遠洋まぐろ延縄漁業の将来展望に係る中間取りまとめの概要 ■1 まえがき ●H19年度は当面対策を中心に検討項目の抽出、優先課題の選定を行い、 ●H19年度は当面対策を中心に検討項目の抽出 優先課題の選定を行い 必要に応じて情報収集や調査団の派遣等を実施 ●当面対策ではインパクトのある一定のOUTPUTを提示できたものもあるが、 燃油価格の高騰で検討の前提条件の変更が必要となったものもある ●H20年度には各個別検討チームの連携も視野に入れ、次世代型遠洋まぐろ 各個 検 連携も 遠 漁船基本モデル例や操業の見直しによる中長期経営改善モデル例の提示を 目指して検討を深化 【償却前経常利益】 現状(H18年度) 8百万 直近 △8百万円 当面対策後 10~20百万円 根本対策後 40百万円 ■2 遠洋まぐろ延縄漁業の社会的役割と存立基盤 ●燃油価格は予想を上回って上昇、高位水準継続の懸念 ●メバチ・キハダの国内価格は低価格傾向が継続 ●生産量を伸ばしてきたまぐろまき網は国際機関等による保存管理措置により 一定の歯止め ●現在3,500トン程の国内の養殖まぐろ生産は今後数年で倍以上に増加の可能 性がある一方 海外の畜養まぐろ生産は頭打ち傾向 性がある一方、海外の畜養まぐろ生産は頭打ち傾向 ●健康志向や狂牛病・鳥インフルエンザを背景として刺身まぐろは国際商材とし て需要が増加 ●脂物以外の国内価格上昇は期待薄であるが、輸出による価格向上及び国内 マーケットに対する刺激を期待 ●食糧供給、雇用機会提供、地域経済への貢献等の社会的役割を果たすため に遠洋まぐろ延縄漁業経営の存続が最優先課題 ●刺身まぐろは国内では安定した需要 国外では需要は増加傾向であり また ●刺身まぐろは国内では安定した需要、国外では需要は増加傾向であり、また、 外的要因を形成していた海外まぐろ畜養やまぐろまき網の状況を考えると、 超低温まぐろの特性を生かした市場への供給力が遠洋まぐろ延縄漁業存立 の基盤 ■3 遠洋まぐろ延縄漁業経営改善のための当面対策 ●コスト削減 ・燃料コスト削減については、往復航だけでなく操業中の機関回転数の抑制、 冷凍機等適正運転、船体軽量化等が必要であるが、とりわけ陸上(船主)と 洋上(船頭・機関長)との連携が重要 ・漁具等の資材の共同発注により10%程度のコスト削減は可能 漁具等の資材の共同発注により10%程度のコスト削減は可能 在庫管理で無駄な発注を排除するとともに必要な場合には入札も活用 ・課題はあるものの外地ドックの活用を検討、食料等の安価な入手 ●漁船のリニューアル対策 ・平均船齢は16~17年となっているが新規代船は困難な経営状況 ・10年間は安心して操業できるリニューアル工事が有効 ・リニューアル工事費の目安は80百万円~100百万円程度 リニ アル工事費の目安は80百万円 100百万円程度 ・リニューアル工事に併せて馬力ダウン改造、プロペラ換装、燃料改質装置等 の導入等が行われれば省エネ効果にも期待 ●まぐろ輸出対策 輸 策 ・米国は生鮮及び冷凍のガス(CO)まぐろのマーケットであるが、刺身需要は 西海岸及び東海岸を中心に着実に伸びており、米国内取扱業者では超低 温まぐろを「いずれはやってくる物」として関心 ・米国マーケットでの取引価格等からみて日本漁船による漁獲物に競争力有り 米国マ ケットでの取引価格等からみて日本漁船による漁獲物に競争力有り ・具体化に向けた準備、次のステップへの行動が重要 ●共同購入対策、共同販売対策、予算の活用 購 策、 販 策、 算 活用 ・漁具資材の他にコストの大きな部分を占める餌料についても当面小グループ での共同購入を試験的に実施することを検討 ・雑魚の共同販売についての問題点等を整理 ・漁船漁業構造改革プロジェクト関連の情報収集、発足した「遠洋まぐろ延縄漁 漁船漁業構造改革プロジ クト関連の情報収集 発足した「遠洋まぐろ延縄漁 業プロジェクト」の改革計画の早期策定を期待 ・低コスト操業実証化のための共同実験船事業に対する短期的、総合的、集 中的な支援の必要性を提言 中 支援 要性を提言 ■4 将来のビジネスモデルの創造について(今後の検討のために) ●漁船 ・操業パターンに応じて3~4億円程度の初期投資で建造可能な次世代遠洋 まぐろ延縄漁船を念頭に置いた低コスト型漁船のモデル例の提示へと検討を 進める。 ・中国の大規模造船所を訪問し、建造コスト、技術力等の情報収集を実施予定 中国の大規模造船所を訪問し 建造コスト 技術力等の情報収集を実施予定 ●漁場・操業形態・根拠地(基地)等 ・海外転籍問題については漁業者主導による具体的な検討が早急に必要 ・漁場毎の操業パターン及び使用漁船タイプについて検討を深化させ、中長期 の経営改善モデル例を提示予定 ●販売先開拓、販売形態等 ●販売先開拓 販売形態等 ・米国への輸出に向けた具体的取り組みの促進 ・生産者及び流通が協力して「生産者の顔が見える」「天然・安心・安全超低温 まぐろ」の新たな国内流通への取り組み ●後継者対策 ・漁船幹部の平均年齢は55~56才に達しており、近々大量の退職者が懸念 ・魅力のある雇用条件の提示が前提。水産高校卒の免状取得条件の緩和 魅力のある雇用条件の提示が前提 水産高校卒の免状取得条件の緩和 ・漁船用海技士免許の新設、漁船員用トレーニングセンターへの支援等 ●その他の手法について(地域漁船リース法人、経営統合等) ・漁業経営の維持・継続を図るため、漁業者が主体となって地域漁船リース法 人を設立(漁業経営と漁船所有の分離) ・漁船リース法人は株式会社を想定し、国の担い手代船取得支援リース事業 を活用し 最大でも10隻程度の規模 地域の支援も期待 運航主体として漁 を活用し、最大でも10隻程度の規模、地域の支援も期待、運航主体として漁 業生産組合による協業化も検討、他の業種のリースも視野に入れて今後課 題の整理等を深化
© Copyright 2024 ExpyDoc