武尊山水源の森自然林調査第13報 ~ブナ林・ダケカンバ林・オオシラビソ林の動植物調査~ 群馬県立尾瀬高等学校 理科部 1 はじめに 私たちの身近なフィールドの一つである、 群馬県企業局が所有する武尊山「水源の森」の 自然環境を明らにする事を目的に平成11年から主 に動植物を対象にした、自然環境調査を通年行って いる。 今回の発表では平成23年度の結果を中心に報告し たいと思う。 2 武尊山水源の森 http://www.biol.tsukuba.ac.jp/~alga e/FS/kumaizasa/index.html クマイザサ チシマザサ 3 黄色で囲まれている範囲が「武尊山水源の森」の敷地、赤い線が登山道を示している。 登山道沿いの下層植生として、チシマザサやクマイザサが多く分布している。 オオシラビソ林 ダケカンバ林 ブナ林 「武尊山企業局水源の森」は、標高に応じ、オオシラビソ林・ダ ケカンバ林・ブナ林と主に3つの林分に分けることができる。 4 4 捕獲ワナを使った小型哺乳類調査結果① 頭 91 100 80 H17-23 合計捕獲個体数 64 60 40 79 アカネズミ ヒメネズミ 44 43 28 29 10 20 51 52 60 22 19 17 0 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 年度 年ごとに、捕獲されたアカネズミ、 ヒメネズミの個体数に差異が見られる。 5 捕獲ワナを使った小型哺乳類調査結果② アカネズミ、ヒメネズミ以外の捕獲個体数 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 トガリネズミ 1 1 スミスネズミ 1 ハタネズミ 1 ヒメヒミズ 1 2 3 ヒミズ 1 1 アカネズミとヒメネズミ以外の捕獲個体数を表している。 今年度の調査中に初めて「スミスネズミ」が確認された。 6 録音機調査(野鳥) 結果 H20~H23 34種類 H23 26種類 アカゲラ クロジ ジュウイチ アカハラ コガラ センダイムシクイ ミソサザイ ウグイス コゲラ ツツドリ ウソ ゴジュウカラ ハシブトガラス メボソムシクイ カケス コマドリ ルリビタキ キクイタダキ コルリ キビタキ ヒガラ ホトトギス メジロ ヒヨドリ シジュウカラ フクロウ 上記は、今年度の録音機調査で確認された野鳥 H23 新しく確認できた野鳥 コマドリ、コゲラ、カケス、ヒヨドリ 7 ヤマネの巣箱利用状況調査 結果 ヤマネ ヒメネズミ 鳥類 (カラ類) H19 H20 H21 H22 H23 13 4 12 3 8 6 13 5 0 3 0 1 18 4 0 50個の巣箱を調査した内で、使用されていた巣箱の数を示す。 過去5年間の結果からは、ヤマネの利用が70%を超えていることが 確認できた。 8 ヤマネ個体確認数 個体確認数 H19 H20 H21 H22 H23 ヤマネ 4 4 1 1 13 ヒメネズミ 鳥類 0 0 1 2 1 0 3 0 1 0 (カラ類) 過去5年間の調査期間中、実際に確認した生体数を示す。 平成23年度はヤマネ幼獣が7尾、確認できた! 9 ピットフォールトラップ調査 結果 平成23年度 確認された地表徘徊性昆虫 1 1 .7 オサムシ科 シデムシ 科 ゴ ミ ムシ 科 1 0 .6 7 7 .7 本年度の調査では上記の割合(%)で、地表徘徊性昆虫 10 が確認できた。 H23に確認できたクロカタビロオサムシ (Calosomamaximowiciz) <特徴> • 羽がある • 樹上で生活 • ブナを摂食する昆虫 の幼虫を食べる 今年度、初めて調査中に確認された!! 11 おわりに これからも武尊山「水源の森」で 継続的な調査を続け、地域の豊かな 自然環境を明らかにしていきたい 12
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