What`s Intelligence 知性とは何か

実践編
後期- 5
What’s Intelligence
知性とは何か
マーキング例と意味
解
説
●do well in school(学校
次の英文を読んで、あとの問いに答えなさい。
でうまくやる)とは「学校
When we talk about intelligence, we do
でよい成績をとる」という
~のとき 私たちが 話をする
こと。
知性について
私たちは
not mean the ability to get a good score on a
意味しない
能力を
よいスコアを得る
certain kind of test, or even the ability to do
●far more important は
うまく
「もっとずっと重要な」の
well in school; these are at best only
意味。比較級を強めるとき
やる
は very で な く far や
ある種のテストで
または能力ですらある
学校で
これらは
~だ
せいぜい
ただの
indicators of something larger, deeper, and
指針
より大きいものの
much がよく使われる。
深いものの そして
far more important. By intelligence we
もっとずっと重要なものの
知性によって
私たちは
mean a style of life, a way of behaving in
意味する 生活のスタイルを
ふるまう方法を
● in new, strange, and
perplexing situations の
various situations, and particularly in new,
前に a way of behaving が
いろいろな状況で
省略されている。正確な読
そして特に
新しい
strange, and perplexing situations. The
未知の
そして当惑する状況で
true test of intelligence is not how much we
本当のテストは 知性の
(は)~でない
どのくらい
私たちが
know how to do, but how we behave when
知っているか
方法を
でなく どのように 私たちが ふるまうか ~のとき
解のためにはこうした省
略を的確に見抜き補って
考えることが大切。
● young or old は 前 に
we don’t know what to do.
whether he is が省略され
私たちが 知らない 何をしたらいいか
ている。
The intelligent person, young or old,
知性がある人物は
若くても年配でも
meeting a new situation or problem, opens
新しい状況や問題に出会い
himself up to
彼自身を
開く
it; he tries to take in with
①
それに対して 彼は 取り入れようとする
mind and senses everything he can about it;
精神と感覚で
すべてを
彼が できる それについて
he thinks about it, instead of about himself
彼は
考える それについて ~の代わりに
彼自身について
~1~
●with mind and senses
(精神と感覚で)が take
in ( 取 り 入 れ る ) と
everything(すべてを)の
間に挿入された形。
or what it might cause to happen to him; he
または こと・どんな? それが原因で起こる
deals
with
取り組む
it
boldly,
それに
大胆に
彼に 彼は
imaginatively,
想像的に
resourcefully, and if not confidently at least
機転をもって
そして もし自信がないにしても 少なくとも
hopefully; if he fails to master it, he looks
希望をもって もし彼が
征服しそこなえば
それを
彼は
●… cause A to happen
で「A が起こるようにす
る」の意味。ここでは A
が what(こと)になって
前に出た形。
●without shame or fear
without shame or fear at his mistakes and
(恥も恐れもなく)が
恥も恐れもなく
looks at ~(~を見る)の
見る
彼の誤りを
そして
learns what he can from them. This is
学ぶ
ことを・どんな 彼が できる
それらから
これが ~だ
intelligence. Clearly its roots lie in a certain
知性
あきらかに その根は 横たわる ある感情の
feeling about life, and one’s self with respect
中に
人生の
そして 自分自身に
人生に関わる
looks と at の間に挿入さ
れた形。
●is not の補語が何かし
っかりつかむこと。what
to life. Just as clearly, unintelligence is not
most psychologists seem
同じようにあきらかに 知性的でないとは
to suppose(ほとんどの心
~でない
what most psychologists seem to suppose,
こと・どんな? ほとんどの心理学者が
想定するようにみえる
the same thing as intelligence only less of
同じもの
②
it.
③
知性と
ただそれがより少ない
It is an entirely different style of
それは~だ
理学者が想定するような
もの)と、the same thing
as intelligence only less
of it(ただ知性が少ないと
いうだけの知性)の2つ。
まったく異なった行動スタイル
behavior, arising out of an entirely different
生じる
まったく異なった一連の態度から
set of attitudes.
④
●コンマのあとの~ing 形
(arising)に注目。この
Years of watching and comparing bright
ようにコンマのあとの~
りこうな
ing 形は□(四角)でくく
children and the not-bright, or less bright,
って意味どりする。(直読
何年も
子どもと
見て比べる
りこうでない子どもを
またはりこうさが少ない
have shown that they are very different
(は)示してきた
~を
彼らが~だ
とても異なった
kinds of people. The bright child is curious
種類の人々
りこうな子どもは
好奇心がある
about life and reality, eager to get in touch
人生と現実に
それを 一体化する
それと
There is no wall, no barrier between him
ある ない壁が
ない障害が
彼と人生の間に
and life. The dull child is far less curious,
鈍い子どもは
ずっと好奇心が少ない
~2~
●Years of … less bright
の部分は have shown ま
できた段階で初めて主語
とわかるが、マーキングに
接触をもちたがる
with it, embrace it, unite himself with it.
