第2編 子どもに関する専門的な知識及び技術を要する支援 第1節 児童虐待防止対策の充実 <現状と課題> ○児童虐待相談対応件数(県内児童相談所) 1,358 1,400 1,200 1,000 800 600 400 200 0 839 28 19 19 23 47 61 164 89 148 242 ○児童虐待の種類 355 378 100% 90% 183 299 253 21 20 20 70% 60% 50% 124 258 283 767 ○虐待の対応 100% 80% 599 550 532 531 517 465 509 1,016 308 11 90% 346 671 40% 25 3 90 28 6 82 39 4 98 48 11 86 80% 23 70% その他 性的虐待 60% 里親等委託 心理的虐待 50% ネグレクト 40% 身体的虐待 373 32 3 66 施設入所 416 721 651 875 1231 H22 H23 H24 H25 面接指導 30% 20% 30% 189 262 211 324 H22 H23 H24 10% 20% 318 10% 0% H21 0% H25 H21 ○児童虐待の相談対応件数は、平成 2 年に統計を取りはじめて以降、急激に増加 しています。これは、児童虐待の啓発広報や痛ましい事件の報道等によって児 童虐待防止に対する県民意識が高まり、児童虐待が認知されるようになってき たことが背景にあると考えられています。 ○児童虐待の種類では、身体的虐待の割合が減少する半面、心理的虐待の割合が 増えている状況があります。これは、平成 25 年度に国の指針が改正され、虐 待を受けた児童のきょうだいも心理的虐待として対応するようになったこと や面前DVが心理的虐待として通報されることが多くなっていること等が要 因として考えられます。 ○児童虐待への対応は、面接指導が約 90%となっており、相談対応ケースの多 くが中軽度の虐待となっています。このため、市町村要保護児童対策地域協議 会を中心に地域の関係機関が連携し、特定妊婦から要保護児童に至るまでのケ ースに対して切れ目なく支援できる体制を充実させることが大きな課題です。 ○また、社会的養護が必要な子どもにおいては、できる限り家庭的な養育環境の 中で、特定の大人との継続的で安定した愛着関係の下で心身及び社会性の適切 な発達を促す養育が受けられる社会資源を整備することが必要です。 30 <施策の方向性> ○発生予防、早期発見・早期対応、子どもの保護及び支援、保護者への指導及び 支援等の各段階で切れ目のない支援を総合的に行います。 ○福祉、保健、医療、教育、警察等の関係機関が連携し、情報を共有して地域全 体で子どもを守る体制を充実します。 ○児童相談所の人員体制及び専門性の向上を図り、体制を強化します。 ○児童相談所と市町村その他関係機関との適切な役割分担及び連携を図ります。 ○市町村要保護児童対策地域協議会の機能強化や効果的運営を支援します。 ○里親及び養子縁組の制度等の周知を図り、家庭養護を積極的に支援します。 ○児童虐待により死亡事例等の重大事件について検証を行い、再発防止のための 措置を講じます。 31
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