総合診療科・感染症科

山梨県立中央病院総合診療科・
山梨県立中央病院総合診療科・感染症科 後期研修プログラム
後期研修プログラム
そもそも【
そもそも【山梨県】
山梨県】
・意外に東京に近い(新宿まで車で最短 1 時間ちょっと!)
・大学、自治体病院、民間病院が結束しつつある(特に総合診療領域)
・暑くて、寒い
・住みやすい
・夏にはグラム陰性双球菌様果物(桃、ともいう)、グラム陽性球菌 cluster 様果
物(ブドウ、ともいう)がたくさん食べられます。
そもそも【
そもそも【山梨県立中央病院】
山梨県立中央病院】
・山梨県随一の基幹病院
・山梨県唯一の救命救急センターを持ち、ドクターヘリ、ドクターカーを運用
・自治体病院なのに、働きにくさ、硬さを感じない柔軟性
・自治体病院なのに、国内でも先進的なゲノムセンター(英語論文多数)
・自治体病院なのに、医師海外留学資金貸与制度(無利子:県の制度)
・自治体病院なのに、学閥がない
・自治体病院なのに、黒字
そして【
そして【山梨県立中央病院 総合診療・
総合診療・感染症科】
感染症科】
・2015 年 4 月新設
・人が足りない
・でも患者はいっぱいくる
・外来/救急初期診療→入院加療→外来と、一貫した診療を行っている
・感染症専門診療も行っている
・将来的には ER とドッキングさせたい
・当然エビデンス重視。ただエビデンスだけで人を治せない。ハートが大事。
・亀田総合病院の総合診療科みたいにしたい。
・外に出なければ、視野が広がらない。国内外研修、研修会参加を積極推奨!
・仕事はメリハリが大事。休みをしっかり取ることを指導医自ら実践。
【プログラム紹介
プログラム紹介】
紹介】
「総合診療」
総合診療」とはなんでしょう?現在総合診療科は日本各地で林立していますが、
そのポリシーや立ち位置は病院によって異なります。中には各専門科医師を多数並べ
「総合診療」を謳っているところもあるようです。
糖尿病、高脂血症、脳梗塞後遺症、うつ病、肺気腫を持っている患者さんがいるとし
ましょう。この患者さんから見れば、上記の「総合診療」では対応できないことは明ら
かです。この患者さんが例えば市中肺炎を起こしたら?だれが肺炎を治療しながら、上
記複数の疾患をマネージメントするのでしょうか。みなさんは、できますか?
また高齢者が抗菌薬不応性発熱を起こしたとします。みなさんは適切に問診と身体所
見をしっかり取り、鑑別診断を挙げ、必要な検査をオーダーし、解釈できますか?
あるいは高齢独居の患者さんが急性腎不全で入院し、治療はしたけれど、その患者さ
んが今後どこでどのような生活を送るのかしっかり想像し、準備できますか?
最近は EBM に基づいた医療を求められています。皆さんは正しく EBM を使えます
か?その「根拠」は目の前の患者に適合しますか?
まず正
まず正しく診断
しく診断しましょう
診断しましょう。
しましょう。次にエビデンスをよく学
にエビデンスをよく学びましょう。
びましょう。必ずしもエビデン
ス通りにいかないのが臨床
りにいかないのが臨床です
臨床です。
です。エビデンスを学
エビデンスを学んだら、
んだら、その情報
その情報が
情報が目の前の患者にそ
患者にそ
のまま適応
のまま適応してよいのか
適応してよいのか考
してよいのか考えましょう。
えましょう。そのままでだめならどう応用
そのままでだめならどう応用したらいいのか
応用したらいいのか考
したらいいのか考
えましょう。
えましょう。患者さんが
患者さんが早
さんが早くよくなるように手
くよくなるように手を尽くしましょう。
くしましょう。そして
そして患者さんが
患者さんが自
さんが自
宅に帰った後
った後の生活を
生活を想像できるようになりましょう
想像できるようになりましょう。
できるようになりましょう。
私たち総合診療医は、このような複数疾患を抱えた患者さんの外来、入院に幅広く対
応する能力を持ちます。感染症診療に重点を置き、日本のどこに行っても活躍できる医
師を育てます。
総合診療科は
総合診療科は研修医教育の
研修医教育の拠点である
拠点である
総合診療科は、問診、診察、科学的根拠に基づいた論理的思考という最も内科医師
として必要な知識と技術を総動員する場所です。医学生、研修医にとって、多数の
common な疾患に対応する総合診療科での研修は、上記技術を磨くよい場所となります。
これは内科系後期研修医にとっても同じです。
一方で総合診療医は「器用貧乏」になりがちです。専門科の方々に教えてもらい
ながら、診療
診療の
