日本化学物質安全・情報センター

SIDS in HPV programme & CCAP
SIAM 4, 20/05/1996
初期評価プロファイル(SIAP)
フマル酸ジエチル
物 質 名 :2-butenedioic acid(E)-,diethyl ester;Diethyl fumarate
化 学 式 :C 8 H 12 O 4
CAS No.:623-91-6
結論と勧告
魚類に対して中程度の毒性を持つことから環境への有害性の可能性が確認され,また反復投与動物試験の
NOEL が低値であることからヒトへの有害性の可能性が確認されたが,ばく露は低レベルであると考えられ
る。 他の加盟国の更なる情報から反証が示されない限り,本物質は現在のところリスクの可能性が低く,追
加の作業の優先度が低いと考えられる。
結論と勧告を裏付ける理由の概要
ばく露
フマル酸ジエチルは日本では製造されておらず,輸入量もゼロである。しかしながら本物質は TSCA(有
害物質規則法)と EINECS(欧州既存商業化学物質インベントリー)に登録されている。本物質は酸性溶液
中では安定であるが,中性溶液(半減期は 10 日)またはアルカリ性溶液中では不安定であり,
「容易に生分
解される」と考えられる。
環境
環境については,試験結果から様々な NOEC と LC 50 の値が得られた。LC 50 =2.4~5.3mg/L(急性,魚
類),EC 50 =11mg/L(急性,ミジンコ),EC 50 =1.1mg/L(急性,藻類),NOEC≦0.56mg/L(急性,藻類)
,
NOEC=1.8mg/L(長期,ミジンコの生殖)
。藻類への毒性の最小データとして Selenastrum capricornutum
(単細胞緑藻類の 1 種)の急性 NOEC(0.56mg/L)を採用した。評価係数として 100 を適用すると,PNEC
は 0.0056mg/L となる。
ヒトの健康
in vitro染色体異常試験では陽性の結果が得られたが,細菌変異原性試験では陰性の結果が得られた。1 件
の反復投与毒性試験で,臨床徴候,体重,摂餌量,尿検査,血液学的検査,血液化学的検査に影響は認めら
れなかったが,30mg/kg 以上の投与群で前胃粘膜への影響(角質増殖など)が見られた。したがって、NOEL
は 11mg/kg/日と考えられた。1 件の予備的生殖・発生スクリーニング毒性試験で,本物質は最高用量まで親
動物の一般毒性学的所見に関して,また仔動物への影響を含めた生殖・発生評価指標に関して,どのような
影響も示さなかった。
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ヒトの健康については,NOEL は反復投与で 11mg/kg/日,生殖毒性で 100mg/kg/日と推定される。
結論として,本物質の毒性とばく露状況を考慮すると,現在のところ追加の試験は必要ない。
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