2015/9/15 地理学の多様な展開 地理学の多様な展開 ・ 「自然地理学」として大発展 「自然地理学」 ・ケッペンの気候地域区分 … 「地表システム区分」,「自然地域区分」研究の到達点 ・地形 地形の分類と地域区分研究も同時発展 地形 ★20世紀初頭 … 地理学の危機と方法論論争 ・自然地理学の専門分化 … 地形学,気候学 孤立荘宅 ・近代工業の発展 ⇒ 景観の人為改変が巨大化 ⇒ 地理学の人文現象への拡張をめぐる議論 ⇒「地理学」の独自性をめぐる3つの議論 ・環境論 … 自然と人間の関係を主軸に ・景観論 … 自然地理学が自然景観を扱うのと 同様の姿勢で「人為景観」・「文化景観」を扱う ・地域論 … 地理学の本質は「地域性」を科学的 に言い当てること。 文化景観 への注目 ・その後の革新は,もっぱら景観論 の流れから生まれた ・景観形態学 ⇒ 集落地理学,都 市地理学 ・景観発生学 ⇒ 歴史地理学 ・機能主義景観学 ⇒ 経済地理学, 社会地理学 ★文化景観学としての地理学= 「人文地理学」が誕生 ・人為の景観にも,自然景観に向けるのと同様の科学的視線 を向けられることに気づき,「文化景観学 文化景観学としての 文化景観学としての地理学 としての地理学」を 地理学 主唱したのが,Otto Schlüter。 ・彼はその好例 好例として集落形態 集落形態に着目。 地租役人の仕事 好例 集落形態 を通して既に同様の調査を行っていた Meitzenの研究に 援用して,「集落地理学」,「歴史地理学」として大成。 南ウェールズ,Penbrokeshire付近の孤立荘宅とブロック耕地 2015/9/15 ドイツの塊村 ドイツの塊村 (チュービンゲン南方) ・耕地は,集落の向こう側,手前の左側・右側 に三分され(三圃式),これらはさらに細かい 耕区(Gewan)に分割されている。 ・1筆の耕地は,犂耕の便から,250mを標準と する細長い地条耕地をなす。 ・11〜12世紀に成立。 -ingen, -heim の地 名で呼ばれることが 多い。 ・近代化とともに,農業経営も個 人化の趨勢となり,制約の多い 三圃式は崩れつつある。 ・画面上に連なる定高性の稜線 は見事なケスタ地形。 ← Gewann耕地 Gewann耕地 の利用システム ↓Gewann耕地 Gewann耕地の 耕地の集落形態 ブルターニュ地方 の集落 ・中央の細長い集落には教会 中央の細長い集落には教会の 教会の尖塔がみえ,これは「 尖塔がみえ,これは「ブール がみえ,これは「ブール」と呼ばれ ブール」と呼ばれ 街村で,この付近の本村的役割を果たす。 で,この付近の本村的役割を果たす。 る街村 ・環状をなす集落は 環状をなす集落は開拓村 をなす集落は開拓村。屋敷林に囲まれた集落内の畑では麦類を 開拓村。屋敷林に囲まれた集落内の畑では麦類を 中心とする輪作と野菜が栽培される。集落外は放牧地や荒地が広がる。 ・この研究は,地理学の人文的展開= 「人文地理学」の起点の1つに。 ・「文化景観」学の展開 文化景観」学の展開 景観形態学・ 形態学・分類学 景観 形態学・ 分類学 ⇒ 景観生態学(自然との関係) ⇒ 景観発生学(歴史的由来) = 歴史地理学 経済地理学, 社会地理学 ⇒ 機能主義景観学 ⇒ 経済地 理学, 社会地 理学 ⇒ 集落地理学 ⇒ 村落地理学,都市地理学 ・「集落」と「耕地」の形態の起源 と地域性に関する研究は,草創 期の日本の高等教育に人文地 理学の主要な研究テーマとして 導入され,各地の特徴的な集落 が盛んに研究されることに。 ・法律家の両親の家に生まれ,戦乱で 多くの肉親を失いながら,人文学として 人文学として の地理学を追及。31歳,集落発生史研 の地理学 究で,ベルリン大学から学位取得。 ・地表の最も顕著な「文化景観」として 集落と耕地に着目。現地踏査と歴史・ 考古資料を駆使して形成史を実証。多 くの集落地図や歴史地図を作成。 August Meitzen (1822~1910) ・プロシアの農地整備の官僚として,集落や 耕地の形態と成立史の知識を深める。 ・1881年,ドイツ地理学会で集落形態の地域 性に関する発表を行い,文化景観学の実践 者として,ベルリン大学の名誉教授に就任。 Otto Schlüter (1872~1959) ・Meitzenによる集落・耕地形態と民族 の単純な対応関係の不十分さを実証。
© Copyright 2024 ExpyDoc