電子制御システムによる機械安全技術の動向 Dr.W1

国際機械安全関連情報
No.6-25/2006.07/Ky
電子制御システムによる機械安全技術の動向 Dr.W1
電子制御システムの評価は、IEC61508 による安全に関する信頼性の確認が要求される。従来の
有接点の制御方式の信頼性を本規格により定量的に検証し、これにより電子制御システムとの比
較検討を可能とする。
1.制御技術におけるエレクトロニクスの勝利
・PLC 技術の進歩:それにより実現された様々な自動化製造技術
・安全技術の変遷:電気機械式から「知能」をもった電子制御技術へ
・電子制御システムの安全性の評価方法とそれの従来制御技術への適用
2.従来型制御技術の様相(評価対象の設定)
電磁接触器を用いた、3 種類の従来型安全システムを設定。(図1)
A:補助電磁接触器 1 台のシステム
B:補助電磁接触器 2 台の冗長化システム
C:相互インターロックを装備した強制ガイド式補助電磁接触器 2 台のシステム
3.IEC61508 の評価手法
(IEC61508 の「電気・電子・プログラマブル電子安全システムの機能安全」に基づく評価方法)
・リスク分析から SIL の決定
・ハードウェアの信頼性については、「アーキテクチャの制約」と「危険側故障率(PFH)の制限」
・安全システム全体の故障率の定量化(機械分野では、高頻度作動モードを適用)
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4.計算方法
・前述の 3 種の制御構成について、各状態とその間の遷移を、マルコフモデルで表し、解析を実施
・個々の部品の故障率、修復率、機能テスト頻度、安全機能作動要求頻度などのパラメータを現実的
に決定
・安全機能が要求された時点で危険状態に遷移する確率(PFH)を算出。
5.定性的考察の検証
・各制御構成ごとの PFH 計算結果。(下記グラフ)
・安全作動頻度と主電磁接触器の機能テスト頻度の比率が重要なパラメータとなる。
・この比率が 1:100 の条件では、構成 B は、冗長性により構成 A より PFH が 10 倍高く、また
構成 C では、故障検出の機能によりさらに 10 倍高い。これにより、定性的な従来制御
システムの考察が検証される。
6.SIL 等級との関連
・ 上記のPFH値をSIL値に換算して従来制御システムを評価する。
・ 安全作動頻度:機能テスト実施頻度の比率の実際の現場での数値により SIL 値が異なる。
・ 標準的には、上記比率が 5:1∼1:5 ぐらいで、SIL は、1∼2 となる。
・ 自動制御駆動時により、主電磁接触器を開閉しない制御の場合の注意点。
出典:Maschinensicherheit(機械安全)Juni 2002 Die BG
著者:Dr.Karl Wickert 他
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