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fMRI 輪読会
担当:島田 2015/5/21 (Ch.6, p192-210)
Chapter 6
p.192-
The Coupling of Blood Flow, Metabolism, and Neural Activity
■Sokoloff and colleagues
・安静状態におけるネズミとサルの CMRglu(脳グルコース代謝量)を測定.
⇒異なる皮質・皮質下の領域において相当な変動性を持つことを発見.
■最近の研究
・安静状態における CMRglu(脳グルコース代謝量)と CBF(脳血流[量])の関係の変化は
機能的な結果であると推測
・PET 研究
⇒ヒトの脳領域ごとに CBF-CMRglu Coupling が異なる
・過灌流 Hyperperfusion(CBF が CMRglu を超過)
…扁桃体,大脳基底核,視床,帯状皮質
・低灌流 Hypoperfusion(CBF が CMRglu を下回る)
…背外側前頭前野,頭頂葉など
⇒
脳領域のごとの機能は,代謝と血流の局所的な関係に影響を及ぼす?
The oxygen-glucose index (OGI) 酸素-グルコース指数
・他の研究では,CBF,CMRglu,CMRO2(脳酸素代謝量)の関係についても調べている
・好気的代謝 C6H12O6 + 6O2 = 6CO2 + 6H2O
・脳計測によると安静状態下の OGI はおよそ 5.5:1(酸素:グルコース).
つまり,大部分のグルコースは好気的に代謝されるが,嫌気的代謝も行われているだろう.
補足
通常,嫌気的代謝ののちに好気的代謝が行われる.
・短距離走など,即座にエネルギーが必要になったとき 嫌 気 的 代 謝 (一定時間に大量の ATP 生成)
・長距離のジョギングのような場合は,
好 気 的 代 謝(一定量の栄養素から供給できる ATP 量は多
いが,一定時間に合成できる ATP 量は少ない)
一歩一歩学ぶ生命科学 / 生命科学教育シェアリンググル
ープ(http://physiology1.org/doc/chapter.php?Id=185)
■Fox,Raichele, and their collegues の PET 実験(1980 年代中ごろ)
・CBF,CMRglu,CMRO2 を安静状態および視覚的・体性感覚的刺激下で測定.
⇒
長時間の視覚刺激に晒されたとき,機能的充血を確認
・視覚野において,CBF が 50%,CMRglu が 51%増加(Sokoloff の動物研究と一致)
・しかし,CMRO2 は 5%のみの増加
⇒
なぜ O2 の代謝はグルコース代謝と同様のペースを保たないのだろうか?
・この結果について,基本的な発見については支持された
1
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■Lin, Fox, and colleagues(2010)
ヒトを被験者として,視覚的なチェッカーボードパターンを 4,8,16Hz で明滅して提示(高周波の
ものほど,多くの神経活動が引き起こされる)
Lin…CBF と CMRO2 の間に負の相関があることを発見(MRI によるもの)
CMRO2 … 4Hz のときピーク 8Hz のとき明確に減少,16Hz のとき同様に減少
CBF
……4Hz から 8Hz にかけて上昇
⇒「機能的充血は神経細胞の栄養(代謝)上必要」という Roy and Sherrington の提案に反している
p.195-
CBF, CMRO2, and CMRglu の非関連の説明
・Fox and Raiche の仮説「刺激下で過剰供給されるグルコースはほぼ酸化されず,嫌気的代謝された」
・嫌気的代謝は ATP 生成量が少ないが,化学反応のステップ数が少なく時間がかからない
⇒そのため生成した ATP は,神経活動に応じて即座に使える.
・CBF と(嫌気的代謝で生成される)乳酸生成は強い相関を持つ
・しかし化学量的に見ると,ATP 生成と CMRO2 にも強い相関
⇒ ATP 合成には好気的代謝も嫌気的代謝も用いられ,好気的代謝は神経細胞のエネルギー需要を
満たす?
