平成19年5月30日号 1. 三角合併と税務上の取扱い 2. クレジットカード

平成19年5月30日号
1.
三角合併と税務上の取扱い
2.
クレジットカードによる納税
3.
滞納税金の差押えと公売
1.三角合併と税務上の取扱い
この 5 月から解禁となった三角合併ですが、簡単に内容をまとめてみたいと思います。
新会社法により、「合併等の対価」(合併・分割・株式交換)として、消滅会社の株主に対して
「存続会社の株式」ではなく社債、新株予約権、株式以外の財産、金銭等を対価とすることが
できることとなりました。(第 749 条)
このうち、存続会社の「親会社」の株式を対価として行われる合併を三角合併といいます。
例えば、A 社が子会社 B 社(100%子会社に限る)を設立、C 社の株式を取得するために
C 社株主に対して金銭ではなく、A 社株式を交付します。結果、C 社株主は A 社株主となり
実質 A 社が C 社を買収したのと同じことになります。
この「株式交換による買収」のメリットは、巨額の資金を準備しなくてもできることです。
日本企業だけでなく外国企業も「A 社」にあたる親会社になることができるため、外資による
「敵対的買収」が増えるのではと懸念され、18 年 5 月の会社法施行より施行が 1 年
延期されました。
このうち、一定の要件を満たした「三角合併」については資産の含み損益(簿価の引き継ぎ)
株主に対する株式譲渡損益、の「課税の繰り延べ」が認められています。
この、課税の繰り延べ(適格企業再編)は同じ企業グループ内(50%超の株式等の保有関係がある)
のほか、50%以下の保有関係であっても認められる場合があります。
その要件が 19 年 4 月の省令、国税庁による Q&A により明確化されました。(法令 4②)
(事業性要件) ペーパーカンパニーではないこと、を要件としています。
ⅰ 事務所、店舗などがあること
ⅱ 従業員がいること
ⅲ 自己の名義により販売等の事業活動をしていること などです。
(事業関連性要件) 合併法人と被合併法人との事業の関係についての要件です。
ⅰ 同種の事業である
ⅱ 商品、資産、役務、資源等が同一または類似している
ⅲ 合併後にも合併前と同じ事業を営むことが見込まれること
なお、この適格合併等に該当する場合には欠損等法人の欠損金の繰越しの不適用等の規定から除
外されることがあります。(法令113の2)
2.クレジットカードによる納税 : 地方税の納税方法
地方税の納税がコンビニエンスストアでできるようになり、便利になったなと思っていたところですがさ
らに地方自治法の改正により、税金等のクレジットカード会社による代理納付が可能になりました。
地域によっては、既にカード払いによる納付が始まっているところもあるようです。
納付することにはかわりはないのですが、うっかりした滞納、が減るのかもしれません。
3.滞納税金の差押と公売
国税庁が、インターネットによる公売を Yahoo 官公庁オークションサイトで行いました。
参加申込は 5 月 30 日まででした。公売とは、滞納となった税金を徴収するために納税者の差押財産を
強制的に売却する制度で、実際の公売会場において行うのではなく、インターネットを利用して行うこと
により買受けしやすくし、参加者をふやそうということのようです。
なかには絵画、宝石等にまじって、「化石」「ズボン」などというものもあり、差し押さえのときにどんな
やりとりがあったのか少し不思議な気がします。
以上です。