Honda R&D Co.,Ltd.Automobile R&D Center Daijiro Terashima 株式

The practical use example of the human body model in sheet feeling development
シートフィーリング開発における人体モデルの活用事例
Honda R&D Co.,Ltd.Automobile R&D Center
Daijiro Terashima
株式会社 本田技術研究所 四輪 R&D センター
寺島大二郎
Abstract / アブストラクト
【背景】
これまでシートフィーリングの開発は、社内エキスパートの官能評価に頼ってきた。評価
には実機シートが必要で、図面だけではフィーリングの性能評価が困難であり開発効率
は良いものではなかった。また、シート設計者はエキスパートの評価に頼らざるを得ない
ことからシート設計者であるにも関わらず、フィーリング性能を主体的にコントロールする
ことが困難な状態であった。
【目的】
① シートフィーリングの開発効率向上
② シート設計者におけるフィーリング性能の主体的なコントロール
【目標】
① 実機シートレス フィーリング開発の基盤構築
エキスパートの静的な体感をシミュレーション上で再現可能なシートモデル、人体モデ
ルを構築する。
② フィーリング性能の可視化
設計者が主体的に性能をコントロール出来るようになる為、エキスパートの体感と①
で構築したモデルのシミュレーション結果を紐づけする。
【内容】
① シートモデルにおいては、PAD、表皮は実機物性を用い、HP、シート Assy の荷重たわ
み特性が実機と同等であることを確認することで、モデルの確からしさを証明した。人
体モデルにおいてはエキスパートと同等形状、同等物性のモデルを構築し、着座時の
体圧分布や人体の姿勢形状が実機と同等になっていることを確認することで、構築し
た人体モデルの確からしさを証明した。
② 着座状態のシートにおける内部応力、移動量等を可視化し、それらとエキスパートの
官能評価とを紐づけすることで、体感を可視化することができ、フィーリング目標を達
成できる仕様が具現化しやすくなり、設計者が主体的に性能をコントロールすることに
貢献することが出来た。