予想(移行係数0.1)より少なかったお米の汚染 99.6% が100Bq以下

チームむかご主催
料理家 枝元なほみ対談イベント
グリーンオイルプロジェクト
3・11から3年目・見えてきた成果と課題
代表 稲葉 光國
広がる風評被害で
地産地消が危機に
原発から150km離れた当会の有機種子採種圃場も一瞬にして汚染された。
セシウム 994Bq/kg
ヨウ素1860Bq (表土3cm採取)
栃木県のセシウムによる農耕地汚染状況 (Bq//kg:表土15cm採取 )
那須町水田 685 那須塩原市水田 1,826 大田原市水田
日光市水田 1,037 矢板市水田 1,128 那須烏山市水田
宇都宮市水田 115 鹿沼市水田 246 佐野市水田
栃木市水田 102 小山市水田
218 上三川町水田
真岡市水田 126 高根沢町水田
292
NPO法人 民間稲作研究所付属農場
16年間農薬・化学肥料を使わず、田植後も除草に
入らず、病害虫の被害を受けなかった有機水田。
746
182
49
275
河川水を利用している水田や吹溜り水田で
セシウム濃度の高くなるケースが発生した。
Bq/kg
2000
2012,3,10
2013,2,10
1800
1600
1400
1200
1000
800
600
400
200
用
水
箒川
箒川
地下水
地下水
三杉川
地下水
姿川
思川
那須疎水
那須疎水
鬼怒川支流
荒川
荒川
蟇沼用水
荒川
荒川
鬼怒川
鬼怒川
荒川
田川
田川
地下水
地下水
地下水
地下水
地下水
地下水
那須疎水
地下水
那須疎水
地下水
那須疎水
0
高濃度汚染地帯から低濃度汚染地帯へセシウムが移動し、平準化が進んでくる。
条間をあけ赤カビ・うどん粉病対策
2011,3・11以降は
○種子採種圃場は2回
代かきで除染しながら有
機種子の生産を継続。
○乾田はイネ‐麦‐大
豆の2年3作からイネ-
なたね-大豆の2年3作
に転換
なたね
麦類(大豆の根粒菌で窒素供給)
○畑は「麦-大豆」から
「なたね-大豆-ひまわ
り」の2年3作に転換
○グリーンオイルプロ
ジェクトを立ち上げ、植
物油の搾油工房を新設。 大豆(中耕2回で雑草防除)
被災農家の経営支援と
植物油の自給率向上を
めざして活動を開始。
ヒマワリ
大豆跡は窒素肥料は必要ない
水田雑草もあまり発生しない
大豆跡のイネ
100Bq以下をめざした田んぼの除染試験
2012年 南相馬市原町区大谷での除染試験
南相馬市 T氏の代かき水田の調査結果(2012,7,4採取 単位Bq/kg)
核 種
排水した溝の土
代かき除染水田
土壌
玄米
無処理水田2
無処理水
田1の土壌 土壌
玄米
Cs137
3440
1950
20.27
3970
3221
30.7
Cs134
2540
1430
12.56
2860
1709
55.1
Cs合計
5980
3380
32.83
6830
4930
86.0
用
水
路
水田の2回代かき抑草法を兼ねた
放射性セシウムの除染法
②
①河川からのセシウムの流入防止。水口に
ビオトープを兼ねた沈殿池を設置しモミガも
入れ吸着させ、流入を防止する。(腐植に吸
着されているので上水を入れる)
①
③
②代かき除染の方法。田んぼの中に蓄積し
たセシウムや雑草の種子・球根を表層に移
動させるために熔リン・グアノ・マグマリンの
散布を行い深耕する。⇒水深10㎝で代かき
しセシウムや雑草の種子を表層に移動させ、
泥水状態で下の田んぼに流す。⇒ ③代か
き水を沈澱させ下の田んぼには表面水を入
れる。
④最終排水は泥水を避け、澄んだ水のみと
する。(セシウム検査を行って排水する )
⑤田植前の2回目代かきも水深10cmで行
い同様の除染を行って浮いた雑草を流す。
