平成26年度 校内研修計画書(修正版)

平成26年度
校内研修計画書(修正版)
明和町立明和西小学校
研修主題
「 学 び を 生 か し 、自 分 の 考 え を 深 め る こ と が で き る 児 童 の 育 成 」
副主題
ー課題を明確にした読む活動の工夫を通してー
Ⅰ主題設定の理由
○学校教育目標とのかかわり・地域の実態から
学 校 教 育 目 標「 ・ 礼 儀 正 し い 子 ・ 真 剣 に 学 習 す る 子 ・ 心 と 体 を き た え る 子 」を 掲 げ 、
26年度生活目標「よく聞き、よく読み、よく考えます」を実践目標として、みんなで学
び合い、縦割り活動を軸に異学年交流を活性化しながら、教育活動全体で言語活動の充実
を 図 り 、 自 ら 考 え 、 伝 え 合 う 児 童 の 育 成 を 目 指 し て い る 。 ま た 、「 真 剣 に 」 聞 き 、 読 み 、
考える力は継続することで定着するものと考える。
今 年 度 明 和 町 で は 学 力 向 上 、 読 書 量 増 加 を 目 指 し「 心 の 本 1 0 0 冊 運 動 」 を 始 め た 。「 心
の本100冊運動」の推進を図るため、昨年度末に保護者・教職員を対象に子どもたちに
読ませたい本のアンケートを実施した。ゲームや携帯電話・パソコン等が広がる一方で保
護者には、児童にたくさんの本を読み、学び、自分の考えをもってほしいという願いがあ
ることがうかがえた。こうした願いに対して家庭学習時間の確保、内容の工夫、読書の推
進等学力向上に関連する課題も多く、児童の学力向上、読書量の増加を図ることは重要で
あると考える。
○児童の実態から
平成25年度 全国学力・学習状況調査の結果では、国語・算数ともに県や全国平均を
下回った。国語では、特に「読むこと」が全国比で18%程低かった。日々努力はしてい
るが学びを生かせていないということは、内容の把握が不十分で、読んだことをまとめて
書く力が十分でないという実態がある。そこで本文を引用して書く練習が必要であると考
える。
また、無解答の率が全国平均より高かった。無解答が多い理由として学習への集中力や
粘り強さ、学習の大切さの意識が十分でないと考えられる。
次 に 、 平 成 2 5 年 度 CRT 学 力 検 査 の 結 果 を 分 析 し た と こ ろ 、 下 記 の 表 の よ う に 国 語 科
全体で全国平均を下回った。
領域別全学年の全国平均との差(平均)
観
点
話す・聞く
▼1.683
書く能力
▼1.233
▼1. 933
言語についての知識・理解・技能
▼0.816
4観点
▼1.416
その中でも特に「読むこと」が全国平均と比べて下回った。物語と説明文の解釈では、
1、2年生は物語、3~6年生は説明文が低かった。そのため、国語の基礎学力の向上を
図 り な が ら 、「 読 む こ と 」 の 領 域 に 重 点 を 置 き 、 読 み 取 り の 力 を 育 て て い く た め の 手 立 て
を講じていくことが必要であると考えた。
また、日常の授業の観察・評価テスト・ノート・ワークシート等から児童は、文の中か
らキーワードを見つける力、要旨や大意をまとめる力、資料を比べて考える力が十分でな
いという実態が浮かび上がった。
読
む
さ ら に CRT 学 力 検 査 か ら 本 校 の 児 童 は 、 算 数 の 関 心 ・ 意 欲 ・ 態 度 は 全 国 比 1 0 1 . 3
とやや高いが、国語の関心が98.5と低いという結果が出た。また、平成25年度全国
学力・学習状況調査の児童質問紙で「平日家や図書館での読書時間」は「2 時間以上」が
2 . 9 % ( 全 国 平 均 6 . 1 % )、「 1 ~ 2 時 間 」 が 7 % ( 全 国 1 0 . 3 % )、「 全 く 読 ま な
い」が29%(全国20.8%)と低い結果であった。日常の観察から、読書が好きな児
童も多いが、低学年では迷路やクイズの本、中高学年では学習漫画を好んで読む傾向が見
られる。
こうした実態を踏まえ児童に「読む」力を高め物語や説明文、伝記等の活字の本もすす
んで読もうとする意識を高めていくことが重要である。そこで今年度から国語科を中心と
して「読むこと」に視点を当てた研修を設定した。昨年度までの算数科の研修を通して、
自分の考えを伝え合う場を設定したことで、表現する力やお互いに意見を聞き合う態度が
