2015 年 9 月号 a monthly newspaper Social Insurance & Lobor Consultant Personnel management Center & Jinjiken inc. News Spc jinjiken news 代女性が、上司のパワハラを訴えた裁判で和解 「個人情報保護法改正案」が成立へ (8 月 27 日) した後も状況が良くならないとして、組合側に 330 万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判 「マイナンバー法改正案」と一括審議されて 決が東京高裁であり、女性の敗訴とした一審の いる「個人情報保護法改正案」が、9 月 3 日に 横浜地裁判決を取り消して組合側に請求額全 成立する見通しとなった。個人が特定できない 額の支払いを命じた。訴訟は 2012 年に和解が ようにした「匿名個人情報」を本人の同意なし 成立して組合は再発防止を約束していたが改 に企業に提供できるようにし、ビッグデータを 善が進まず、判決は「専門分野であるはずの労 経済活動に活かすのがねらい。一方、取扱企業 務管理上の対応を誤った」と指摘した。 の監視体制強化のため、個人情報保護委員会を 新設したり、企業に利用項目の公表を義務付け 「女性活躍推進法案」が成立へ(8 月 25 日) たりするとともに、違反に対し罰則を設ける。 企業や自治体などに女性の登用を促すため 大企業に数値目標を義務付ける「女性活躍推進 「マイナンバー法改正案」成立へ(8 月 27 日) 法案」が、参議院内閣委員会において自民、公 参議院内閣委員会は、マイナンバーと基礎年 明、民主などの賛成多数で可決された。あわせ 金番号の連結を最大1年5カ月間凍結する修 て「男女雇用機会均等法」の改正について検討 正案を盛り込んだ「マイナンバー法改正案」を を進めることなどを盛り込んだ付帯決議も可 可決した。修正が入ったため参議院本会議で可 決された。28 日の参議院本会議で成立し、来 決後、改めて衆議院へ送り、来週の衆議院本会 年 4 月に施行される見通し。 議で成立する見通し。当初案はマイナンバーを 預金口座に紐付けることで税金や保険料の徴 マイナンバー通知カード 送付先変更の受付開 始(8 月 24 日) 収に役立て、年金分野でも活用する予定だった が、凍結中は年金相談や支給申請手続等にマイ ナンバーを使うことができない。具体的な凍結 全国の自治体が、10 月から郵送されるマイ 期間は政令で定める。 ナンバーの「通知カード」について、送付先の 変更届の受付を開始した。対象者は、DV や児 童虐待、ストーカーなどの被害者や東日本大震 労働保険事務組合にパワハラの賠償命令 (8 月 26 日) 災で避難した被災者、病院や介護施設に長期間 入っている独り身の人など。希望者は 8 月 24 労働保険事務組合「神奈川 SR 経 日~9 月 25 日の間に、住民登録している市区 営労務センター」で働いていた 40 町村に窓口か郵送で申請する。 1 2015 年 9 月号 最低賃金 全国平均 798 円に(8 月 24 日) 政府が掲げる「2020 年までに、指導的地位 に占める女性の割合を 30%とする」目標に対 厚生労働省は、今年度の最低賃金について各 し、帝国データバンクが実施した女性の登用に 都道府県の審議会の答申状況を発表した。引上 対する企業の意識調査で、女性の管理職(課長 額の平均は前年度比 18 円アップで、2002 年度 相当職以上)はゼロと回答した企業が、2015 以来最大の引上げ幅となった。10 月から適用 年7月時点で 50.9%に上ることがわかった。 される。最高額は東京都の 907 円で、最低額は 社長を含む女性役員が不在の企業も 60%を超 鳥取県、高知県、宮崎県、沖縄県の 693 円。 えるなど、女性登用に対する企業の動きが鈍い ことが浮彫りとなった。 改正派遣法案の施行日は「9月末」に? 与党 が繰下げを提案(8 月 20 日) 介護保険料額に年収反映 新制度を 2018 年度 にも導入へ(8 月 10 日) 参院厚生労働委員会で審議中の労働者派遣 法改正案について、与党は、「9 月 1 日」とし 政府は、医療保険事業者が加入者数に応じて ていた施行日を「9 月 30 日」に延期する修正 拠出している介護納付金について、加入者の平 案を野党に提案した。安保関連法案や日本年金 均年収に応じて負担割合を決める「総報酬割制 機構の情報流出問題の影響で審議が大幅に遅 度」を導入する方針を固めた。社会保障審議会 れており、参院採決が 9 月初旬にずれ込む見通 で本格的な見直し論議をスタートし、2018 年 しで、約1カ月の繰下げが必要と判断した。こ 度から段階的に制度を移行していく考え。総報 の提案に対し、野党側は施行日変更に加えて労 酬割制度に完全移行した場合、個人が支払う保 働者保護のための大幅な修正を求め、折り合わ 険料は大企業社員で月 595 円、公務員で月 なかった。 1,850 円増加し、中小企業社員は月 272 円減と なる見通し。 「健康対策で成果競わせ医療費抑制」 2018 年度からの導入目指す(8 月 14 日) 厚労省研究会が「介護休業分割取得制度」を 提言(8 月 7 日) 厚労省は、医療費抑制を図るため、医療保険 事業者を対象に、後発薬使用やメタボ健診受診 率など健康対策の成績に応じ後期高齢者医療 厚生労働省の研究会は、現在は原則1回だ 制度への支援金の負担を増減する「競争制」を け取得できる介護休業について、取得率が低く、 導入する方針を固めた。