診療の深みを増
みを増していくための努力
していくための努力が
努力が極めて重要
めて重要です
重要です。
です。
幅広い
幅広い診療範囲
外来では初診患者を主に担当します。肺炎、腎盂腎炎、蜂窩織炎、糖尿病性高血糖、
亜急性甲状腺炎、バセドウ病、低 Na 血症、血球減少症、好酸球増多症、うっ血性心不
全、失神、めまい、頭痛患者、うつ病、パニック障害、PMR、RS3PE、虫刺症、帯状
疱疹、リンパ節腫脹、HIV/AIDS など書ききれないほど多様な患者が来院します。時に
は専門医の力を借りながら、診断と治療を行っていきます。また予約外来では慢性疾患
管理も行います。
入院では、電解質異常、AKI、脱水、インスリン導入などに加え、とにかくたくさ
んの感染症症例を経験します。他科から感染症に関するコンサルテーションを受けるこ
とが多く、ここで研修をすれば大抵の感染症に適切に対応できるようになるでしょう。
☆指導医は固形がんの治療も得意としています。これからの内科医はがん患者の治療、
疼痛緩和、その後どうマネージしていくかも知る必要があります。
☆「Travel Medicine」は旅行者の健康維持、感染症対策、予防策に関する領域です。
今後渡航外来を開設したいと思っています。
プログラム年数
プログラム年数
1 年毎
得られる資格
られる資格
日本内科学会 総合内科専門医
指導体制
副部長 三河貴裕
日本内科学会総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医、
International Society of Travel Medicine; Certificate of Travel Medicine、日本救急医
学会認定 ICLS コースディレクター、アメリカ心臓協会(AHA)BLS、ACLS、PALS
インストラクター
研修目標
Common Disease+感染症診療に秀でた、日本国内どこに行っても通用する医師と
なる。
研修プログラム
研修プログラム概要
プログラム概要
現時点では、後期研修プログラムは 1 年毎更新です。年度初め、2 か月おきに指導医
と面接を行い、自分の現在の立ち位置と今後の方向性について忌憚なく話し合います。
総合診療科 6 か月-8 か月を基本とし、残りの期間は各専門科に相談の上ローテ
ートできます。1 年毎に自分のプログラムを見直し、自分の行いたい専門領域が見つか
れば各専門プログラムに移行し、総合診療を深めたい場合には引き続き研修を継続しま
す。
研修プログラム
研修プログラム詳細
プログラム詳細
外来:
外来:週 2 回の外来を持ちます。5-10 人/日程度の初診患者は他院からの紹介患者も
含みます。20-30 分程度しっかりと時間をかけて、問診、診察、診断に必要な検査をオ
ーダーします。Common problems に数多く対応することが大事です。たくさんの患者
を診ることで初めて、知識は身に付き、応用も効きます。教科書を読むだけでは、絶対
に成長しません。予約患者については前日までにしっかり予習し、対応します。
たとえば初診患者では、めまい、3 か月続く背部痛、2 週間治らない咳、2 週間続く
発熱、頸部リンパ節腫脹、気分が落ち込む、4 週間治らない下痢、全身が痛い、足のむ
くみ、胸がチクチクする、突然発汗する、CRP が高いと他院で言われた、健診結果異
常、血小板が低い、腫瘍マーカーが高値であった、関節が痛い、血圧が高い、のどが渇
いてしょうがない、体重減少などなど。
入院:
入院:現在は主科 5 人、併診患者 10 人くらいを診ています。患者数は多くありません
が、だからこそその患者の持つ医学的プロブレムをすべて列挙し、一つ一つ丁寧にアセ
スメントを行います。今行っている対応がどのような根拠(エビデンス)に基づいてい
るのか、確認しながら根拠のある診療を行います。必ず初期研修医がローテーションし
ているので、後期研修医は「教える」という最上の勉強を毎日行うこととなります。
院内発熱、菌血症、ショック、食欲不振などの様々なプロブレムについてコンサル
トを受けます。さまざまな科に入院している患者さんを診させていただくことで、間接
的にたくさんの疾患を経験することとなります。内科では診ることがまれな、NICU 症
例、小児、産科患者の相談を受けることもあります。
疾患としては、主科として電解質異常、肺炎、腎盂腎炎、蜂窩織炎、丹毒、インス
リン導入、原因不明の DIC、無菌性髄膜炎、ギランバレー症候群疑い、失神精査、感
