(1) レクチン分子の新機能・新用途の探索に関する研究

1.研究
(1) レクチン分子の新機能・新用途の探索に関する研究
その5: レクチンの抗ウイルス活性評価
これまで抗インフルエンザウィルス活性を有するレクチン 4種類を確認していることを報告し
ている。 これらのレクチンについて、下記の観点から継続して検討を進めている。
1) レクチンの作用点解析
本年度はより詳細な作用点解析を実施する予定であったが、他の試験を優先したため、新た
に報告すべき進捗はない。
2) レクチン予防/治療効果の検討 :LEC1010(G)並びに LEC1011 についてウィルス感染後に
レクチンを腹腔内投与することによる「治療効果」を検討した。その結果は次の通り。
(1)感染に伴うマウス体重減少を抑制することが示唆された
(2)感染に伴うマウス生存率の低下を抑制することが示唆された
(3)感染に伴う体毛の逆立ちが感染対照群に比して軽微であった
3) 他のウィルス種への適応拡大 :新たにアデノウィルス(AdV)、呼吸器感染症ウィルス(RSV)、
ネコカリシウィルス(FCV:ノロウィルス近縁種)について評価した。
(1)本試験では AdV 及び FCV に対して抗ウィルス活性を示すレクチン種は同定されなかった
が、RSV に対しては、有効性を示すレクチン計 6 種(LEC2007, 2008, 2015, 0017, 1007,
0037)が同定された。
(付記) 昨年、農研機構および A-ステップへ本研究について共同で研究費申請を行ったが、
いずれも不採択となった。
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