2015年度 一般入学者(前期日程)選抜試験問題 小論文 次の問題文を読み、設問に答えなさい。ただし、問題文と数表の内容に記載されている事実のみに 基づいて推論し、解答しなさい。記述式の解答は、必ず根拠となる事実を記載した上で、自らの推論 を記述しなさい。 【問題文】 ある地方都市A市の中央を長さ約3 kmのメインストリートが貫いている。メインストリート沿い には、銀行、大型商業施設や商店、オフィスビル、イベントホールなどが立ち並んでいて、交通渋滞 う かい が問題になっている。並行する道路は、地域の生活道路となっていて、自動車の迂回が困難である。 そのため朝夕の通勤時間帯を中心に、毎日のように交通渋滞がおこっているほか、商業施設の大売り 出し、イベントホールの行事、交通事故や道路工事などがあると激しい渋滞が発生することがある。 そこで、A市では、道路管理者や警察の協力を得て、9月8日から10月5日の約1か月間の渋滞の状 況を調査することになった。交通渋滞を、メインストリートの長さ3 kmの区間で自動車の平均時速 が 10 km以下となって停車と発進を繰り返す状態が15分間以上継続することと定義した。深夜・早朝 時間帯を除く6時から22時を4時間ごとに区分し、各時間帯に渋滞がおこった時間を分で表した。ま た、同じ時期のA市の気象観測値を地元の気象台から取り寄せた。これらを次のページの数表にまと めた。 気象観測値の各数値の内容は次のとおりである。気圧は、A市のメインストリート中央付近とほ ぼ同じ海抜高度で測定した値をヘクトパスカル(hPa)の単位で示した。1日の平均気圧は、1時から あられ ひょう 24時の1時間おき24回の観測値の平均である。降水量は大気から地表に落ちた雨、雪、霰、雹などの 降水を円筒形の雨量計に集め、水に換算した体積を雨量計の底面積で割った値をミリメートル(mm) で表したものである。表に示した降水量は、1日の累積であり、0とは降水は観測されたが、降水量 が 0.5 mm未満であったこと、「−」とは降水が観測されなかったことを示している。気温は1時から 24時の1時間おき24回の観測値の平均である。湿度とは、その気温で大気が含むことができる水蒸気 の最大量を100とし、実際の水蒸気量の測定値の割合をパーセントで表したものである。風速とは地 上10 mにおける10分間の平均風速を秒速mで表したものである。湿度と風速の1日の平均値の求め方 は、気圧、気温と同様である。日照時間とは、1日のうちで直達日射量が基準(120 W/m2)以上である 時間である。日照時間の単位は60分間を1 hで表わしている。この基準は、直射光によって物体の影が 認められる程度の日射に相当する。 【設問】 問1 調査期間中のある日の9時50分から17時の間にメインストリートで緊急道路工事が実施された。そ れは、何月何日か。そのように推論した理由を述べなさい。 1 4 問2 調査期間中のある日に、沿道のイベントホールで人気アーティストが出演するイベントがあった。 19時開演であった。それは、何月何日か。そのように推論した理由を述べなさい。 問3 A市メインストリートの交通渋滞は、問1と問2の状況を除いて、どのような諸要因によって生じ ると推論されるか300字以内で述べなさい。 【数表】 交通渋滞(分) 気圧 降水量 6:00 10:00 14:00 18:00 (hPa) (mm) ~ ~ ~ ~ 平均 日合計 10:00 14:00 18:00 22:00 月 日 曜日 祝日 9 8 日 0 15 0 0 1012.6 9 9 月 19 0 15 0 1012.6 − 9 10 火 36 0 16 16 1011.4 − 9 11 水 0 0 0 0 1012.9 9 12 木 36 0 16 15 1014.2 9 13 金 61 25 35 19 1012.9 9 14 土 0 15 17 0 1008.9 9 15 日 0 16 0 0 1004.3 9 16 月 敬老の日 0 17 0 0 1002.2 9 17 火 50 0 16 16 1015.0 9 18 水 15 0 0 0 9 19 木 36 0 16 15 9 20 金 58 25 40 9 21 土 0 16 9 22 日 0 15 9 23 月 秋分の日 0 9 24 火 9 25 水 9 26 木 9 27 9 28 9 9 9.0 気温 (℃) 平均 湿度 (%) 平均 風速 (m/s) 平均 日照 時間 (h) 24.6 77 2.2 0.9 24.5 65 1.9 10.2 25.6 62 1.7 11.9 0 26.2 69 1.9 6.3 0 27.6 75 1.7 4.2 27.8 74 1.8 4.6 28.1 69 2.9 6.5 25.3 63 3.3 8.4 23.9 52 6.7 9.7 − 21.9 58 1.8 11.8 1017.1 − 22.8 59 1.8 11.7 1016.8 − 23.7 58 2.0 11.7 45 1015.3 − 23.6 64 2.3 11.4 17 0 1013.5 − 24.5 67 2.0 10.0 0 0 1013.7 − 25.8 63 2.3 9.9 17 0 0 1013.5 − 25.2 62 2.5 11.2 44 15 16 16 1010.0 − 25.0 63 2.2 11.3 52 38 48 0 1000.6 61.0 23.3 86 4.1 0.0 70 48 49 20 1019.1 18.5 20.1 84 1.9 0.0 金 50 25 35 19 1016.1 − 19.9 53 2.1 11.6 土 0 15 17 0 1016.3 − 22.0 61 4.1 8.1 29 日 0 16 0 0 1016.2 − 24.3 60 4.4 8.6 30 月 15 0 15 0 1014.5 23.7 63 2.5 2.0 10 1 火 36 45 62 16 1011.6 − 24.5 63 2.3 8.4 10 2 水 0 0 0 0 1006.7 − 24.1 65 2.7 8.0 10 3 木 36 0 16 15 1011.4 21.9 59 3.1 1.0 10 4 金 48 25 35 19 1016.9 − 20.2 61 2.1 6.9 10 5 土 0 15 17 0 1009.5 − 21.8 47 5.0 9.8 − 0 − 2.5 0 0 問題の内容は、すべてフィクションである。ただし、気象観測値は気象庁が発表している値を参考 にして作成した。 2 5
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