化学物質過敏症 ラテックス手袋やニトリル手袋の製造に使われる化学反応促進剤 は化学物質過敏症を引き起こすことがあります。この手引きは化 学物質過敏症への理解を深めていただくために作成されました。 1. 化学物質過敏症とは何ですか。 IV(4)型過敏症とも呼ばれる化学物質過敏症は、ラテックス手袋お よびニトリル手袋の製造に使われる化学反応促進剤に対する反応 です。ヘルスケア分野の仕事に携わる人々の労働環境に起因する アレルギーに関する 6 年間の調査によれば、労働環境に関連する アレルギーの大半が化学反応促進剤によるものです。 2. 化学反応促進剤とは何ですか。 化学反応促進剤とは手袋の製造過程で使われる添加物です。ラテ ックス手袋およびニトリル手袋の製造に使われています。促進剤 の使用によって、手袋の生産個数を増やし、かつ製品の保存可能 期間を安定させることができます。 幅広く使われている促進剤には、主に 3 つのグループがあります。 · チウラム · ウレタン · チアゾール ドイツの「皮膚病学科情報ネットワーク(Information Network of Departments of Dermatology)」が行った 8 年間の分析によれば、ヘ ルスケア分野の仕事に携わる人々の労働環境に起因する皮膚炎の 症例のうち、19.5%がこれら 3 つのグループの化学反応促進剤によ って引き起こされています。 3. ラテックスが含まれていない手袋を使った場合でも、化学 物質過敏症が続くことはありますか。 はい。化学反応促進剤はラテックス手袋とニトリル手袋の両方の 製造に使われているため、アレルギーが続く恐れがあります。 化学反応促進剤の普及と現在使われている促進剤の量に関する正 確な情報は未だ分かっていません。米国クリーブランド・クリニ ックが行った最近の調査によれば、ラテックス手袋の使用をやめ、 ラテックスが含まれていない手袋を導入した後も、アレルギー反 応の報告数は増加したとの結果が出ました。広く普及している 38 のラテックスおよびニトリル手袋のブランドに関する調査によれ ば、全てのサンプルに最低 1 種類の化学反応促進剤が含まれてお り、75%以上のサンプルに 2 種類以上の促進剤が含まれています。 4. 化学物質過敏症にはどのような症候(徴候)がありますか。 しばしば、化学反応促進剤への反応は即時的ではなく、遅れがあ ります。アレルギー反応の原因となる最初の曝露の 24〜48 時間後 のいずれかの時間帯に反応が出始めます。そうした反応は赤い、 むらのある、あるいはまばらな点状の発疹として手袋をはめた手 に現れます。反応の密度、頻度、期間には個人差があります。 発疹には以下の特徴があります。 · 水分を含む水ぶくれを形成する赤いこぶができる · 熱を帯び、かゆみを感じる · 滲出液が出る、あるいはかさぶたができる · うろこ状の炎症が起こる、皮がむける、肌の表面が厚くなる 手袋の試用はアレルギー反応の可能性を明らかにするための最も 重要な手段です。もし、上記のいずれかの症候が現れた場合、医 師にご相談ください。アレルギー反応の可能性を知るためのパッ チテスト(対象となる物質を薄めて塗った絆創膏、フィルムなどを 肌に貼り、アレルギー反応の有無を確かめる検査)をする場合、関 連する全ての化学反応促進剤をテストするために、ウレタン、チ ウラム、チアゾールを含んだパネル(検査用の布、フィルムなど) を肌に貼る必要があります。 5. 化学物質過敏症が起こる体質であっても、仕事を続けるこ とはできますか。 はい。IV 型化学物質過敏症への最善の対策は化学反応促進物を含 む手袋との接触を減らす、あるいは使用をやめることです。 つまり、化学反応促進物を含まない手袋を選ぶことが IV 型化学物 質過敏症に対処しながら働き続けるための最善の方法です。 詳しくは以下のウェブサイト(Pacewell International)をご覧ください。 www.pacewell.net
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