[これを説明しようとする 3 つの考え]
■①ANLS モデル(Pellerin and Magistretti, 1994)
仮定:局所的な血管を覆うアストロサイト(星状膠細胞)のグルコーストランスポーターを通じて,
血漿グルコースがアストロサイトに入る
・嫌気的代謝……2 つの ATP を合成
・この ATP はグルタミン酸トランスポーターの駆動やグルタミン酸からグルタミンへの変換に使用
・同じく生成される乳酸 2 つは細胞外のスペースに輸送
⇒MRS(MRI 法のひとつで,核磁気共鳴により細胞の代謝活動を調べる)で確認
・アストロサイト(シナプス周辺)は嫌気的代謝
⇔アストロサイト(通常)は好気的代謝?
■②Buxton and Frank (1997)…「CBF の増加が O2 の代謝を非効率化させる」
⇒過程に誤り
■③Malonek and Grinvald
麻酔をかけたラットに特定方向の縞模様の視覚刺激を呈示して,視覚野の神経細胞を観察
…… 賦活した神経細胞による広範な過灌流に対し,限局的に還元ヘモグロビンが増加
⇒酸素を持つ血液の過剰供給は「一輪の乾燥した花のために,花壇全体に水をやるようなもの」
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p.196
■Fox and Raichle によって報告された非関連
⇒代謝需要と関係なく,「酸素を含む血液」が過剰に灌流された結果ではないか?
・ただし,Malonek and Grinvald の実験では CMRglu は測定されていないため,
OGI と神経活動が空間的に合致しているか不明.
・Box6.1 のように,限局的な過灌流は観察されていない.
・一方で,LC-NA 入力の喪失は血管緊張を減少させ,血管収縮ではなく血管拡張をもたらす
Thought Question
血流が「神経活動の周辺で即座に増加する」というよりも「広範囲に増加する」とすれば,fMRI にとっ
て示唆されるものは何か?
■ANLS モデルへの追加意見
近年の研究……海馬のスライスに刺激を与えて神経活動を引き起こすとスライス下の bathing fluid
で,大きな酸素の減少を測定
⇒神経活動に必要なエネルギーは好気的代謝によって満たされていることを示唆
・シナプス電位と活動電位を薬理学的に妨害すると,
酸素の減少が 67%なくなった(酸素が使われなくなった)
⇒神経活動と O2 代謝の関連を示唆.また,O2 の消費は神経活動の持続によって引き起こされうる
・また,嫌気的代謝の産物である乳酸は酸化しないので,神経細胞の代謝需要は好気的代謝を通じて
満たされうる
Functional hyperemia redux 機能的充血の抑制
■安静状態において刺激への反応時,局所血流が一過的に増加するのはなぜか?
あるいは機能的充血が満たす細胞の需要とは何か?
■Roy and Sherrington の仮説……「機能的充血は代謝応答である」
・局所神経活動に基づいて栄養的需要を満たす局所血流の増加をもたらす.
・神経情報処理は大量のエネルギーを消費するため,グルコースや酸素の輸送が必要となる
⇒しかし Fox,Raichele, and their colleagues や Lin, Fox, and colleagues(2010)のように,
神経-血管の応答はマッチしておらず,CMRO2 はほとんど増加しない
⇒最近の研究…活性化した神経細胞のエネルギー需要の変化は好気的代謝を通して満たされるが,機
能的充血による付加的な酸素は必要としない.
⇒で は , 機 能 的 充 血 の 「 機 能 」 と は 何 か ?
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p.197-
■Leither and colleague (2010)
ネズミの前足に電気刺激を与え,CBF・CMRO2・還元ヘモグロビン・神経活動の変化を観察.
