度
福岡県重点課題キャリア教育領域研究指定
(3年間)
目的:立て直し(平成16年)→→→実際:スリム化(平成17年)
福岡県重点課題キャリア教育領域研究指定
2年次
(平成18年)
城南高校が目指すキャリア教育の策定
キャリア教育に関する教員の意識
キャリア教育とドリカムプランの違いが判らない
新手の職業教育なのか?
ドリカムに代わる取組なのか?
キャリア教育の導入で、またまた忙しくなる
校内研修により共通認識と理解を図る
部活動の指導を事例にしたらキャリア教育の理解が深まった
共通理解を図ったこと
すべての教育活動が
キャリア教育
大学のキャリア教育
城南高校が目指すキャリア教育
広く社会への貢献を志す有為な人材の育成
キャリア形成において必要とされる能力や態度を
培おうとする力
教科から
学ぶ
集団から
学ぶ
基本的生活習慣
小中学校のキャリア教育
ドリカムプラン
から学ぶ
地域 大学 企業
家庭 保護者
学習力
ドリカムプランからCCSへ
背景
「PISAショック」と知識基盤社会の到来で必要
とされるキーコンピテンシー(①自律的に行動
する能力、②多様な社会グループにおける人
間関係形成能力、③社会・文化的、技術的
ツールを相互作用的に活用する能力)の育成
が求められる。
ドリカムプランからCCSへ
平成21年4月
• 始まりはトップダウン
→改革の方向性だけを示す
平成21年5月
• 具体案は「将来構想委員会」に委嘱
→委員会メンバーは主任主事
その下部にテーマ毎に6チーム
ドリカムプランからCCSへ
将来構想委員会組織
新システム研究
外部環境調査
キャリア教育チーム
志願者意識調査チーム
理数教育SSHチーム
私学調査チーム
理数科チーム
大学調査チーム
各チームは主任主事をチーフとして一般教員も参加
ドリカムプランからCCSへ
7月各チームが調査レポート提出
8月新システム案を作成
「CCS」と命名
SSHの申請手続きは同時進行
トップダウンからボトムアップへ
システム作りに長時間はかけず 動きながら形を整えていく
「できない理由 と やれない言い訳」
ドリカムプランからCCSへ
CCS
Career education
through
Communication and Science
in
global society
国際社会におけるコミュニケーション能力と
科学的な態度を育てるキャリア教育
CCS
Career education through Communication and Science in global society
国際社会におけるコミュニケーション能力と科学的な態度を育てるキャリア教育
Career
キャリア教育
将来に対して自覚的な生徒を育成する
Communication
Science
コミュニケーション教育
サイエンス教育
外国語教育、言語活動、表現力等のコミュ
ニケーション能力の育成を目指す
科学への関心を高め論理的思考
力を育成する
SSH
キャリア教育で全体を覆う
SSH2期目を通して
授業改善
(言語活動の充実)
↓
[探究活動・共同活動]
↓
「主体的な学びの姿勢」の育成
↓
「ESD課題研究」
↓
持続可能な社会の実現に積極的に貢献する科学技術人材育成
高校教育フォーラム 実践レポート②
城南高校が目指すキャリア教育
ドリカムプランの変遷と今
福岡県立城南高等学校
主幹教諭
下 田 浩 一
平成27年8月9日