それと 抱きしめる
直解コーチ・前期 15 参照)
こだわらないで左のよう
にとりあえずのカッコで
処理して直読直解をする
とよい。
far less interested in what goes on and what
●far less curious(ずっと
ずっと関心が少ない
より好奇心が少ない)、far
ことに・どんな
起こる
is real, more inclined to live in
ことに・どんな
⑤worlds of
より住みたがる
現実のことに
fantasy.
The
bright
幻想の世界に
child
likes
りこうな子どもは
to
実験するのが
experiment, to try things out. He lives by
好きだ
物事を試すのが好きだ
less interested(ずっとよ
り関心が少ない)の far は
比較級を強めて「ずっと」
の意味。
彼は 生きる
the rule that there is more than one way to
●more than ~ は厳密
規則によって どんな?
には「~より多い」の意味。
~がある
ひとつ以上の方法が
skin a cat. If he can’t do something one way,
策を講じる
もし 彼が できない あることを
ひとつの方法で
he’ll try another. The dull child is usually
彼は
試す もうひとつを
鈍い子どもは
ためすのを普通
「~以上」だと「~」も含
めることになるので、この
場合は適さないので注意。
afraid to try at all. It takes a good deal of
訳文を作るときはその点
こわがる
を考慮して「方法はひとつ
とにかく それは 必要だ
urging to get
強制が
かなりの量の
him to try even once; if that
⑥
彼にさせる
たとえ一度でも試すことを
もし
その
try fails, he is through.
試みが失敗すれば
彼はうんざりする
ではない」などとするとよ
い。
(出典)John Holt : How Children Fail
(出題)北大、大阪女大、青山学院大、大阪工大、横浜市大、大妻女大、鶴見大、玉川大、立
命館大、早大、明治学院大、東北大、津田塾大、関西大
<設問>
(1) 下線部①がさすものを英語で答えよ。
a new situation or problem
(2) 下線部②がさすものを英語(1語)で答えよ。
intelligence
(3) 下線部③がさすものを英語(1語)で答えよ。
unintelligence
(4) 下線部④を日本語にせよ。
(
何年もの間、りこうな子どもと、りこうでない、あるいはりこ
うさが少ない子どもを見て比べてわかったことは、彼らがとて
も異なった種類の人々だということです。
~3~
)
(5) 下線部⑤と対照的な意味で使われている英語(3語)を文中から選んで答えよ。
life and reality
(6) 下線部⑥がさすものを英語(3語)で答えよ。
the dull child
<全文訳>
私たちが知性について話をするとき、ある
にその根は人生のある感情の中に、そして人
種のテストでよい得点を取る能力、あるいは
生に関わる自分自身の中に横たわります。同
学校でよい成績を取る能力ですら、私たちは
様にあきらかなことは、知性的でないとは、
意味しません。これらはより大きい、より深
ほとんどの心理学者が想定するようにみえる
い、そしてもっとずっと重要なものの、せい
もの、つまり知性がただより少ないものと同
ぜいただの指針でしかありません。知性によ
じものではありません。それはまったく異な
って私たちは生活スタイルや、いろいろな状
った行動スタイルです。まったく異なった一
況でのふるまい方、特に新しい未知の当惑す
連の態度から生じます。
る状況でのふるまい方を意味します。知性の
何年もの間、りこうな子どもと、りこうで
本当のテストは私たちが方法をどのくらい知
ない、あるいはりこうさが少ない子どもを見
っているかではなく、私たちが何をしたらい
て比べてわかったことは、彼らがとても異な
いかわからないとき、どのようにふるまうか
った種類の人々だということです。りこうな
なのです。
子どもは人生と現実に好奇心があり、接触を
知性がある人物は若くても年配でも、新し
もちたがり、抱きしめたがり、一体化したが
い状況や問題に出会うと、それに対して自分
ります。彼と人生の間には壁や障害がありま
自身を開きます。彼はそれについて取り入れ
せん。鈍い子どもはずっと好奇心が少なくて、
ることができるすべてのことを、精神と感覚
起こることや、現実のことにずっと関心が少
で取り入れようとします。彼はそれについて
なくて、幻想の世界により住みたがります。
考えます。彼自身やそれが原因で彼自身に起
りこうな子どもは実験したり、物事を試すの
こることについて考えることはしません。彼
が好きです。彼は策を講じる方法はひとつで
は大胆に、想像的に、機転をもって、そして
はないという規則によって生きています。鈍
もし自信がないにしても少なくとも希望をも
い子どもはとにかくやってみることを普通こ
ってそれに取り組みます。もし彼がそれを征
わがります。彼にたとえ一度でもやらせるこ
服しそこなえば、彼は恥も恐れもなく自分の
とはかなりの強制が必要です。もしその試み
誤りを見つめ、それらから学ぶことができる
が失敗すれば、彼はうんざりするのです。
ことを学びます。これが知性です。あきらか
~4~