身についてきている。本年度は、課題を明確にした読む活動の工夫をすれば、文章で読み
取ったことを文章中のどこに書いてあるのか根拠を明らかにしたり、学び(既習事項や交
流)を生かして自分の考えを深めることができる児童の育成ができると考え主題を設定し
た。
本 年 度 は 国 語 科 の 研 修 1 年 目 と し 、「 読 む こ と 」 の 領 域 に お け る 活 動 の 工 夫 を 通 し て 主
題に迫ることとした。
Ⅱ研修のねらい
国語科の学習において、学びを生かし自分の考えを深めることができる児童を育てるた
めに、課題を明確にした読む活動の工夫をし、その有効性を実践を通して明らかにする。
Ⅲ研修の見通し
国 語 科 の 学 習 に お い て 、「 つ か む 」 過 程 で 課 題 を 明 確 に し て 提 示 し 、 既 習 事 項 の 活 用 を
考 え さ せ た り 、「 深 め る 」 過 程 で 自 他 の 考 え を 伝 え 合 い 、 比 較 す る 活 動 の 工 夫 を 取 り 入 れ
たりすれば、学びを生かし自分の考えを深める児童が育つであろう。
Ⅳ基本的な考え方
(1)目指す児童像
低学年
文章の大事な言葉や文を
書き抜くことができる。文
章の内容と自分の経験とを
結び付けて、自分の思いや
考えを伝え交流できる児
童。
中学年
高学年
目的に応じ内容の中心をとら 目的に応じて、文章の内容
え文章を読んで、考えたこと を的確に押さえ、自分の考
を交流することを通して、一 えを明確にして読み、交流
人一人の感じ方に違いがある することなどを通して自分
ことに気づき、自分の読み取 の考えを広げたり深めたり
りに生かすことができる児童。できる児童。
(2)基本的な考え方
①「学びを生かし」とは、既習事項(前学年や前の単元、前授業で学んだこと)を活用
することと考える。
② 「 自 分 の 考 え を 深 め る こ と 」 と は 、 自 力 解 決 の 場 で 自 分 な り の 考 え を も ち 、( 説 明 文
では筆者の意見へ賛成か反対かという考えをもつこと)交流の場で根拠を明らかにし
て自分の意見を述べ、友達の意見と比較することで自分の考えをさらに深めることと
考える。
Ⅴ 研修の内容
( 1 )「 課 題 を 明 確 に し た 読 む 活 動 の 工 夫 」
①学習(単元や本時)のねらいを達成するために、考える視点(どんなことに着目させる
か)を明確にした課題を設定し、課題を達成するための手立てを工夫する。また、授
業の工夫のしかたを研究し、学年ごとに中心となる単元の教材研究を行い、指導計画を
立案、実践する。
②既習事項を活用できるように課題を設定する。また、既習事項の系統性をまとめる。
③ 日 常 の 児 童 の 実 態 を 把 握 し た り 、 CRT 学 力 検 査 の 分 析 を し た り し 積 極 的 な 授 業 改 善 を 図
る 。「 音 読 」 に つ い て は 全 校 で 音 読 カ ー ド を 統 一 し 、 音 読 の 目 的 、 音 読 の 仕 方 、 評 価 項
目を共通理解する。家庭にも音読の大切さを伝え、家庭学習の定着を図る。
④ 「 読 む こ と 」 の 基 本 で あ る 読 書 活 動 を 勧 め る た め 、 読 書 推 進 部 会 を 立 ち 上 げ て 、「 心 の
本100冊」運動や、学校図書館を利用した授業を研究する。
(2)本校の国語科、一単位時間における学習過程(モデル)
学習過程を図に表すと次のようになる。
③多様な考えを
比較して学び、
と
自分の考えを
ま
深める。
程
交 流
↑
過
流をして読み
る
を深める。
程
め
自 分 の 考 え を
過
既
習
事
項
の
確
認
もつ。
む
課
題
の
提
示
自力解決
①自分で読む
か
深
②友達と意見交
つ
め
る
過
程
〈課題〉
基本的な学習過程
「つかむ」過程
課題の提示
既習事項の確認
「深める」過程
自力解決
交流
「まとめる」過程
指導・支援のポイント
・課題提示の工夫をする。
・ 課 題 を 把 握 す る た め に 全 文( 場 面 ・ 段 落 )を 読 み 通 す 。
・既習事項の確認
・既習事項の活用ができるように、前時までの様子がわ
かるよう掲示物等を工夫する。
・課題に対応する大事な事柄が、文章中のどこに書いて
あるか根拠を明確にできるよう助言する。
・物語文では、登場人物の様子に傍線、気持ちに波線を
引かせる。
