当院での尿沈渣検査における異型細胞の検出状況と運用方法についての

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当院での尿沈渣検査における異型細胞の検出状況と運用方法についての検討
◎石松 寛美 1)、滝川 和孝 1)、石黒 和也 1)、中村 浩司 1)
公益財団法人 筑波メディカルセンター 筑波メディカルセンター病院 1)
【はじめに】泌尿器科の診療において、尿沈渣検査は必須
った。このうち、運用①では 183 件中 77 件 (42.1%) を陽
の検査である。特に、泌尿器系腫瘍での尿中の異型細胞の
性と報告していた。一方、運用②では 73 件中 49 件
検出は重要な意義がある。今回、我々は尿沈渣と尿細胞診
(67.1%) を陽性と報告していた。同時に尿定性と尿細胞診
の結果について比較検討を行い、その結果に基づき尿沈渣
の結果を比較検討したところ、尿潜血 1+以上の検体が約
検査の運用方法について検討したため、報告する。
7 割を占めていた。また、尿潜血-及び+/-での陽性率は、
【対象と方法】対象は 2013 年 4 月~2015 年 3 月までに、
運用①では 52 件中 12 件 (23.1%) であるのに対し、運用
当院にて尿沈渣と尿細胞診を同日に依頼された症例のうち、
②では 24 件中 16 件 (66.7%) であった。なお、今回検討を
尿細胞診で Class Ⅴとなった 256 例について、尿沈渣検査
行った 256 件のうち、255 件が泌尿器科の依頼であった。
の結果を確認した。このうち 183 例は尿中有形成分分析装
【まとめ】尿細胞診で悪性と診断された検体のうち、運用
置 U-SCANNER (東洋紡) と鏡検を併用する運用 (以下運用
①の陽性率は約 4 割であり、運用②の陽性率は約 7 割であ
①) で行い、73 例は全ての検体を鏡検する運用 (以下運用
り、後者の一致率が高かった。また、運用②では、特に尿
②) で行った。なお、運用①では肉眼的所見及び尿定性の
結果により機器測定と鏡検とに分類し、機器測定したもの
潜血-及び+/-での異常細胞がよく検出できることが判明
の画像を確認する運用で行った。当院では、尿沈渣検査で
には、尿沈渣検査の鏡検の有無を尿定性の結果だけではな
異常細胞が認められた場合、異型細胞または核腫大 (以下
く、診療科によっても選別する必要があると考えられた。
陽性) として報告を行っている。
また正確な診断を行うために、尿沈渣検査と尿細胞診での
【結果】尿細胞診で悪性と診断された検体のうち、尿沈渣
密な連携が非常に重要となると考えられる。
で陽性と報告していた件数は 256 件中 126 件 (49.2%) であ
連絡先:029-858-5278
した。以上の結果より、異型細胞の見落としを避けるため