優れた結果を出せば支 年間7~9万人程度が離職を余儀なくされて 援金の負担を軽くし、成績が悪ければ負担増の いる現状を踏まえ、分割して取れるよう制度の ペナルティを科す。今年度中に指標や成績の付 見直しを提言する報告書を取りまとめた。同報 け方、評価方法等を議論し、2018 年度からの 告書をもとに今後、労働政策審議会で議論を行 導入を目指す。 い、来年にも育児・介護休業法の改正案を国会 に提出する方針。 「女性管理職ゼロ企業」が5割超 帝国データ バンク調査(8 月 14 日) 2 2015 年 9 月号 連載トピックス● マイナンバー制度のスタートに備えて④ 企業が個人番号を取り扱う上では、取得、利用・提供、保管・廃棄、安全管理措置を適切に実施 する必要があります。今回は、個人番号の利用・提供、保管・廃棄にスポットを当てます。 企業が個人番号を取り扱う上での注意点/利用・提供、保管・廃棄編 1.利用・提供 : 企業(事業者)は、社会保障・税に関する手続書類に、従業員等の個人番号など を記載して、役所に提出! • 従業員から取得する際に特定し明示した利用目的以外の目的で、個人番号を利用・提供すること はできません。 • つまり、社会保障や税の手続など、法令などで定められた手続に使用する場合を除き、個人番号 を利用・提供することはできません。 • たとえば、仮に社員や顧客の同意があっても、社員番号や顧客管理番号としての利用はできない ということです(社員名簿に個人番号を記載することを禁止するものではありません)。 疑問:顧客から、身分証明書として個人番号カードを提出されるようなことがあるかもしれませんが、個人 番号カードは、身分証明書として利用できるのでしょうか? 回答:法令などで定められた手続以外の事務でも、個人番号カードを身分証明書として、顧客の本人確 認を行うことができます。ただし、その場合は、個人番号カードの裏面に記載された個人番号を書 き写したり、コピーを取ったりすることはできません。 個人番号カード……個人番号の通知を受けた者が希望すれば、申請により交付される 2. 保管・廃棄 : 個人番号を含む個人情報は、必要がある場合だけ保管が認められます! • 必要がある場合に限り、保管し続けることができます。 必要がある場合の例……翌年度以降も継続的に雇用契約がある場合、 法令によって一定期間保存が義務付けられている場合 など 3 2015 年 9 月号 • 不必要になったら、できるだけ速やかに廃棄・削除しなければなりません。 不必要になった場合の例……個人番号を事務で利用しなくなった場合、 保存期間を経過した場合 など ☆廃棄や削除まできちんと行わなければなりませんので、それを前提に貴社の事業規模や雇用形態、現 在の手続きの処理方法などに応じた書類やデータのファイリングの仕方などを工夫する必要があります。 新情報● 雇用保険の雇用継続給付に係る支給限度額などの変更 平成 27 年8月1日から、雇用保険の高年齢雇用継続給付の支給限度額、育児休業給付・介護休 業給付の計算に用いる休業開始時の賃金日額の上限等が変更されました。この結果、従業員の方 への支給額が変更されることがあります。これを機に、各給付金の支給額の計算の仕組みも再確認 しておきましょう。 ――高年齢雇用継続給付、育児・介護休業給付の支給限度額等――― <高年齢雇用継続給付の支給限度額> 平成 27 年7月 31 日まで:340,761 円 ➡ 平成 27 年8月1日から:341,015 円 確 認 高年齢雇用継続給付(高年齢雇用継続基本給付金・高年齢再就職給付金)の支給額 支給額は、一の支給対象月(一暦月)について、賃金の低下の割合に応じて次の額です。 賃金の低下の割合 支給額 61%未満に低下 支給対象月の賃金×15% 支給対象月の賃金が 61%以上 75% 支給対象月の賃金×15%から逓減す 「60 歳到達時等の賃金の月額」に比べ 未満に低下 るように厚生労働省令で定める率 注① 支給対象月の賃金が、支給限度額(341,015 円)を超えるときは、その支給対象月には支給されません。 また、上記のように計算した額に支給対象月の賃金を加えた額が、支給限度額を超えるときは「支給限度額- 支給対象月の賃金」が支給額となります。 注② 支給額として計算した額が、1,840 円を超えないときは、その支給対象月には支給されません。 注③ 60 歳到達時等の賃金の月額は、447,600 円を上限とし、69,000 円を下限とします。 <育児休業給付・介護休業給付の計算に用いる休業開始時の賃金日額の上限> 平成 27 年7月 31 日まで: 14,200 円 ➡ 平成 27 年8月1日から: 14,210 円 確 認 育児休業給付・介護休業給付の支給額 支給額は、一の支給単位期間(休業開始日を基準として区切った1か月)について、次の額です。 原則 育児休業給付 休業開始時の賃金の月額×50%(最初の 180 日目までは 67%) 介護休業給付 休業開始時の賃金の月額×40% 例外 休業中に事業主から賃金が支払われた場合 休業中に支払われた賃金の月額と、育児休業給付・介護休業給付の額との合計が、休業開始時の 賃金の月額の 80%を超えないように、育児休業給付・介護休業給付の額が調整されます。 4
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