※実験群:薬学的に機能的充血を抑制(独立変数)
結果
[統制群]CBF 50%上昇 CBV(脳血液量) 20%上昇 CMRO2 10%上昇 還元ヘモグロビン 15%減少
[実験群]CBF 67%(多いと 85%)減少 CMRO2・神経活動は変化せず
⇒機能的充血は CMRO2 の維持を目的としない
つまり,神経活動の維持のために利用可能な O2 が元々存在するので,CBF を上昇させる必要はない
その他の考察
■Attwell and collegues
「エネルギー需要が足りない」結果のフィードバック(Roy and Sherrington, 1890)によるものでな
く,神経伝達物質を仲介した先行予測型メカニズムによって CBF が制御された
■Leither and collegues……「O2 の過剰供給は安全装置の役割を果たす」
CBF による低酸素状態(神経機能障害や死をもたらす)を防ぐ必要があるため,安全性を確保するマ
ージンの生成のために過剰供給を行う?
■Leither and collegues (2010)と同じ方法で,体性感覚野の細胞体の PO2(酸素分圧)を測定.
⇒
該当する脳領域における細動脈周辺の酸素分圧の勾配は一様でない
・細動脈からの距離によって細胞の PO2 の基準値が異なる(遠いほど低い)
・したがって,機能性充血における酸素の過剰供給は,
細動脈からもっとも遠い細胞体に十分な酸素を供給するために行われる(低酸素状態の防止)
⇒他の研究者も同様の結論
■なぜ,fMRI にとって機能性充血の説明が重要だったのか?
・Leither and collegue (2010)で観察された,限局的な還元ヘモグロビンの減少こそ,
fMRI が測定する生理学的変化である.
・機能性充血が薬理学的に抑制されたとしても,還元ヘモグロビンの目立った増加や減少はない.
⇒したがって,より信頼できる測定要素である
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p.206
Summery
■ヒトの脳内における情報処理の基礎的な要素とは神経細胞である
・神経細胞は 2 つの主要な役割…入力と出力
・イオンチャンネルとイオンポンプ……後者の稼働に ATP が必要
・活性化した神経細胞に送る主要なエネルギー基礎はグルコースと酸素(どちらも ATP の合成に重要)
■これらの基礎は血管のシステムを通じて送られる.
・血管系の主な要素は,動脈,毛細血管,静脈
・神経活動に応じた血管系の変化には,異なる制御方法がある.
・還元ヘモグロビンの局所濃度における変化が,fMRI の基礎となる.
■安静状態において,血流と大脳の代謝は他とよく結びついている.
・刺激は機能的充血を起こすが,グルコースと酸素の代謝率は異なる.
・機能的充血におけるこの非関連は未だに議論が続いているが,神経活動の代謝需要を満たすためで
なく,細胞体の低酸素状態を防ぐ安全装置を反映しているかもしれない.
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Box 6.2
PET Im aging
……Positron emission tomography Imaging,陽電子放射断層撮影法,ポジトロン断層法
p.193-194
① PET の 原 理
Fig.1(A)(B)(C)
生体内の放射線(陽電子が放出するガンマ線)を検出・画像化する技術
イ)放射性同位体を注入
・サイクロトロン Cyclotron を用いて放射性同位体を生成
・トレーサを用いる
トレーサ……陽電子を放出する放射性同位元素(15O,18F,13N,11C)と置換した物質
ロ)注入した放射性同位元素が崩壊
・このとき陽電子を放出し,陽電子は数 mm 付近の電子と衝突して消滅
・消滅する際に電の静止質量に等しい一対のガンマ線を 180°対向する方向に放出する
ハ)このガンマ線を頭部の周囲にリング状に配置したガンマ線検出器で 180°の位置に対向する検出器
で同時に計測されたガンマ線のみを計測することによって,空間分布を計測する
※化合物によって経路が異なるので,自分が調べたいものに応じて放射性同位元素を使い分ける
ex.
15O
……酸素代謝や血流
18F-FOD(フルオロデオキシグルコース)
18F
……脳グルコース消費量(癌の特定など)
……ドーパミンの経路
② PET の 問 題 点
・被曝による健康害
・空間解像度が,用いた放射性同位体によって制限される
・時間解像度が貧弱である
例えば,15O に基づいた血流イメージは 90 秒,18F を用いたグルコース代謝は 30-40 分を要する
⇒使える実験デザインが限られる
③ PET と M RI
MRI や fMRI は PET と比べて様々な利点を持つ.
