2015年度 前期 認知症改善事例 デイサービス きぼう 改善への道 • • 地域包括ケアの趣旨を正しく理解し、事業所のあるべき姿・求められている役割を 果たしていかなくてはいけない。 その為には現状の事業所運営では、不十分である為に改善を開始する。 改善前の問題点 • • • • 集団機能訓練で、結果が出ていない。 職員とご利用者様の表情・活力等が無く、暗い感じになっている。 ご利用者の介護状態が悪化している。 事業所内の雰囲気が暗くて悪い。 改善へ着手 • • 平成27年1月より事業所の改善を実施。 職員の意識改革と事業所環境の大幅な改善を実施。 問題点の把握と解決策 問題 解決策 • • • • • 機能訓練する環境が整っていない スケジュール管理が出来ていない テレビが終日ついている 集団機能訓練で成果が出ていない 椅子に座っている姿勢が悪い • • • • • 機能訓練が出来る環境を整備する スケジュール管理を徹底させる テレビを見ない環境をつくる 個別・小集団機能訓練に変更する 椅子に座っている姿勢を良くする • ご利用者様の個別のレベルが把握出来 ていない • ご利用者様ごとの個別レベルを把握す る 解決の着眼点 • • • • • • 日頃、会社での仕事・学校での学習をする時の環境はどうしているか? 会社での仕事・学校での学習などをする場合は、何に気を使うのか? 会社で、一般的に作業効率を上げるにはどのような工夫をしているのか? 一般的に試験勉強の時はどうしているのか? 物事に集中できる環境とは? 固定観念を持っていないか? 改善前の風景 平成26年12月の状態 職員と利用者の表情が暗い。 機能訓練時に前向きに「やりたい」という表情ではなく「強制されている」との表情になっている。 テレビが常についている。 椅子に座っている姿勢が悪い。 改善実施条件 • • • • • ご家族様・ケアマネージャ様に認知症改善テストに協力頂ける事を事前了解頂いたご利用 者様に対象者を限定する。 認知症改善テストは、成果を保証するものではなく、個人差が大きく出ることを説明を行う。 短期間では成果は出ない為に最低でも半年以上の期間が必要となる。 事前に認知症改善テストの適正範囲を測定する。 個人の主観・感想・経験などは入れない、客観性のみとする。 改善準備 • • • • • • • • • • 機能訓練室を3部屋に分割する。 各部屋にテーブル1つと椅子を4つにする。 職員とご利用者様で最大1テーブル4名にする。 機能訓練に使用する椅子を変える。 テレビは別の部屋に移動させる。 落ち着きのある部屋に模様替えを行う。 職員に個別・小集団機能訓練の趣旨を理解させる。 対象のご利用者様の状態を計測する。 卓上機能訓練時間を1時間と決める。 自然(太陽)の明るさを多く取り入れる。 改善実施 • • • • • • • 小学生1年~6年生の国語(読み・書き・文章作成など) 小学生1年~4年生の算数(計算・文章問題など) 保育園・幼稚園の園児対象の迷路 図形部品を使用したパズル 植物・動物・食べ物など複雑でない塗り絵の色使い 画像・写真を見ての模写 回想法による会話 観測点 • • • • • • • 所要時間(時間短縮) 色使い(色彩が正しいなど) 指の動き 文章(読解力) 会話の内容(他人への配慮など) 言葉使い 表情 改善実施時の注意点 • • • • • • • • • 安全・安心を最優先で行う 問題の解答は、無理なくできている 回答できないなどが出てきた時は、基準を緩和する(ランクを下げる) ご利用者の目線で対応をする 必要最低限の指示で対応 文章が理解しにくい場合は、他の言葉や方言で分かりやすくする 質問には答える 会話のキャッチボールができる話題にする 職員も問題の回答に参加する 改善後の風景 機能訓練の部屋を3つに分割。 機能訓練時に明るい表情になっている。 平成27年4月の状態 テレビを別の部屋に置く。 椅子を変えて、姿勢が良くなった。 改善の成果 • • • • • • • • • • • 機能訓練は強制ではなく自主的に前向きにできるようになった。 スケジュール管理が確実にできるようになった。 午前中に利用者1人あたり1時間の卓上機能訓練ができるようになった。 1日のテレビ視聴時間が0~15分になりレクリエーションなどが充実した。 職員もご利用者と機能訓練を同時にするようになり同じ目線で対応する事が可能となった。 ご利用者の意欲が向上した。 椅子を座るときの姿勢が良くなった。 徘徊が無くなった。 塗り絵の色使いが正常になった。 「無理」・「出来ない」の言葉が大幅に減った。 他人への気使い・配慮ができるようになった。 今後の取り組み • • • • • • • 取組の初期段階であり、今後のデータ収集と手法がカギを握っている。 対象者の拡大で、更なる課題抽出をしていかなくてはいけない。 実証データの蓄積を中長期的にしていく。 より高度な検証をしていかなくてはいけない。 今後は、大学などの専門機関と協力を検討していかなくてはいけない。 改善を行った場合と行わない場合で、認知症の差が出て来ている。 客観的にどのような条件で、差が出るのか比較・検討・評価をしなくてはいけない。
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