染性関節炎、化膿性椎体炎、急性腎不全など。
コンサルテーションとしては、ブドウ球菌菌血症、腹腔内膿瘍、SSI、熱傷患者の
発熱、食欲低下、低活動性譫妄、NICU・小児感染症、原因不明の低アルブミン血症、
滑膜肉腫、クロストリジウム腸炎など。
救急:
救急:日中の内科救急患者に対応します。夜間二次救急では忙しすぎて不十分になりが
ちな初期対応を、上級医と一緒に対応し学んでいきます。夜間二次救急にも対応します。
山梨県は救急輪番制をとっていますが、当院はその核です。当番日にはたくさんの救急
患者が来院します。救急で見た患者さんをそのまま入院でも担当し、外来でフォローす
ることが可能です。
学会参加:
学会参加:できる限り学会へ参加し発表を行います。主には日本内科学会、日本感染症
学会、プライマリケア連合学会がその場となります。学会で発表したら、論文化します。
邦文でもよいので必ず「形」にしていきましょう。
週間スケジュール
週間スケジュール
7:00
月
火
水
木
回診
回診
回診
回診
感染症
7:30
MKSAP
9:00-
外来/病棟
ー
予備日
Journal club
外来/病
全体回診
研修医レクチャ
レクチャー
8:00
金
外来/病棟
外来/病棟
外来/病棟
棟
救急カンフ
15:00
ァ
DOTS 回
16:00
診
18:00~
外来予習
外来予習
外来予習
外来予習
カルテ回診
カルテ回診
カルテ回診
カルテ回診
申し送り
回診:
回診:初期研修医と後期研修医で朝のうちに回診し、一日の方針を話し合います。
後期研修医はチーム患者をすべて把握し、初期研修医に適切な教育を行います。
全体回診:
全体回診:指導医とともに回診します。
感染症レクチャー
感染症レクチャー:
レクチャー:毎週研修医向けの感染症レクチャーを行っています。
研修医レクチャー
研修医レクチャー:
レクチャー:初期研修医が自主開催しているレクチャーです。
MKSAP:
MKSAP:米国内科専門医試験問題を解きます。Internal Medicine, Cardiology,
Rheumatology など様々なカテゴリーがあります(英語)
Journal club:
club:英語論文の批判的吟味を行います。
救急カンファ
救急カンファ:
カンファ:救命救急科とカンファレンスを行います。コンサルトや興味深い患
者さんの情報を共有します。
DOTS 回診:呼吸器内科が行っている結核患者レビューに参加させていただきます。
外来予習:
外来予習:翌日の外来がある場合、先に上級医と予習をしておきます。漏れなく効
率的に外来を行うことができます。
☆甲府共立病院総合診療科と 2 か月に 1 回、総合診療カンファを行います。
☆IDATEN(日本感染症教育研究会)の case conference などに積極的に参加して
いただきます。
☆これからの内科医は、がん患者も診られなければならないと思っています。今の
ところ症例はいませんが、そのうち化学療法、疼痛緩和治療もできればと思っています。
☆渡航医学(Travel Medicine)は、たくさんの人が海外に赴任したり旅行したりす
る現代では伸びていく分野だと思っています。2016 年度には「
「渡航外来」
渡航外来」を開きたい
と考えています。
☆当院には非常に強力な救命救急センターがあります。救命救急科とタッグを組ん
で、今後数年間
今後数年間で
今後数年間で ER(
ER(1-2 次救急)
次救急)と総合診療(
総合診療(入院・
入院・外来)、
外来)、感染症
)、感染症の
感染症の 3 本を柱と
した体制
した体制を
たいと思っています。
っています。2 次救急当番日(かなりの症例が来ます!)に入
体制を整えたいと思
り、患者を診、自分たちで入院させ、退院後外来でフォローするという一貫した診療を
目指しています。当直は増えますが、明け休みを保証します。
☆患者さんから学ぶことはとても多いです。真摯に患者さんに相対しましょう。同
時に院内では学べないこともたくさんあります。外
外に出てたくさんの人
てたくさんの人と交流したり
交流したり、
したり、
医学と
医学と関係ないことを
関係ないことを学
ないことを学ぶことも、
ぶことも、奨励します
奨励します。
します。
勤務時間
月~金 土日は拘束体制。休む日はしっかり休むことをモットーとしています。
医師が疲れていれば、performance が落ち、結果的に患者さんを危険にさらします。
当直
月 1-2 回、二次救急当番日当直月 1-2 回
二次救急当番日当直翌日は休み