⑥収穫後にモミガラを回収し、モミガラ燻炭
装置で炭化・灰化を行いセシウムを回収す
る。
④
セ1
回
シ
目
ウ代
ムか
移き
後
動の
表面水(白濁)
1.1Bq
表層(0~1cm)
494.5Bq
中層(1~3cm)
1012.1Bq
下層(3~6cm)
682.3Bq
最下層(6~9cm)
429.2Bq
土壌2618.1Bq/332g→1111.5Bqへ
200
150
代かき除染でCs濃度は大幅に低下(栃木県上三川町)
246Bq/kg(H23,3)⇒172(H24、4)⇒110(H25,4)
100
50
年
平 Bq/㎏
成
25
24
平
成
年
代かき後のセシウムの層別濃度
表面水(白濁)
1.1Bq
表層(0~1cm) 494.5Bq
中層(1~3cm) 1012.1Bq
下層(3~6cm) 682.3Bq
最下層(6~9cm)
429.2Bq
代かき水を流す沈殿溝
モミガラを入れてセシ
ウムを吸着させ、収穫
後に回収して籾殻燻炭
製造器で炭化・灰化し
濃縮回収し保管する。
水
平成25年度の除染事業(栃木県)
農
道
入水口にビオトープを兼ねた沈殿池を設置、もみ殻に吸着さ
せてセシウムの流入を防止。排水口にも沈殿池を設け、もみ
幹線用水
がらを入れて吸着させ、浄化された水を排水する。
排水路に設置したモミガラ10袋
200m×0.7mの自家専用排水路
代かき水はここに流し込み、沈殿・
吸着させてから排水する。
沈殿池にモミガラ18袋設置。沈殿槽
として設置。本田には表面水を使用。
4月20日1回目代かき除染の予定
5月20日2回目代かき予定
水田の代かき除染と
「なたね-イネ」の2毛作によるダブル除染
イネ
(6月下旬代かき
除染~10月)
なたね
(10月~6月)
3月入排水溝設置
雑草・収穫残
渣・もみがら
回収除染
(10月)
油脂作物による畑の除染と安全な食・エネルギーの地産地消
6月
7
8
9
ひまわり
10
11
12
1
2
3
4
なたね
ひまわり
大豆
ひまわり収穫・搾油
なたね収穫・搾油
5
大豆収穫・搾油
10aあたり150,000円の粗収益、5ha規模で経営が成り立つ植物油の生産
里山の下
草・落葉・
間伐材
火力発電所を兼
ねたごみ焼却場
で焼却回収。
田畑の作
物の茎・葉・
雑草などは
乾燥し梱
包。
籾殻燻炭製造
器で濃縮・回
収
コ
ー
ル
ド
搾
油
液
肥
・
醤
油
製
造
焼却灰の溶
融・スラグ化
一酸化炭
素ガス回収
セシウムをモミ
ガラで吸着除去
醤油精製
レ飛
ッ灰
トの
ペ
発電機駆動
アミノ酸液肥
瓶詰め
福島原発へ
電力の地産地消
で脱原発
エネルギー創
造型有機農場
調理・販売
大豆油1700円 ひまわり油1000円 なたね油1000円/270g
廃食油でジーゼル
発電・トラクター稼動
ひまわりのセシウム移行係数は生育段階によって異な
る。油脂作物の茎葉や雑草の回収は9月と12月が最適
NPO法人 民間稲作研究所
播種 4月27日 開花期 7月10日
採取 8月29日(成熟期) 南相馬市原町区
花頭282.5Bq
(735Bq/kg)
葉 131.6Bq
(1189Bq/kg)
茎90.4Bq
(213Bq/kg)
子実289Bq/kg
ヒマワリ油
検出なし
油粕656Bq/kg
作付け跡土壌
2590Bq/kg
農水省他7独立行政法人と11大
学、6県の農業試験場、1財団法
人、3民間企業が協力して実施」
播種 5月27日 開花期 8月5日
採取日 8月5日(開花期) 飯館村二枚橋
地上部
52Bq/kg
非作付け土壌
根 5.4Bq
(122Bq/kg)
4090Bq/kg
根
148Bq/kg
移行係数
移行係数
福島県
飯館村
試験栽
培土壌
7715
Bq/kg
