委員会活動報告 今さら聞けないGE豆知識 診療報酬制度とジェネリック

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2015 年(平成 27 年)9 月 89 号
今さら聞けないGE豆知識
委員会活動報告
診療報酬制度とジェネリック医薬品
ご存知のように6月 30 日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針 2015」
(いわゆる骨太の方針)において、
「後発医薬品に係る数量シェアの目標値については、
2017 年央に 70%以上とするとともに、2018 年度から 2020 年度末までの間のなるべ
く早い時期に 80%以上とする。2017 年央において、その時点の進 評価を踏まえて、
80%以上の目標の達成時期を具体的に決定する。」とされました。このため、80% 達成
に向けた診療報酬制度・調剤報酬制度面からの使用促進策の中医協での議論も今後活
発になると想定されますので、今月の「今さら聞けないGE豆知識」では、現在の後発
医薬品関連の診療報酬制度について触れてみたいと思います。
診療報酬制度におけるGE使用促進策
1. 後発医薬品使用体制加算1及び2(平成 22 年度新設/平成 24 年度改定)
病院・有床診療所において、後発医薬品の採用品目数(※)が施設全体の全採 用医薬の 30% 以上又は 20% 以上の場合、出来高算定している入院患者の入院料 の入院初日に限り加算することが出来ます。
※採用品目数とは、当該保険医療機関において使用することを決定し、購入又は備蓄し
ている医薬品の薬価基準上の品目数
後発医薬品の採用品目数
全ての医薬品の採用品目数
【後発医薬品使用体制加算】
( 入院初日に限り算定)
後発医薬品の
採用品目数の割合
加算1
加算2
30% 以上 35 点
20% 以上 28 点
この加算は包括外の算定患者に限られていることと、病院では、薬剤部門が後発医
薬品の情報を収集・評価し、薬事審議会等で採用決定、有床診療所では、薬剤部門ま
たは薬剤師が後発医薬品の情報を収集・評価し、採用決定していることが施設基準と
して規定されており、また届出には後発医薬品及び後発医薬品以外の採用品目のリス
トの提出が必要です。
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50 周年特別企画GE 豆知識
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2.一般名処方加算 (平成 24 年度新設)
後発医薬品が存在する医薬品について、薬価基準に収載されている銘柄名に代えて、一般的名
称による処方せんを交付した場合に、処方せん料に一般名処方加算として2点を加算できます。
【一般名処方加算】
(処方せんの交付1回につき)
2点
交付した処方せんに後発医薬品のある先発医薬品及び先発医薬品に準じたもの(準先発品
(※)
)について一般名処方されたものが1品目でも含まれていれば算定できますが、後発医薬品
の存在しない漢方、後発医薬品のみ存在する薬剤等を一般名処方しただけでは算定できません。
※準先発品:昭和 42 年以前に承認・薬価収載された医薬品(薬事法にからみ、先発医薬品/後
発医薬品の区分が無い)のうち、価格差のある後発医薬品があるもの
一般名処方加算の対象となるすべての成分・規格についての、処方せんに記載する一般名処
方の標準的な記載は、一般名処方マスタに示されています。
処方せんに記載する一般名処方の標準的な記載(一般名処方マスタ)について
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/shohosen_140305.html
3.後発医薬品指数 (平成 26 年度新設)
DPC対象病院の包括評価である医療機関別係数の中の機能評価係数Ⅱにおいて、平成
26 年度より、新たに従来の評価指数(6指数)に「後発医薬品指数」が加わり、7指数で評価さ
れるようになりました。
後発医薬品指数の対象となる薬剤の範囲は、ヒアリング調査等に基づき、各医療機関の
入院医療で使用される全薬剤(包括部分+出来高部分(※)
)とされており、現在は「後
発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」の目標値である 60% を評価上限とし
て、連続値で評価されています。
※出来高部分:DPC包括対象外となる退院時処方、手術中に使用される薬剤等
前年 10 月から翌年9月までに退院した患者が使用した後発医薬品の数量割合をもとに、各医
療機関毎に「指数」を算出し、
変換処理を行って包括範囲の報酬を規定する「係数」を算出します。
各医療機関の機能評価係数Ⅱは官報にて告示されます。
現在の機能評価係数Ⅱの内訳(医療機関別)
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000044021.pdf
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(参考)DPCと評価係数
DPCは診断群分類と呼ばれ、DPCを用いた1日当たりの包括支払制度を、DPC/PDPS
と呼んでいます。診療行為ごとの点数をもとに計算する「出来高払い方式」とは異なり、DPC/
PDPSでは、入院期間中に治療した疾病の中で最も医療資源を投入した一疾患を基本に、厚
生労働省が定めた1日当たりの定額の点数で診療報酬点数が計算され、各医療機関はその点数
に医療機関別係数をかけて算定します。
この医療機関別係数は現在、基礎係数、機能評価係数Ⅰ、機能評価係数Ⅱ、暫定調整係数の4
つから成り立っております。
基礎係数
:医療機関群別に、医療機関の基本的な診療機能を評価したもの
医療機関群Ⅰ群:大学病院(本院)
医療機関群Ⅱ群:大学病院本院に準じる病院
医療機関群Ⅲ群:Ⅰ群・Ⅱ群以外の病院
機能評価係数Ⅰ :包括範囲における「入院基本料の差額」
、
「入院基本料等加算」等を評価したもの
機能評価係数Ⅱ :DPC/PDPS参加による医療提供体制全体としての効率改善等へのインセン
ティブ(医療機関が担うべき役割や機能に対するインセンティブ)を評価したもの
1)保険診療係数 2)効率性係数 3)複雑性係数 4)カバー率係数
5)救急医療係数 6)地域医療係数 7)後発医薬品係数
各係数はそれぞれ独立した概念で設定されており、項目間相互で評価の軽重を設定することが困
難であることから、各係数項目の評価に割り当てる報酬額(財源)は等分されています。
暫定調整係数:従来の調整係数の段階的廃止過程において暫定的に算定される係数で、2018
年には完全に機能評価係数Ⅱに置き換えられます。
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