旺文社『螢雪時代』2015年4月号掲載記事

科大学卒業、大阪大学薬学研究
科博士課程修了・薬学博士。兵
庫教育大学教授・副学長を経て
2009年より現職。専門は疫学・
健康教育学。著書に『世界の薬
物乱用防止教育」、「学校で取り
組む薬物乱用防止教育』。所属
大きく広がる
薬学部出身者の役割
薬剤師の役割が変わりつつあります。高度医
学会は、日本薬学会、日本学校
療に対応して、これまで以上に病院での仕事に
高い専門性が求められるようになっています。
一方、セルフ・メデイケーションの考え方のも
保健学会、日本アルコール・薬
とで、人々に身近になった「くすり」について丁
物学会。大学基準協会副会長、
文部科学省薬学系人材養成の在
寧に説明する薬剤師の役割が大きくなりました。
り方検討委員会委員など。
それに加えて特に重要になってくるのは、在宅
医療の分野です。これまでの在宅医療に医師や
看護師、ヘルパーやケアマネジャーといった専
門職はいましたが、薬剤師の姿はほとんどあり
ませんでした。しかし、超高齢社会を迎えた日
本では、在宅で治療する患者さんが増え、在宅
での薬の使い方の指導や管理がとても重要にな
っています。薬の専門知識をもった薬剤師の役
割はより一層大きくなっていくでしょう。
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岐阜薬科大学
学長勝野員吾
広がる薬剤師と薬系人材のフィールド・高度医療、在宅医療、
医薬品研究開発や行政など幅広い分野で社会貢献
(かつのしんご)
1944年愛知県生まれ。岐阜薬
ブール、教室や給食室の衛生管理を行う学校
薬剤師も重要です。また、2012年から中学校
では「くすりの教育」が始まりました。学校薬剤
師は薬の使い方についての教育のほか、薬物乱
用防止活動なども行います。災害時にトイレが
使えない場合の消毒や環境物質による汚染の防
止などの環境衛生・公衆衛生も薬剤師の活躍の
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場です。
薬剤師としての仕事のほかにも、製薬会社や
大学で薬の研究や開発を行うのも薬学部卒業者
の重要な進路です。最近「危険ドラッグ」が問題
になっていますが、麻薬取締官の多くは薬学部
出身者です。
薬学部というと薬剤師という職業がすぐに連
想されると思いますが、実際にはもっと幅広い
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薬学部の
魅力って何?
インタビュー・文/宮津齢也(本濫)