504/4090=0.123
52/7715=0.0067
畜産草地研究所 0.161(9月5日収穫
なたねの移行係数は茎葉で0.14、子実0.1
(2012年7月 栃木・上三川有機圃場)
ひまわり(春・夏)⇒なたね(冬・春)⇒大豆(夏)の輪作が最適
移行係数(栃木県上三川町)
茎・葉⇒50Bq/354Bq=0.14
子実 ⇒ 40Bq/354Bq=0.11
油脂作物のなかでもっとも低い大豆の移行係数
50Bq/983Bq=0.05
風評被害で販売できない大豆の搾油粕は肥料・醤油の原料に
大豆と土壌の放射能汚染の相関
y = 18.028x + 82.132 R2 = 0.6451
土壌の放射能汚染Bq/kg
栃木県
1100
1000
900
800
700
600
500
400
300
200
100
0
0.0
10.0
20.0
30.0
40.0
大豆の放射能汚染Bq/kg
50.0
60.0
雑草のセシウム移行係数
2011年8月 南相馬市原町区高での調査
カヤツリグサ
メヒシバ
ミゾソバ
ヨモギ
イボクサ ※
0.40
0.26
0.14
0.10
0.19
調査機関
NPO法人 民間稲作研究所
※茨城県石岡市 西村水田 常総生協測定
9月(ひまわり・雑草)、12月(大豆・雑草)の茎葉回収作業
汎用コンバインによるひまわりの収穫作業
ひまわり残渣と雑草の回収
集草機で大豆の収穫残渣を回収作業
ロールベーラー大豆残渣を回収
畑の除染と油脂作物の栽培手順
大豆
(7月~11月)
雑草・収穫残
渣回収除染
なたね
(3月)
(10月~6月)
雑草・収穫残
渣回収除染
(9月)
ひまわり
(5月~8月)
予想以上だった植物除染効果
「なたね⇒大豆⇒ひまわり」の輪作畑のセシウム
濃度の推移 約240Bq/㎏ ⇒110Bq/㎏へ
試験区
北-3
大豆茎葉
回収区
大豆茎葉
放置区
生土
Cs137 Cs134
69.2
45.1
水分
Cs合計
114.3
測定値g
69.1/200
%
34.5
北-2
59.6
39.5
99.1
67.6/200
33.8
北-1
61.1
37.8
98.9
64.6/200
32.3
2点平均
60.35
38.65
99.0
南-1
67.9
43.4
111.3
66.5/200
33.2
南-2
60.8
39.2
100.0
66.3/200
33.1
南-3
68.7
43.6
112.3
67.8/200
33.9
2点平均
64.35
41.30
105.65
30.5
33.4
植物油にセシウムは移行しない(5訂増補日本食品分析表より)
植物油にカリウムは含まれないので同族体のセシウムも移行吸収しない
食品名
エ
ネ
ル
ギ
―
水
分
た
ん
ぱ
く
g
kca
l
脂
質
炭
水
化
物
g
g
無機質
灰
分
g
g
mg
ナ
ト
リ
ウ
ム
カ
リ
ウ
ム
カ
ル
シ
ュ
ム
マ
グ
ネ
シ
ウ
ム
リ
ン
ビタミン
鉄
亜
鉛
銅
マ A
ン
ガ μ
ン g
E
k
B
12
㎎
μ
g
μ
g
コ
レ
ス
テ
ロ
ー
ル
大豆油
921
0
0
1
0
0
0
0
0
T
r
0
0
0
0
0
0
0
0
1
1
4
2
1
0
0
1
ひまわ
り油
921
0
0
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
4
2
1
1
0
0
なたね
油
921
0
0
1
0
0
0
0
0
T
r
T
r
0
T
r
0
0
0
0
0
4
8
1
2
0
0
2
オリー
ブ油
921
0
0
1
0
0
0
0
T
r
0
T
r
0
0
0
0
0
0
3
8
0
9
4
2
0
0
有塩バ
ター
743
1
6.