■MRI
・放射線曝露による累積的な健康害がないので,何度でも受けられる.
・高い SN 比(信号雑音比)の画像は 1 秒かからず,空間解像度は被験者の動きのみによって制限され,
生得的な不確定事項によって制限されない.
■fMRI
・加えて,イベントに関連した実験デザインができる
・機能的なつながりの変化の理解や,試行ごとのデータ分類もできる
■PET……ただし,神経科学的に信頼できないというわけではない.
・グルコースや酸素の消費をイメージング
・fMRI が間接的に代謝を見るのに対し,PET は脳循環代謝動態の絶対量を計測することができる(代
謝を直接見る)
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Box 6.3
神経解剖学の初歩
p.198-206
●中枢神経系(CNS Central nervous system):脳と脊髄
Fig.1 (A)
①二つの「向き」と+α
Dorsal 背側
Superior 上側
Rostral 吻側
Anterior 前側 Posterior 後側
Caudal 尾側
Ventral 腹側
Inferior 下側
・内側と外側……正中線に近いほうが内 側 Medial,遠いほうが外 側 Lateral.
ニューロン
② CNS の 構 成 :主な情報処理……神経細胞(細胞体,樹上突起,軸索突起)
●灰白質
Gray matter
●白質(髄質) White matter
神経細胞の細胞体が集まる領域.主に情報処理.
細胞体に乏しく,軸索突起が集まる領域.主に情報伝導路.
白質の色は髄鞘(ミエリン鞘)の色
ミエリン鞘はオリゴデンドロサイト oligodendrocyte で構成.
○2 種の神経細胞…錐体細胞(長い軸索突起を持つ),星状細胞(局所的な処理に重要?)
③脳の表面
●3 つの膜……(最も外側)硬膜 Dura >(真ん中)クモ膜 Arachnoid >(最も内側)軟膜 Pia
・軟膜……血管が高度に発達し,皮質への供給の源
●脳脊髄液または脳漿 CSF(Cerebrospinal fluid)
:軟膜とクモ膜の間および脳室 Cerebral Ventricle を満たす無色の液体
・脳室中に流れ,一部は血管系に吸収され,一部は硬膜の静脈にある排水系に吸収される.
・脳を守るクッション,CNS の細胞の維持,代謝の浪費を防ぐ役割を持つ.
p.199
④ 正 中 矢 状 面 ( せ い ち ゅ う し じ ょ う め ん ) M idsagittal view …… Fig.2A,2B
CNS の説明に便利
主要な領域は,胚発生の違いによって定義
⑤ 脊 髄 Spinal cord:大後頭孔 Foramen magnum という穴を通って脳と連結
○二つの経路…
・上行性伝道路
体性感覚情報を感覚器から脳に伝える.
・下行性伝道路
運動情報を脳から筋肉に伝える.
○延髄 Medulla oblongata:脊髄の上部と連結
・脊髄と同じく主要な伝道路.
・循環や呼吸運動などを制御し,生命の維持に重要な自律神経の中枢がある.
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⑥ 橋 pons:延髄の上部に連結
・延髄と同様に主要な伝道路で,上行性感覚情報や下行性運動情報が行き交う.
・顔や目の筋肉を動かす多くの神経細胞がある.
⑦ 小 脳 Cellebellum お よ び 後 脳
●小脳……橋の後側(背側)で,分厚い繊維束で橋と連結
・歩行や体位,運動学習,複雑な認知機能の調整
・幕状骨 Tentrium によって後頭頭蓋に分離.
