農地中間管理機構を活用した農地集積・集約化の推進に関する実施方針

平 成 27年 6 月 1 日
茨 城 県 農 林 水 産部
茨城県農地中間管理機構
平成27年度
農地中間管理機構を活用した農地集積・集約化の推進に関する実施方針
国においては昨年度,「農林水産業・地域の活力創造プラン」を策定し,特に,高齢化や
国内外で競争が激化するなかで担い手への農地集積・集約化については,平成35年度を目途
に担い手への集積率を現状5割から8割に引き上げるという目標を掲げるとともに,これを
実現する新たな仕組みとして農地貸借の中間受け皿となる農地中間管理機構を整備したとこ
ろです。
さらに,本年3月には,新たな「食料・農業・農村基本計画」が策定され,施策の改革を
進め,若者たちが希望を持てる「強い農業」と「美しく活力ある農村」の創出を目指すことと
し,担い手への農地集積・集約化については,引き続き,農地中間管理機構のフル稼働により
強力に取り組むこととしております。
これらを念頭におきつつ,平成26年度の成果と課題を踏まえて,県と茨城県農地中間管理
機構(以下「機構」という)が一体となって,市町村(農業委員会を含む),JA等関係機関
と協力しながら農地の貸出しと担い手への集積が円滑かつ着実に進展するよう以下のとおり
実施することとします。
1 農地集積目標
(1)平成35年度目標
目標面積 114,180ha
集積率66%(現状の集積率の2.5倍:国の考え方のとおり)
現在の集積率26.2%=45,396ha(H22担い手の集積面積)/173,000ha(H25耕地面積)
(2)平成27年度目標
目標面積 3,000ha=①1,500ha+②1,500ha
計
県北
県央
鹿行
県南
県西
目標(①+②)
3,000
260
570
390 1,000
770
①モデル地区
1,500
150
320
180
490
350
②基盤強化法
1,500
110
250
210
510
420
から移行
(単位:ha)
備考
①は市町村数×
35ha(県北25ha)
※市町村別目標は各農林事務所で設定
なお、平成35年度までの10年間で新たに68,784haの集積を進める。
68,784ha=114,180ha(目標面積)-45,396ha(H22担い手の集積面積)
2 重点取組事項
(1)推進体制の強化
ア 各農林事務所に機構嘱託職員を配置
・地元に精通した農協OB等を推進員(機構嘱託)として雇用し、各農林事務所に
1名ずつ配置する。
イ 市町村嘱託職員等の確保
・市町村段階での機構業務が円滑に進むよう、業務委託費の中で嘱託職員等人件費
の確保に努める。
・業務委託は、全市町村との契約締結に努める。
ウ 農地集積研修会の開催と農地利用円滑化団体との連携強化
・優良事例を参考とした集積の促進を図るため,農地集積研修会を開催する。
・農地利用円滑化団体との役割分担をしながら、連携強化を図る。
(2)担い手および貸し手農家両面からの対策の強化
ア 地域の信頼を得ている担い手自らが,既集積地を核として周辺農地を集積
・全市町村にモデル地区を設置し, 原則,別紙「モデル地区における農地集積のポイ
ント」に沿って着実な取組を推進する。
・地域の実態を踏まえ,上記以外の方法により効果が着実に上がる場合は,創意工夫
により取組みを進める。
イ 相談窓口の拡大,啓発活動の継続
・貸し手農家を掘り起こし,利用権からの移行を含めて中間管理事業の活用を促進す
るため,
①相談窓口の拡大(JA等)や農地利用円滑化団体との連携強化
②利用権更新予定者に対する啓発通知の発出
③マスコミを通した機構集積協力金活用PR
を実施する。
ウ 機構集積協力金の積極的な活用
・集落営農の運営や規模拡大に伴う農業機械整備に対する農家負担の軽減などを支援
3 推進にあたっての留意事項
(1)農地法第32条の遊休農地利用意向調査で機構への貸付けが希望された農地の扱い
ア 適合状況確認
・農地パトロールにおいて確認された農振農用地区域内の遊休農地については,最優
先で解消を図ることとし,かつ機構の借受基準に適合する農地の所有者に対して,
農地中間管理事業を活用してもらうよう積極的に誘導する。
イ 借受基準に適合した農地について
・借受基準に適合した農地については,情報管理農地として扱い,遊休農地の再生作
業の進捗状況を勘案して,所有者等に対し順次借受け協議を申し入れる。
・その際,機構は,農地パトロールで得られた情報を受けて,地域耕作放棄地対策協
議会等と連携し担い手の掘り起しとマッチングを行う。
・マッチングが完了した農地の再生作業については,機構と担い手が協議して実施す
る。
(2)その他
・地域における集積の核となる担い手が少ないところでは,日本型直接支払交付金を
活用して共同活動を実施している集落等に対し,集落営農への取組みを働きかける
ほか,地域外の担い手の参入を促す。