2
0.
1
8
1.
0
0.
1
2.
0
1
5
0
2
8
1
0
2.
0
1
1
0.
1
0.
1
T
r
―
1
1
5
0
2
1
7
0.
1
2
1
0
注
Tr(トレース)は含まれているが最小記載量に達していないことを示す。
輸入油脂作物はポストハーベスト農薬・遺伝子組
4%以下になってしまった 油脂類の自給率の推移
み換え農産物が多く、しかも溶剤で抽出されるの
油脂類
植物油脂
自給率の向上をめざそう。 でトランス脂肪酸が含まれるケースが多い。
50
45
40
食用油(植
物・動物合
計)の自給率
自給率(%)
35
30
25
20
15
10
植物油の
自給率
5
0 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005
1 3 35 5 S 74 09 11
S
S 4135 15 S175 019 21S 5235 25 S276 29
0 31H 33
2 35H 37
7 39H41
1 243 45
H 1477
年度
酸化防止のため焙煎をしないコールド製法で
大豆・ひまわり・なたね油を搾油・精製し低温保管
で酸
搾化
油を
し防
、ぐ
室た
温め
1に
7焙
度煎
でを
保し
存な
しい
てコ
いー
まル
すド
。製
法
スクリュー式搾油機
不良品や廃食油
でデイーゼル発電
機を稼動し、搾油
機を動かしていま
す。1ℓの廃油で約
5ℓのナタネ油が絞
れます。発電経費
は25円/1kwh
ナタネ油・ヒマワリ油・大豆油
お米1㎏と油3本を購入していただければ
51㎡の田畑の除染ができます。
白米1kg、油1
本に必要な原料
原料1㎏生
産するのに
必要な面積
除染面積
田畑の
除染面積
お米
(1㎏)
1㎏÷0.9=
1111g
1000㎡
÷420㎏
=2.4㎡
1.111㎏
×2.4㎡=
2.6㎡
2.6㎡
ひまわり
(270g)
270g÷0.2
5=1080g
1000㎡
÷90㎏
=11.1㎡
1.08㎏×
11.1=
12㎡
6.7
なたね
(270g)
270g÷0.2
7=1000g
1000㎡
÷150㎏
=6.7㎡
1.0㎏×6. ~
7㎡=
30㎡
6.7㎡
大豆
(270g)
270g÷0.0
6=4500g
1000㎡ 4.5㎏×6.
÷150㎏= 7㎡=
6.7㎡
30㎡
茎・葉及び雑草・搾油残渣の処理
膨大な残渣量 (kg/10a)
作物
大
豆
子実部
茎葉部 残渣総量
180kg×90%=162kg
180kg
342kg
なたね
200kg×70%=210kg
300kg
510kg
ひまわり
100kg×60%=60kg
200kg
260kg
子実部:100Bqを超えるものはメタン発酵槽
へ投入、メタンを回収、消化液からセシウムを
取り出し、液肥として活用。
100Bq以下のものは直接肥料・飼料に。
50Bq以下の大豆粕は醤油の原料に活用
茎葉及び雑草:500℃以下で炭化・灰化を行
い、温水ボイラーとして活用しながらセシウム
を濃縮・保管する。発生する一酸化炭素はガ
ス発電等に活用
もみがら燻炭製造機で炭化・灰化。専
用バックで保管。
マイクロセシウム回収装置兼エネルギー活用装置
セシウム回収・温湯ボイラー・排ガス充填装置
炭化装置
温湯ボイラー
酢液・ター
ル回収装置
1800
ガ
ス
充
填
装
置
ガス貯
留ボンベ
ガ
ス
発
電
機
燃
料
投
入
装
置
燃料搬送コンベア
用途別小型ボンベ
2700
3トン車で運搬可能な小型セシウム回収装置