かがくのひろば(65) 小・中学生に わかるDNAの話

えんき
藤原
む
という4つの塩基が結びついて互いのひもを
かがくのひろば(65)
つないでいます。図の A − T、G − C
伸興
が塩
基で、DNA の二重らせんをつないでいて、
小・中学生に
つながる塩基の組み合わせはこの2とおりし
わかるDNAの話
かありません。
にくがん
さて、この DNA 分子は当然肉眼でも普通
かんてい
けんびきょう
い で ん し く み か え
DNA 鑑定、ゲノム、遺伝子組換え・・・。
ざっし
しんぶんしじょう
ぶんれつ
の顕微鏡でも見えませんが、細胞が分裂して
せんしょくたい
増えるときに染 色 体となって現れます。染
最近、テレビ・雑誌・新聞紙上でもこのよう
ふつう
色体なら顕微鏡で見えます。
なことばがごく普通に使われるようになって
さいぼうぶんれつ
れんぞく
きました。今月号から2回連続でやさしい
細 胞 分 裂の
DNA の話をしてみようと思います。
ときに見える
せんしょくたい
染 色 体(細
まず、DNA って何?どこにあるの?です。
かくさん
ぼう
りゃくご
い棒状のも
DNA とは「デオキシリボ核酸」の略語で、
ごうせい
の、ネギの根)
生物の体を作るたんぱく質の合成や、体のさ
とくちょう
いでん
の細胞
まざまなはたらきや特 徴を伝えていく、遺伝
かんけい
ぶっしつ
ぶんし
に関係する物質(分子)です。そしてそれは
さいぼう
かく
染色体はヒトの場合 46 本あって、それぞ
生物の細胞の核の中にたくさんあります。
ひじょう
DNA の分子は非常に細くて長いものです。
れの細胞の核に同じものが含まれています。
太さ(細さ)は 0.000002mm (1mm の 50 万分
細長い DNA 分子はヒストンというタンパク
の一)ですが、長さは一つの細胞の中に入っ
質に何重にも巻きついてそれが糸のようにな
ている DNA 分子すべてをつなぎ合わせると
っています。これをクレマチンせんいと呼ん
ばあい
でいます。細胞分裂の時、このクレマチンせ
ヒトの場合は約 2m になります。
んいは、らせん状に巻いたりたたみこまれて
DNA は、図のよ
と う
1 本の染色体を作ります。つまり、染色体は
うに糖 (デオキシ
さん
DNA そのものということになります。
リボース)とリン酸
はな
こうご
目や鼻の形、
が交互につらなっ
けつえきがた
ほそなが
血液型、その他
た細長い分子で、
にじゅう
さ ま ざ ま な
二重のひものよう
じょうほう
ま
らせんを巻いている長
いひもが糖とリン酸の
結合部分
にらせんを巻いて
情 報が DNA に
います。そのひも
よって伝えられ
にアデニン (A)、
ていきます。そ
の中心になるの
チミン(T)、シトシ
えんき
が DNA 上の4つの塩基 (A,T,C,G と略され
ン(C)、グアニン(G)
るもの)です。(以下来月号に続く)
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