⇒小脳+橋
=後脳 Metencephalon
⇒後脳+延髄 =後脳 Hindbrain
⑧ 中 脳 M idbrain または M esencephalon:橋の吻側で,橋と連結
○赤核 Red Nucleus と黒質 Substantia Nigra を含む細胞核を持つ神経を引き起こす
・黒質はドーパミンを作り,黒質の細胞が減少するとパーキンソン病を発症
・パーキンソン病は振戦(ふるえ)Tremor や運動機能の衰退を引き起こす
○上丘 Superior Colliculi と下丘 Inferior Colliculi……中脳の後側
・上丘は視覚系の一部,下丘は聴覚系の一部
⑨ そ の 他 と 脳 幹 Brain stem
・脳網様体 Reticular formation…中脳,橋,延髄に含まれ,睡眠・覚醒・意識のレベルの制御に重要
・中脳+橋+延髄=脳幹
p.201
⑩ 間 脳 Diencephalon:中脳の吻側に位置
●間脳=視床 Thalamus(視床上部 Epithalamus+視床下部 Hypothalamus)+松果体 Pineal gland
○視床下部……内分泌の制御(特に脳下垂体の制御)
○視床 ……様々な脳領域(感覚・運動・その他)から情報を受け取る.⇒Relay Nuclei
また,それらを統合,処理して特定の脳領域に送る
ex. 視床の外側膝状体 Lateral geniculate nucleus
……目から情報を受け取り,視覚野に送る
cf. 内側膝状体 Medial geniculate nucleus(聴覚),
視床後腹側核外側部 Ventral posterolateral nucleus(体性感覚系),
外側腹側核 Ventral lateral nucleus(運動情報を小脳から運動野へ)
背内側核 Dorsomedial nucleus(扁桃体・視床下部・ほかの視床核から
情報を受け取り,前頭葉に送る)
・間脳の吻側部を終脳 Telencephalon または Forebrain という.
最も大きく,最も複雑で,最も進化的に発達した脳の部分.
○終脳=脳半球や,海馬のような年老いた層の構造,大脳皮質下の扁桃体や大脳基底核のような細胞核
(尾状核,被核,淡蒼球から成る)からなる.
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⑪ 大 脳 皮 質 Cerebrum : 脳 の 最 も 吻 側 の 領 域
・多くのヒトの感覚や情報処理は大脳で行われる.
・連なった細胞のシートが折りたたまれた形をしていて,隆起した部分を脳回 Gyri(単:Gyrus),
陥没した部分を脳溝 Sulci(単:Sulcus)という.脳回を広げると平均 2500cm2 の広さになる.
●大脳新皮質 Cerebral Neocortex:大脳のうち,最も進化的に新しい部分 という
・5mm の厚さ
○6 層構造 LayerⅠ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ,Ⅴ,Ⅵ Fig.3
①第一層……軟膜の表面に最も近く,主に神経細胞の軸索や樹状突起の処理が行われる
②第二層 主に錐体細胞から成る.
③第三層
④第四層……錐体細胞が比較的欠けているが,星状細胞が密に詰まっている
⑤第五層 他の脳領域に軸索を送る巨大な錐体細胞を含み,大脳新皮質の出力担当に見える
⑥第六層
⑫脳地図
皮質層や脳領域によって,厚さや密度,構成する細胞の組成やサイズは異なる
⇒解剖学者らはこれらの違いに基づいて,機能構造を含む脳地図を作成.
代表的なもの ⇒ ブロードマンの脳地図 Boardmann’s areas Fig.4
p.203
⑬ 脳 葉 Lobe:目立つ脳溝を境界として,大脳を解剖学的に区分けした領域のこと.Fig 5. Fig 6.
※脳葉と機能の間に明確な対応関係はない.
●5 つ(6 つ)の区分:前頭葉,頭頂葉,後頭葉,側頭葉,島葉(,辺縁葉)
・半球間で一対の構造になっており,わずかな解剖学的差異が言語能力や空間把握能力といった左右に
分化した機能を基本としている.
○中心溝 Central sulcus
・中心前回…一時運動野とも.電気刺激を与えると,表象部位の非随意運動が起こる.
・中心後回…一時体性感覚野とも.電気刺激を与えると,表象部位に刺痛感覚が起こる.
