平成26年度 シラバス 教科(芸術科) 科目(書道Ⅰ)

平成26年度
科目の目標
履修学年
シラバス
教科(芸術科)
科目(書道Ⅰ)
書道の幅広い活動を通して、書を愛好する心情を育てるとともに、感性を豊かにし、
書写能力を高め、表現と鑑賞の基礎的な能力を伸ばす。
1年
学科・コース
単位数
2単位
授業形態
教科書
書道Ⅰ(教育出版)
副教材等
担当者
秋山幸一
1年○・○組
選択
1.学習の目標
①小・中学校での書写を基本に、文字を素材とした芸術としての書道を学び、古典に基づく表現力
・鑑賞力を身につける。
②「漢字仮名交じりの書」「漢字の書」「仮名の書」、「実用書(硬筆)」における表現力を身につけ
る。
③書道の幅広い活動を通して書を愛好する心情を育て、感性を豊かにし、創造的な表現力を身につ
ける。
2.学習内容と進め方
①中国の六朝・晋・唐の時代の古典のなかから、楷書・行書を中心に古典を精選し、臨書を中心に
学習します。「臨書」とはすぐれた古典作品をよく観察して、その特徴をとらえながら、手本に
して表現することです。臨書をとおして筆遣いや字形の整え方、作品としてのまとめ方などを学
んでいきます。
また、漢字書ばかりでなく、
「漢字仮名交じりの書」にも取り組みます。漢字と仮名を調和させ、
現代にふさわしい書を目指しましょう。「漢字仮名交じりの書」を含め、一字書などの創作にも
取り組んでいきます。
②授業は2時間続きでおこない、課題に沿って作品制作をしていきます。学習のまとまりごと(だ
いたいは2時間ごとの終わり)に作品を提出します。提出した作品は、中間、期末ごとにまとめ
ます。
③毎時間の終わりには「授業の記録」にその時間の学習内容と、各自の感想や発見などを記録にと
どめておきます。また、「硬筆の練習」に取り組みます。これらは、授業の終わり20分のなか
で、後かたづけと並行しながらおこなってください。
④通常は半紙に1~4字程度をめどに表現します。ときどき紙のサイズを変えたり、墨を変えたり
して、多様な表現を試みます。
⑤とくに、予習・復習は必要ありませんが、日頃から文字や言葉に関心を持つように心がけてくだ
さい。
⑥作品はお互いに鑑賞し合います。これを「相互評価」といいます。自分で評価する「自己評価」
とあわせて、よりよい作品をつくっていくために大切な学習です。恥ずかしがらずに自分の作品
について発表し、仲間の作品に対しても、よいところを見つけるようにしましょう。
3.学習の留意点
①書道教室にある用具や紙・墨などは大切に扱ってください。また、教室はきれいに使用し、汚し
てしまった場合は責任を持ってきれいにしてください。
②各自の用具や教科書等は紛失しないようにしっかりと記名し、書道教室の決められた場所に保管
してください。なお、硬筆の筆記用具を必ず持参してください。鉛筆やボールペン(黒か青がよ
い)、サインペンなどが適しています。
③作品づくりは常にベストを尽くすようにしてください。与えられた時間の中で、少しでもいい作
品をつくろうという気持ちが大切です。
④どんなに拙くても、必ず作品を提出してください。また、作品は保管し、絶対に紛失しないよう
に気をつけてください。書道では定期考査をおこないませんので、日常の作品によって評価して
いきますから、作品がないということは、テストを受けていないことに等しいのです。
⑤説明や指示はしっかり聞きましょう。気まぐれに書いても作品にはなりません。手本の見方のポ
イントや作品づくりの留意点などについてアドバイスしますので、素直な気持ちで取り組みまし
ょう。
⑥2単位で2時間続きの授業ですから、欠席時数がオーバーしないようにくれぐれも気をつけてく
ださい。年間の欠席が実施時数の2割を超えると、履修が認められません。
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⑦教材費として5,000円を徴収します。大筆・小筆、消耗品(半紙・画仙紙、墨など)に充て
られます。必要に応じて、年度途中に追加で徴収する場合もあります。
