第7回 わが自治体のがんばる職員 飛騨市、白川村

わが自治体のがんばる職員
~第7回~
平成27年3月1日号
このコーナーでは、市町村研修センター主催研修を受講された自治体職員の声を紹介します。
第 7 回は、平成 26 年度研修の中からプレゼンテーション能力向上講座を受講された三好さん、
政策形成講座を受講された南さんにお話をお伺いしました。
飛騨市役所 生涯学習課 三好清超さん
三好さんは、文化財全般(保護と活用)や遺跡の発掘調査の
仕事をしています。受講されたプレゼンテーション能力向上講座
についてお伺いしました。
◆受講した動機をお聞かせください。
仕事の中で、月に 1 回程度は、いろいろな場所で文化財につ
いての話をする機会があります。小学校の皆さんに話をするとき
と一般の皆さんに話をするときとではシチュエーションは異なるが、何か共通する根本的なものがあるのでは
ないかと思い、それを学びたくて受講しました。
◆受講されてどうでしたか。
講座では、初めに 1 分間スピーチをしました。このスピーチでは 1 分を意識して話をすることができましたが、
自分のことしか考えていませんでした。講義を受けてノウハウを学んでからのスピーチでは、何を聞く人に伝
えたいかということを一番意識しました。講義の中で心に残ったことは、話をするときは身ぶり手ぶりが大事で
あること、壇上ではマイクの前で話すときと一歩前に出て話すときとでは意識して使い分けるということです。
受講した後、3つの小学校で話をする機会がありましたが、このことを意識して話しました。
グループワークでは、それぞれ皆さん役割分担してスムーズに作業に入れました。テーマについて問題点
を出し合い、それに対しての対応も考えました。テーマが普段考えたことのない事でしたので面白かったです。
通常の仕事の中でのグループワークではなく、自分の知らないことをゼロから組み立てていくのが特に面白
かったです。
◆飛騨市で歴史的なものはどのようなものがありますか。
飛騨市には古代の屋根瓦が点在しています。奈良時代の瓦など、過
去に掘り起こされたものをお寺さんが保管しています。日本で初めて瓦
を造ったのが奈良の飛鳥寺と言われています。飛騨市にある 800 年以
出典:飛騨市教育委員会 2013
『上町遺跡向町地点』
上前に作られた瓦等を調べ、そのような古代の瓦がどのようなルートで
飛騨に入ってきたのか歴史的背景を研究しています。
◆ありがとうございました。
三好さんのプライベートでは、昨年度 3 月に、社会人として再び学び直しをした大学院を卒業し、大学院で
学んだ考古学をまとめ、専門誌での論文の発表向けて取り組まれています。夢は、飛騨市の歴史的なこと
は自分に聞いてもらえればすべて話ができるような存在になること、自分はまだ一分野(考古学)を勉強中
なので、もっと広い意味で活躍したいと、お話しされていました。
白川村役場 基盤整備課 南昌和さん
南さんは、役場に入職して 2 年目から建設土木関係の仕事をさ
れています。政策形成講座には、研修担当に進められて受講さ
れました。
◆受講されてどうでしたか。
政策形成は、政策を立てて、それに向かって進めていくことで、
役場では多い仕事だと思います。私は土木関係で、住民から道路
が壊れている、落石が多くて危ないなど要望の受け付け、下水道の普及をするなどの仕事をしていて、ある
政策があって進めていくというより、要望を受けての仕事がほとんどでした。このような仕事が長いので、政策
を立ててということも経験がありませんでした。
しかし、実際に講座を受けてみると、何か具体的に計画を立てるものではなくて、今ある現状をよりよくして
いくために問題を解決していく、このためにはどういった手法があるか学ぶ研修でした。受講する前は「受ける
だけで役に立たないだろう。」と思っていた印象が、受けて良かったに変わりました。
研修というと私が所属している土木関係では技術的な研修が多く、このような座学はあまり受けたことのな
い研修でした。しかし、普段の仕事は現場よりどちらかというと事務的なことが多いので、そのことから考える
と受講して良かったと思いました。また、グループワークでは、皆さんの討議討論でなかなか意見が言えない
と思っていましたが、雰囲気がよく、いろいろな意見が出し合えていいグループ討議ができました。
◆どのあたりが仕事の役に立ちそうですか。
今ある問題を、具体的にどうやって解決していくかの手法を、この講座では学びました。実際の仕事では
要望を受けてというのが多いのですが、要望がなければ何もしなくてもいいのではなくて、自分から問題を見
つけ出していくことが大事で、問題意識を持たなくてはならないと感じました。普通に車を運転していても、斜
面から落ちそうな雪があるか、木が折れそうになっていないか、倒れないようにするにはどうすればいいのか
など、最近は普段からそう考えるようになりました。
◆どのような夢を抱いていますか。
役場というところは、建設のほかにも福祉、観光、教育などさまざまな分野があります。私は、まだ一部分
しか経験がありません。もっといろいろな形で村に役立つことがしたいと思っています。広い分野で知識を身
につけ、経験を積みたいと思っています。
◆ありがとうございました。
南さんは、平成 14 年から地元の白川中学校でバレー部のコーチをさ
れています。勤務後や休日、週に5日は中学生のバレー部員と練習に
励み、プライベートの空いている時間はバレーのことばかり考えていると
のことです。バレー指導や練習法、子どものスポーツに関する本などを
読むなど勉強されています。普段心がけていることは、「公務員はサー
ビス業」ということを常に思い、些細なことですが、身なりを整えて村民
に接するようにしているとお話しされました。
大変ご多用の中、インタビューに快く応じていただきました皆さま、ありがとうございました。また、取
材にご協力いただきました皆さまにも、お礼申し上げます。(編集部)