FDA、家畜の成長促進を目的とする抗生物質の利用を制限(Journal Star

FDA、家畜の成長促進を目的とする抗生物質の利用を制限
JUNE 02, 2015 3:47 PM by NICHOLAS BERGIN, LINCOLN JOURNAL STAR
(出典:http://journalstar.com/business/agriculture/fda-to-limit-use-of-antibiotics-for-livestockgrowth/article_e22617b4-f3b8-5aec-8c39-0b2d091a2215.html)
2015 年 6 月 2 日、FDA(アメリカ食品医薬品局)は、
抗生物質の家畜生育を目的とする使用を制限する
新たな一手を発表した。公衆衛生に関する主唱者ら
は、抗生物質が耐性を持つスーパーバグの出現に寄
与すると提言している。
アメリカ疾病管理予防センター所属の専門家によ
ると、いわゆるスーパーバグは、ヒトの疾患治療に
使用される薬品に順応し、地球規模の健康危機を生
み出している。同センターの発表では、抗生物質に
耐性を持つバクテリアに毎年少なくとも 200 万人
が感染し、少なくともそのうち 2 万 3000 人が死亡
しているという。
数十年前、家畜の生産者達は、人間の治療用の抗生物質やその他の薬品を、豚・牛・鶏のような動物に
少量を与えることで増体が促進されることを発見した。しかし、そうすることでバクテリアの薬品へ
の順応が促進され、バクテリアはそれらの薬品を与えられても生き残ることができるよう変化する。
この数年、FDA は医療的に重要な薬品を家畜の肥育等を目的に使用することを禁じ、その他の治療目
的の使用についても獣医師の管理下に置くことを決定するなどしてきた。
そして 6 月 2 日、FDA は『動物用飼料に関する指針』を完成させた。これにより、これまでは医療的
に重要な薬品も処方箋なしで入手できたのが、獣医師の処方箋がないと購入できなくなった。
Nebraska Cattlemen のスポークスマン、マイク・フィッツジェラルド氏は、消費者が自分たちの食
物の育てられ方に好感を持つことが大切であると言う。
「この規制により、消費者に牛肉に対するより大きな自信を与えることができれば、牛の生産者はこ
の新たな規制に順応することができるだろう。すべての医薬品を賢明に使用することは牛肉品質保証
プログラムの重要な部分であり、この規制が発効するのに先立って生産者たちを教育し、この変化を
皆に確実に理解してもらうつもりである。」としている。
この問題に取り組むにあたって、畜産業界にかかる圧力は増している。米国のマクドナルド、Chickfil-A(チックフィレイ、鶏肉料理に特化したレストランチェーン)、Chipotle(チポトル、メキシカン
ファストフード)は皆、特定の抗生物質や人工成長促進剤を使用せずに生産された肉を使用すること
を約束した。
Natural Resources Defense Council(擁護団体)は、政府による政策は充分でなく、家畜の飼料や飲水
に習慣的に添加されている抗生物質の使用を抑制するに至っていないと言う。
「病気にかかっていない
家畜に対する習慣的な抗生物質使用を根絶するには、政府は抗生物質が、り患している動物の治療や、
疾患発生の制御のためのみに使用されることを確実にするべく、さらなる方策を講じる必要がある。」
と同団体の Mae Wu 氏は E メールでコメントを寄せた。
ワクチンの製造と研究を行う工場を米国リンカーンに所有する動物用医薬メーカー、Zoetis 社は、こ
の新たな規制を確認し、その意向に従うべく動いていると述べ、発表したプレスリリース内では、
「動
物の健康と食の安全のため、家畜への抗生物質の使用決定については、獣医師がそのプロセスに関与
すべき」としている。
今年の頭にアメリカ食品医薬品局が公開した報告書によると、家畜育成用抗生物質の販売量は、2012
年から 13 年にかけて 3%増え、9800 トンから 10140 トンになったという。
以上