食料問題と環境 6 農薬開発 ネオニコチノイド農薬 蜂群崩壊症候群 (CCD = Colony Collapse Disorder) • 1990年代からヨーロッパ, 北米,日本で見られるミ ツバチの大量死・失踪. • ネオニコチノイド農薬,ウ イルス,ダニ,ストレスな ど,様々な原因が考えら れている. • 決定的な原因はなく,複 合的な作用か? 農薬 種類 防除対象 殺虫剤 害虫 殺菌剤 カビや細菌に よる病気 除草剤 雑草 化学構造による系統分類 有機塩素系,有機リン系,カーバメート系,合成ピレスロイド 系,ネオニコチノイド系など 有機硫黄系,有機銅系,有機塩素系,有機リン系,カーバ メート系,ベンゾイミダゾール系,土壌燻蒸剤など 有機リン系,フェノキシ系,ウレア系,ジフェニルエーテル系, トリアジン系,アミノ酸系など 作用機序による分類では,ACCアーゼ阻害剤,ALS阻害剤, EPSPS阻害剤,光化学系阻害剤など ネオニコチノイド系農薬:世界で近年最も使 用されている(約40%)殺虫剤.浸透性(植 物の各部位へ浸透する)と残留性が高い. 神経毒 有機塩素系 DDT, BHCなど 神経伝達阻害 有機リン系 フェニトロチオン,マラソンなど 神経毒 カーバメート系 合成ピレスロイド系 神経伝達阻害 殺虫剤の変遷 ネオニコチノイド系 イミダクロプリド, アセタミ プリド,ジノフテランなど ネオニコチノイド系農薬 =浸透性農薬(systemic pesticides) • 種子を農薬液に浸けてから播くと,発芽して 成長した植物体の全体に殺虫剤が浸透.→ 後で殺虫剤をまく必要がない. • 日本では,イネの育苗箱,カメムシ防除で散 布.松枯れ病対策のためのカミキリムシ防除 でも空中散布.家庭用も多い. ネオニコチノイド系農薬の環境影響 • The Task Force on Systemic Pesticides (IUCN) • 約800件の査読付き論文のレビュー http://www.tfsp.info/ • ミミズ,ハチ,チョウ,カタツムリ等への深刻な 毒性 → それらを食べる動物 • 土壌および水系への残留 • 生態系全体への長期的な影響の可能性 神経毒 なぜ多くの異なった化学構造や作用機序を もつ系統の農薬が開発されたのか? 有機塩素系 DDT, BHCなど 神経伝達阻害 有機リン系 フェニトロチオン,マラソンなど 神経毒 カーバメート系 合成ピレスロイド系 神経伝達阻害 抵抗性 安全性 選択性 特許 ネオニコチノイド系 イミダクロプリド, アセタミ プリド,ジノフテランなど 斑点米カメムシ問題 • 斑点米カメムシ http://www.pref.miyagi.jp/soshiki/byogai/libkamemusi-top.html • 米の検査規格の見直しを求める会 http://hantenmai.sakura.ne.jp/index.html
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