⑧最初の授業にぞうきんを2枚ずつ持参して下さい。
4.評価・評定
【評価の観点】
観
点
趣
旨
評価の場面
関心・意欲・態度
・さまざまな書の美に関心をもっているか。
・意欲的に表現し、書の美を感じ取ろうとしている
か。
芸術的な感受や表
現の工夫
・それぞれの古典の特徴を捉え、表現活動に生かし
ているか。
・表現を工夫して効果的な表現をしようとしている
か。
創造的な表現の技
能
・基本的な用筆法を習得し、目的や用途に即して、
創意工夫した表現ができるか。
鑑賞の能力
・作品を客観的に観察し、その特質をとらえ、幅広
く理解や見方を深めることができるか。
制作した作品は
もとより、制作
の様子や態度・
「授業の記録」
・レポート・生
徒の相互評価と
自 己 評 価 ・「 硬
筆の練習」から、
総合的に評価し
ま す 。( 定 期 考
査は実施しませ
ん。)
【評価・評定】
5段階で評価します。前期末考査後には「評価」、学年末には1年間の「評定」がつきます。
達成度
評価・評定
特に高い程度に達成
5
高い程度に達成
4
おおむね達成
3
不十分
2
著しく不十分
1
*
年間の評定1の場合、単位の修得は認められない。
備考
5.授業計画
学期
配当時間
指導内容
オリエンテーション
・授業の進め方
・毛筆表現の基礎
4
・授業の進め方や学習内容などを
知る。
・用具用材、姿勢・執筆法、基本
的な用筆法を確認する。
・「書写」と「書道」との関連お
よび違いを理解する。
漢字仮名交じりの書Ⅰ
・半紙に4~6字の「漢字仮名交
じり」表現
・詩句を選ぶ
6
・漢字と仮名との調和を理解し、
工夫して表現する。
・自分で詩句を選び、表現を工夫
しながら制作する態度を養う。
・多様な表現の方法を学ぶために
漢字やかなの古典臨書が有効で
あることを理解する。
月
章・節
4
前
5
6
25
考査・行事 等
7
8
期
9
楷書の臨書と創作
・九成宮醴泉銘・孔子廟堂碑
顔氏家廟碑・雁塔聖教序
牛橛造像記・鄭羲下碑
・倣書・創作
・画仙紙による表現
16
・線質を中心に、古典の用筆法・
結構法などを理解する。
・それぞれの古典の持つ雰囲気を
理解させ、臨書によって追体験
する。
・古典の特徴を生かし、創作へと
結びつける。
行書の臨書と創作
・蘭亭序・争坐位稿・風信帖
・倣書・創作
・画仙紙による表現
16
・筆脈を中心に、古典の用筆法・
結構法などを理解する。
・それぞれの古典の持つ雰囲気を
理解し、臨書によって追体験す
る。
・古典の特徴を生かし、創作へと
結びつけるようにする。
10
前期評価
後
11
草書・隷書・篆書の臨書と創作
・書譜
・曹全碑・居延漢簡
・泰山刻石
・倣書・創作
12
かな
・単体と連綿
・変体仮名
・散らし書き
・蓬莱切
・高野切第三種
・高野切第一種
1
期
通
年
8
・それぞれの古典の持つ雰囲気を
理解し、臨書によって追体験す
る。
・古典の特徴を生かし、創作へと
結びつけるようにする。
10
・かなの用筆法、連綿・散らし書
きの要領などを理解する。
・かな表現の美意識を理解させ、
臨書によって追体験する。
・用筆・連綿の基本練習や、古典
の臨書を生かし、創作へと結び
つけるようにする。
2
漢字仮名交じりの書Ⅱ
・半紙・画仙紙による表現
・詩句を選ぶ
・合作
6
・古典臨書の学習を生かして表現
を工夫し、リズムや全体構成な
どを考えながら、漢字と仮名を
調和させて書くようにする。
・自分で詩句を選び、表現を工夫
しながら制作する態度を養う。
3
1年間のまとめと評価
・臨書と創作
・相互評価と自己評価
・裏打ち・表装
4
・自他の作品を尊重し、鑑賞能力
を高めながら、書を愛好する心
情を養う。
・これまで学んできたことを生か
し、表現方法や形式などを工夫
しながら、創作する。
実用書式
・硬筆表現
・実用書式、とりわけ硬筆表現に
ついて、美しく整った表現がで
きるようにする。
身近な書の鑑賞
・展覧会への誘い
・街角の書
・相互評価と自己評価
・自他の作品を尊重し、鑑賞能力
を高めながら、書を愛好する心
情を育てる。
26
後期評価