平成 27 年 10 月 5 日 各 位 日本ジェネリック製薬協会 第 18 回 IGPA 年次総会の結果について 第 18 回 IGPA 年次総会が、さる 9 月 17 日、18 日にカナダ・トロント市で 開催されましたので、その結果について別紙のとおりお知らせいたします。 (IGPA:International Generic Pharmaceutical Alliance;国際ジェネリック医薬品連盟) 【お問い合わせ先】 日本ジェネリック製薬協会 ・国際委員長 稲荷 恭三 電話 03-6273-4655 ・国際部長 菱倉 武史 電話 03-3279-1890 -1- 別紙 第 18 回 IGPA 年次総会の結果について 平成 27 年 10 月 5 日 日本ジェネリック製薬協会 (GE 薬協) 1. 総会の概要 (1) 第 18 回 IGPA(International Generic Pharmaceutical Alliance)* 年次総会は、カナダ のトロント市において 9 月 17、18 日に、世界各国のジェネリック医薬品企業を中心に 約 200 名が参加して開催された。ジェネリック医薬品をめぐる最新の市場動向の発表と ともに、品質文化の醸成、知的財産権関連、国際貿易協定関連、バイオシミラー等につ いての講演や CEO パネルディスカッションが行われた。 総会の冒頭、IGPA 運営委員会議長の Jim Keon 氏より歓迎あいさつとともに、 組織名称を IGBA(International Generic and Biosimilar Medicines Association) に変更すること、また近々、スイスで法人格を取得することが発表された。 *IGPA(国際ジェネリック医薬品連盟) カナダジェネリック製薬協会(CGPA) 、欧州ジェネリック医薬品協会(EGA)、米国 ジェネリック医薬品協会(GPhA)、ヨルダン製薬協会(JAPM)、日本ジェネリック製薬 協会、南アフリカ製薬協会(NAPM)、台湾ジェネリック医薬品協会(TGPA)の正会員と オブザーバー3 団体(ブラジルジェネリック医薬品協会 Progenericos、メキシコジェネ リック製薬協会 AMEGI、オーストラリアジェネリック協会 GBMA)で構成される ジェネリック医薬品関係団体の国際的ネットワーク組織。1997 年に欧州、米国、カナ ダの団体により設立され、日本(GE 薬協)は 2007 年に正会員として加盟した。 (2) 日本の GE 薬協及び同会員企業からは合計 15 名が参加した。今回、市場動向に関し ては北米・欧州以外ではアセアン(東南アジア諸国連合 10 ケ国)と中東・北アフリカ 地域に関する講演がなされ、日本、台湾、メキシコ、ブラジル、南アフリカ、オース トラリアからの講演はなかったが、他の講演において、日本の最近におけるジェネリ ック使用促進政策についてコメントがあり日本の動向がグローバルにも関心を集めて いることが伺えた。 (3) 総会は、主催団体 CGPA の理事長による開会挨拶の後、カナダ・オンタリオ州政府 健康・介護大臣の Dr. Eric Hoskins 氏 より、全世界のジェネリック製薬産業の代表 がトロント市に集結したことを歓迎するとともに、更に品質、有効性、安全性の高い ジェネリック医薬品へのアクセスが世界的に改善されることが最重要である旨の基 調講演があった。 ジェネリック医薬品を取り巻く最近の動向・課題については、次の 8 つのセッショ ンに分けて、それぞれ講演と質疑応答が行われた。 ①世界における市場動向、②主要国の市場動向、③新興国の市場動向、④品質文化 の醸成、⑤国際的知的財産権の動向、⑥CEO パネルディスカッション、⑦貿易問題 に関する行政との協働、⑧バイオシミラーに関する科学的・薬剤規制の状況 [ 詳細は2.に記載 ] -2- 2. 総会での講演・討議 (1) 世界における市場動向 ・IMS ヘルスの Alan Sheppard 氏より、世界の GE 市場動向について、①世界のジ ェネリック医薬品市場は昨年 1940 億ドル(約 23 兆円)であったこと、②そのうち、 日本は 55 億ドル(約 6600 億円)で、成長率は 15%であり、他の主要国(米国 11%、 ドイツ 3%、フランス-1%、英国 9%)より大きかったこと、③低分子薬の市場は低成 長に入るが、バイオシミラー・バイオ抗がん剤等スペシャリティの高い医薬品市場は 今後大きな成長が予想されることなど、様々な観点からの講演があった。 (2) 主要国の市場動向 ・アポテックス社社長(CGPA 会長)より、米国・カナダの市場概況、医療費償還制度(オ バマケアなど)の現状、米国の薬事規制のフレームなどについて講演があった。 ・フレゼニウスカビ社副社長(EGA 理事)より、EGA のビジョンの紹介の他、全世界 のバイオシミラーの 55%は欧州で生産されていること、欧州主要 8 カ国ではバイオシ ミラーの使用により 2020 年までの 14 年間の累積で 330 億ユーロ(4 兆 4550 億円) の薬剤費を削減ができる見通しであることなどについて講演が行われた。 (3) 新興国の市場動向 ・コトラファーマ社社長(マレーシア製薬協会 Malaysian Organization of Pharmaceutical Industries(MOPI) 会員)より、アセアン市場動向や域内の経済統合や 薬事規制ハーモナイゼーションの動き等について講演があった。なお、アセアン諸国で はブルネイ(70.0%) 、ベトナム(69.0%) 、インドネシア(68.8%)タイ(63.0%)など、 ジェネリックの浸透率が高い国があることが紹介された。 ・ハヤット社(ヨルダン)社長(JAPM 副会長)より、 「中東・北アフリカ市場動向」と題 して講演があり、域内で医薬品市場の大きい国はサウジアラビア(成長率 11.84%) 、ア ルジェリア(同-5.51%) 、エジプト(3.51%) 、UAE(8.80%) 、レバノン(7.90%)な どであること、域内では外資系企業による M&A、工場設立などが活発であることなど が紹介された。 (4) 品質文化の醸成 ・ 「品質文化の醸成」をテーマに、アメリカ食品医薬品局(FDA)国際薬事規制担当副 長官からは 7 月 FDA から公表された「品質指標(Quality Metrics)に関する業界向け ドラフトガイダンス」について行政側の視点から、欧州医薬品庁(EMA)製造・品質コ ンプライアンス部門責任者からはグローバルサプライチェーン時代における関係各国 とのハーモナイゼーションやワークシェアリングの視点から、インサイト・アドバイ ス・アンド・ソリューションズ社社長からは、ジェネリックの信頼性向上に向けての業 界側の対応の視点から、それぞれ品質文化の向上に関する講演が行われた。 -3- (5) 国際的知的財産権の動向 ・ 「世界の知的財産に関する最新動向」をテーマに、マクガイア・ウッズ社上席役員か ら「バイオシミラーの知的財産権に関する課題」 、韓国リー・アンド・コー法律事務所パ ートナーからは、米韓自由貿易協定を受け 2012 年から 2015 にかけて導入された「韓 国におけるパテントリンケージ」の内容について、また、ウィルキー・ファー・アンド・ ギャラガー社パートナーからは「米国独占禁止法の動向」について、それぞれ講演が行 われた。 (6) CEO パネルディスカッション ・アポテックス社社長、マイラン社欧州社長、ファーマサイエンス社 COO 、サージェ ントファーマ社社長の経営者 4 名が登壇し、新興国等への地域別戦略、M&A 戦略、薬 事規制(特に米国のジェネリック医薬品ユーザーフィー導入後の状況等) 、バイオシミ ラーの戦略、世界的な価格抑制プレッシャーなどジェネリック医薬品ビジネスを取り巻 く環境と企業の戦略について活発な意見交換が行われた。 (7) 貿易問題に関する行政との協働 ・CGPA 理事長より、IGPA 貿易委員会で検討を続けてきた貿易協定への対応に関する IGPA の基本的なポジションをまとめた Trade Principles について説明があり、本年 9 月 30 日の WTO フォーラムにおいて発表予定である旨説明があった。 ・また、テバカナダ社副社長からは、TPP 交渉の経過について、EGA 理事長からは TTIP (環大西洋貿易投資パートナーシップ)の経過等について講演が行われた。 (8) バイオシミラーに関する科学的・薬事規制の状況 ・FDA シニア・スタッフ・フェロー、ポール・エーリッヒ研究所(EMA バイオシミラ ー・ワーキンググループ・メンバー)、WHO 必須医薬品及び健康関連製品局生物製剤グ ループ長の 3 名が、それぞれの立場から、バイオシミラーの科学的・薬事規制に関する これまでの経過や最近の動きについて講演が行われた。なお、FDA は今年バイオシミラ ー第1号を承認しており、関心を集めた。 3.その他 ・閉会あいさつにおいて、EGA 理事長より、次回第 19 回 IGPA 総会が 2016 年 6 月 8~10 日にクロアチア・ドゥブロヴニク市において EGA 総会との合同により開催される旨の発 表があった。 ・今回の年次総会の前日(9 月 16 日)には、IGPA の運営委員会、科学委員会、貿易委員 会、バイオシミラー委員会、知的財産委員会がそれぞれ開催され、当面の諸課題を協議し た他、同日、別会場においてヘルスカナダと業界とのワークショップが行われた。 以上 -4-
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