・説明文では、キーワードを含む文に傍線を引かせる。
・友達と意見交流をして読みを深める。
・自分の考えと共通点や相違点を比較させ、さらに自分
の考えを深める活動の工夫をする。
・自分の考えを振り返る。
・学んだことが、単元を貫く言語活動にどう生かせるか
確認する。
Ⅵ研修の方法
○「研修組織」
読書推進部会
1年部会
全
校
教
長
頭
研
修
推
進
委
員
会
下学年ブロック
2年部会
体
3年部会
4年部会
会
上学年ブロック
5年部会
6年部会
※研修推進委員:校長・教頭・教務・研修主任・学年代表・図書館教育主任
組
織
活
研修推進委員会 ・校内研修の企画、運営
学年ブロック
学年部会
読書推進部会
・授業研究
・指導案検討
推進
・言語環境の
整備
下学年
ブロック
動
内
容
(1 年 )森 、 ○ 野 村 千 、 草 田 、 武 井 、 栁 下
(2 年 )○ 平 、 田 口 、 ○ 野 村 ま 、 奥 澤
(3 年 )栗 原 、 早 川 、 ○ 大 谷 、 瀧 澤
(4 年 )○ 齋 藤 、 百 瀬 、 柿 沼 、 田 端 、 前 川
上学年
(5 年 )三 倉 、 ○ 小 林 、 井 戸 、 小 島
ブロック
(6 年 )○ 片 柳 、 佐 藤 、 三 浦 、 ○ 青 山
・研修の仮説に関わる授業改善の工夫、指導案検討
・児童の実態把握と分析、改善策の策定
・読書量の増加のための環境整備
・「 心 の 本 1 0 0 冊 運 動 」 の 推 進
・児童の読書量の実態把握と分析、改善策の策定
・学校図書館利用の授業研究
○平
(低学年)
(中学年)
(高学年)
○研修日
・研修推進委員会
:第1週月曜日
・研修全体会
:第4週月曜日
・学年別研修会・ブロック会議・読書推進部会・教科部会:必要に応じて
田口
栗原
井戸
○研修計画
月 日(曜日)
研修内容
4
4(金) 今年度の校内研修の基本構想案・研修組織案について
前期一般授業者・後期研究授業者について
8(火) 今年度の校内研修の基本構想・研究組織・読書推進委
員会について
28(月) 今年度の校内研修の基本構想・研究組織・研究授業者
について
5 12(月) 校内研修計画書、音読カードについての検討
26(月) 校内研修計画書、音読カードについての検討
指導案の検討
6
4(水) 指導主事訪問日の役割について、夏期研修、輪読会の
方法の検討
音読カードについての検討・決定
初旬
指導案の検討
11(水) 指導案の確認
13(金) 指導案提出
16(月) 指導案丁合
17(火) 指導案発送
23(月) 指導主事訪問日の役割決め等
全国学力・学習状況調査 B 問題考察
夏期休業中の研修についての検討
27(金) 指導主事訪問日一般授業・研修内容の指導
30(月) 指導主事訪問後の研修について(指導されたことの確
認と今後の方向性)の検討
7
1(火) 漢字計算大会実施
2(水)
7(月) 指導要領解説輪読会
7月中
指導主事訪問後の研修について(指導されたことの確
認と今後の方向性)の検討・決定
夏期休業中の研修についての検討・決定
2 5 日( 金 ) 講 師 招 聘 に よ る 研 修
下旬
学年研修の推進(児童の実態分析と改善策の策定)
8
6 日( 水 ) 講 師 招 聘 に よ る 研 修
8月中
後期指導主事訪問研究授業者の指導案の検討
9
1(月)
22(月)
30(火)
10 中 旬
27(月)
29(水)
30(木)
研修形態
研修全体会
ブロック別
研修推進委員会
研修全体会
研修推進委員会
研修全体会
ブロック別
研修推進委員会
ブロック別
研修全体会
指導主事訪問日
研修推進委員会
研修全体会
研修全体会
学年部会
各学年および
ブロック会議
指導主事訪問のまとめと今後の方向性
研修推進委員会
指導主事訪問のまとめと今後の方向性
研修全体会
後期指導主事訪問研究授業者の指導案の検討
研修推進委員会
後期指導主事訪問授業者の指導案の検討
各学年および
学年代表授業の実施・研究会
ブロック会議
研究授業者から指導案説明・指導主事訪問日の日程確 研修全体会
認・役割決め
指導案提出・指導案の丁合
指導案の提出
11
12
1
2
3
4(火) 学年代表授業研究会
12(水) 後期指導主事訪問日
研究授業 6年 国語科 片柳 進 教諭
2年 国語科 平 千鶴 教諭
25(火) 後期指導主事訪問日のまとめ・実践のまとめ
下旬
漢字計算大会実施
1(月) 紀要編集方針・研修のまとめについて
22(月) 紀要編集方針・研修のまとめについて