Parietal Lobe 頭 頂 葉
Frontal Lobe 前 頭 葉
Occipital Lobe
後頭葉
Tem poral Lobe 側 頭 葉
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⑭ 頭 頂 葉 Parietal Lobe, 側 頭 葉 Tem poral Lobe, 後 頭 葉 Occipital Lobe
:外側溝 Sylvian fissure(シルビウス裂溝,大脳外側溝)や頭頂後頭溝によって分離
●頭頂葉……[外側部]聴覚・視覚処理
●側頭葉……特に左半球は言語機能にとって重要
●後頭葉……視覚処理
⑮ 前 頭 葉 Frontal Lobe, 島 葉 Insula
●前頭葉……容積が大きく,多くの機能を持つ
・背外側前頭葉 Dorsal lateral frontal lobe…複雑な認知処理,推論・意思決定などの実行機能を含む
・左前頭葉……ブローカ野(言語生成を支える)を含む
・前頭葉腹側内側部……感情の処理?
●島葉 Insura:外側溝の前側の部分と下頭前葉内に深く隠れている
妊娠や化学的感覚(嗅覚など)に重要.情動の処理において,リスクのある状況を回避するための恐
怖や痛みの評定といった幅広く重要な役割を果たす.
⑯ 脳 梁 Corpus Callosum : 左半球と右半球をつなぐ大きな白質の束.
脳梁の前側=脳梁膝 genu
後側の大きな部分=脳梁膨大,膨大部 splenium
p.205
⑰ 下 側 頭 葉 Inferior Tem poral Lobe Fig 7A. Fig 7B
複雑なオブジェクトの知覚を含む高次の視覚処理で重要な役割を果たす.
嗅内皮質や海馬傍回を集合的に内側側頭葉といい,記憶処理を助ける.
・Fig 7A.の用語(左上から)
Olfactory nerve:嗅神経
Pons:橋
Optic chiasm:視交叉
Spinal cord:脊髄
Colliculi:丘
Cerebellum:小脳
・Fig 7B の用語(表内)
COS:側腹溝(側副裂) EC:嗅内皮質
LG:舌状回
PG:紡錘状回
PG:海馬傍回
ITG:下頭前回
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OTS:後吻側頭溝
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⑱ 脳 断 面 図 Fig 8
Fig 8A. 軸面像 Axial view
……背側から腹側にかけて平面でスライスしたもの.
体軸に対して垂直な断面画像(8A は上が前側,下が後側).
Fig 8B. 冠状像 Coronal view
……吻側から尾側にかけて平面でスライスし,前後に分割.
体軸に対して平行な断面画像(8B は上が背側,下が腹側).
(Fig 2A. 矢状像 Sagittal view
……外側から内側にかけて平面でスライスし,左右に分割.
体軸に対して平行な断面画像.)
Fig 8A.の特徴……①灰白質の層や白質の層が見える.
②脳回が連続して一続きになっているのが分かる.
③側頭葉や前頭葉の表面に隠れて,島葉が見える.
④運動制御や学習に重要な,大脳基底核 Basal ganglia(尾上核や被核)も見える.
Fig 8B.の特徴……①脳の中心付近で,外側の脳室がきれいに見える.
②扁桃体 Amygdala が見える.
③半球内の白質が分かる.
④半球間の重要なつながりである脳梁と前交連 Anterior commissure が見える.
Fig 8A.の用語(左上から)
Anterior limb of internal capsule:内包前脚
Insula:島葉
Posterior limb of internal capsule:内包後脚
Anterior commissure:前交連
Caudate:尾状核
Putamen:被核
Thalamus:視床
Posterior commissure:後交連
Fig 8B.の用語(左上から)(Fig 8A.と重複するものは省く)
Internal capsule:内包
Anterior end of amygdala:扁桃体の前側先端部
Temporal Lobe:側頭葉
Cingulate gyrus:中心溝
Corpus Callosum:脳梁
Lateral Ventricle:側脳室 Sylvian fissure:外側溝
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