7 ( 月 ) 紀 要 の ま と め CRT 学 力 検 査 に つ い て
2 6 ( 月 ) 紀 要 の ま と め CRT 学 力 検 査 に つ い て
2(月) 紀要草案検討
5 ( 木 ) CRT 学 力 検 査
23(月) 紀要草案検討・今年度の評価についての検討・来年度
の研修の方向性
下旬
漢字計算大会実施
紀要完成
2(月)
今 年 度 の 反 省 ・ 来 年 度 の 研 修 の 方 向 性 ・ CRT 学 力 検 査
について
2 3 ( 月 ) 今 年 度 の 反 省 ・ 来 年 度 の 研 修 の 方 向 性 ・ CRT 学 力 検 査
について(報告)
研修推進委員会
研修推進委員会
研修推進委員会
研修全体会
研修推進委員会
研修全体会
研修推進委員会
研修全体会
ブロック会議
研修推進委員会
研修全体会
○検証計画
検証の観点
検証の場面
「学びを生かし」
「つかむ課程」
・ 既 習 事 項 を 活 用 し ・自分で前学年や、前時
て課題を解決する
の既習事項を読み取り
見通しを持てた
に活用する場面
か。
「自分の考えを
「深める課程」
深める」・自分の考えを友達に説
・自分なりの考えを
明し、意見交流し合う
もって友達と交流
場面
することで、自分
の考えを深めるこ
とができたか。
検証の方法
・発言や発表の様子の観察
・ノート・ワークシートの記述の分析
・ノートやワークシートの記述の分析
・発表や話し合いの様子の観察
Ⅶ全体構想図
教育基本法
学校教育法
学習指導要領
群馬県教育行政方針
明和町教育行政方針
群馬県学校教育の指針
学校教育目標
・礼儀正しい子
・真剣に学習する子
・心と体をきたえる子
・児童の実態
・地域の実態
・教師、保護者、地域の願い
研修主題
「学びを生かし、自分の考えを深めることができる児童の育成」
ー課題を明確にした読む活動の工夫を通してー
研修のねらい
国語科の学習において、学びを生かし自分の考えを深めることができる児童を育てるために、課題を明確
にした読む活動の工夫をし、その有効性を実践を通して明らかにする。
低学年
文章の大事な言葉や文を書き抜くこ
とができる。文章の内容と自分の経験
とを結び付けて、自分の思いや考えを
伝え交流できる児童。
目指す児童像
中学年
目的に応じ内容の中心をとらえ文章
を読んで、考えたことを交流すること
を通して、一人一人の感じ方に違いが
あることに気づき、自分の読み取りに
生かすことができる児童。
高学年
目的に応じて、文章の内容を的確に
押さえ、自分の考えを明確にして読み、
交流することなどを通して自分の考え
を広げたり深めたりできる児童。
研修の見通し(仮説)
国語科の学習において、「つかむ」過程で課題を明確にして提示し、既習事項の活用を考えさせたり、「深める」過程
で自他の考えを伝え合い、比較する活動の工夫を取り入れたりすれば、学びを生かし自分の考えを深める児童が育つであ
ろう。
研修の内容
①学習のねらいを達成するために考える視点を明確にした課題を設定し、課題を達成するための手立
て を 工 夫 す る 。ま た 、授 業 の 工 夫 の し か た を 研 究 し 、学 年 ご と に 中 心 と な る 単 元 の 教 材 研 究 を 行 い 、
指導計画を立案、実践する。
②既習事項を活用できるように課題を設定する。また既習事項の系統性をまとめる。
③ 日 常 の 児 童 の 実 態 を 把 握 し た り 、 CRT 学 力 検 査 の 分 析 を し た り し 積 極 的 な 授 業 改 善 を 図 る 。
「音読」については全校で音読カードを統一し、音読の目的、音読の仕方、評価項目を共通理解す
る。家庭にも音読の大切さを伝え、家庭学習の定着を図る。
④ 「 読 む こ と 」 の 基 本 で あ る 読 書 を 勧 め る た め 、 読 書 推 進 部 会 を 立 ち 上 げ て 、「 心 の 本 1 0 0 冊 」
運動や、授業の工夫のしかた(学校図書館の利用など)を研究する。
学年ブロック
・指導計画検討
・指導案検討
・授業研究
・学習環境の整備
・言語環境の整備
学年部会
・研修の仮説における授業改善
の工夫
・指導案検討
・児童の実態把握と分析、改善
策の策定
読書推進部会
・読書量の増加のための環境整備
・「 心 の 本 1 0 0 冊 運 動 」 の 推 進
・児童の読書量の実態把握と分析、改善策の策定
・学校図書館を利用した授業改善の工夫