RC床版の下面からの補修・補強技術 下面からの補修・補強法

SFRC上面増厚補強(判定区分Ⅲ~)
RC床版の下面からの補修・補強技術
(1)鉄筋
(2)FRP格子筋
下面からの補修・補強法
C F S ・C F S S 下面接着補強法
下面増厚補強
34
33
(3)鋼板格子筋
CFS・CFSS下面接着補強法
下面から の補修・補強法
R C 床版の補修・補強法
◇クラック注入工法は,床
版下面のクラックにエポ
キシ樹脂を低圧注入する
方法である。 判定区分Ⅱ
RC床版
ひび割れ損傷
エポキシ樹脂
RC床版
アンカーボルト
圧力タンク
シール材
繊維種類
繊維目
付量
(g/m²)
設計厚
さ
(mm)
炭 素 繊 維 (高 強 度 )
炭 素 繊 維 (高 強 度 )
炭 素 繊 維 (高 強 度 )
炭 素 繊 維 (高 強 度 )
炭 素 繊 維 (高 強 度 )
炭 素 繊 維 (中 弾 性 )
炭 素 繊 維 (中 弾 性 )
炭 素 繊 維 (高 弾 性 )
炭 素 繊 維 (高 弾 性 )
200
300
400
450
600
300
300
300
300
0.111
0.167
0.222
0.250
0.333
0.165
0.163
0.143
0.143
低圧注入器
(2) 鋼板接着工法
(1)クラック注入工法
RC床版
鋼板
C F S の種類および性能
1)CFS(炭素繊維シート)
エポキシ樹脂
シール材
エポキシ樹脂
RC床版
シート(炭素繊維、アラミド)
◇鋼板接着工法は,既存
(3) シート接着工法
の床版下面にアンカーボ
ルトで鋼板を固定し,鋼板とコンクリートの間に接着剤を
低圧注入し,鋼板を接着する工法である。判定区分Ⅲ
既存コンクリートはつり面
アンカー筋
補強鉄筋
増厚コンクリート
(4) 下面増厚工法
(1)CFS
2) CFSS(炭素繊維ストランドシート)
C F S S 種類および性能
◇シート接着工法は,既存コンクリートの下面にエポキ
シ樹脂を用いてシートを貼り付ける工法である。判定区分Ⅲ
◇下面増厚工法は,床版下面に鉄筋を配置し,コンクリー
トを打設することによって床版厚を増す工法である。
判定区分Ⅲ、Ⅳ
ヤング
引張強
係数
度
(kN/mm
(N/mm²)
²)
3,400
245
3,400
245
3,400
245
3,400
245
3,400
245
2,900
390
2,400
440
1,900
540
1,900
640
繊維種類
炭 素 繊 維 (高 強 度 )
炭 素 繊 維 (中 弾 性 )
炭 素 繊 維 (高 弾 性 )
炭 素 繊 維 (高 弾 性 )
35
繊維目付量
( g/m²)
600
600
600
900
設計厚さ
( mm)
0.333
0.330
0.286
0.429
引張強度
(N/mm²)
3,400
2,900
1,900
1,900
ヤング係数
(kN/mm²)
245
390
640
640
(2)CFSS
9
炭素繊維連続シートによる 下面接着
補強法
下面増厚補強(材料)
●引張補強材
下面増厚補強法における引張補強材には、鉄筋、ワイヤーメッ
シュ、F R P 格子筋、鋼板格子筋が用いられている。
●ポリマーセメントモルタル(P C M )
ポリマーセメントモルタルの配合
ポリマーセメントモルタルには
水結合比
単位量(kg/m )
市販の材料が使用されている。
項目
プレミックス粉体
水
(% )
PCM
1860
595
32
施工する企業で選択している。
3
(2)CFSS
(1)CFS
(1)下地処理 (2 )プライマー塗布 (3 )1層目接着
(4 )2 層目接着
●接着剤
(5 )表面保護
道路橋床版下面増厚補強例
エポキシ系接着剤の性能
増厚界面に付着
性を高めるため
に接着剤を塗布
する。
37
項目
硬化物比重
可使時間
圧縮強さ
測定値
1.4
34分/23℃
2
76N/mm
圧縮弾性係数
曲げ強さ
2,353N/mm
2
66N/mm
引張せん断強さ
付着強さ
2
2
14N/mm 以 上
2
2.1N/mm
38
鉄筋を用いた下面増厚補強
下面増厚補強法における引張補強材の配置法
鉄筋の配置法
1)コンクリート表面
の研掃
引張補強材の配置法
39
接着剤の塗布
2)補強鉄筋の取
付け
出典:吹きつけ協会
◇施工:鉄筋をアン
カーで取り付け、設定
厚みをポリマーセメン
トモルタルで吹き付け
により増厚することか
ら施工が容易となる。
3)ポリマーセメント
モルタル吹付け工
4)完成
道路橋床版下面増厚補強例
40
10
接着剤塗布型C F R P グリット下面増厚
補強法
FRP格子筋の諸元
F R P 格子筋の寸法の一例
◇施工:グリッドを架設
アンカーで取り付け、設
定厚みを特殊ポリマー
セメントモルタルで吹き
付けにより増厚すること
から施工が容易となる。
2 )接着剤塗布
3 )F R P グリッド取4 )ポリマーセメント
付け
モルタル吹付け工
接着剤塗布型F R P 格子筋下面増厚補強
引張弾性率
2
(N/mm )
筋ピッチ
(mm)×(mm)
単位体積重量
2
(g/m )
100×100
50×50
100×100
50×50
100×100
50×50
100×100
50×50
190
380
320
630
500
1,000
760
1,510
39.2
100×100
1,120
65
100×100
1,840
100
100×100
2,840
13.2
17.5
FRPグリッド(高強度)
CFRP格子筋は、格子
状に一体形成される
ことから鉄筋に比して
増厚が薄くなる。軽量
で塩害に強く、施工性
も良い。
5 )完了
引張強度
2
(N/mm )
6.6
格子筋の配置法
1) 表面の研掃
断面積
2
(mm )
種別
26.4
1,400
100,000
F R P 格子筋の材料特性値
種別
FRPグリッド(高強度)
FRPグリッド(高強度)
鉄筋(SD295)
2
41
鋼板格子筋を用いた下面増厚補強法
(提案)
2
引張強度(N/mm ) 引張弾性率(N/mm )
1,400
100,000
1,200
165,000
295
200,000
42
鋼板格子筋を用いた下面増厚補強
格子筋の配置法
鋼板格子筋の種類
縦 筋
横 筋
相当する鉄筋
ピッチ
幅
断面積
ピッチ
幅
断面積
t
D1
b1
A1
D2
b2
A2
呼び名 公称断面積
( mm) ( mm) ( mm) ( mm²)
( mm²) ( mm) ( mm) ( mm²)
6
100
6
36
D6
31.67
100
6
36
6
100
12
72
D10
71.33
100
7
42
9
100
15
135
D13
126.7
100
7
63
9
100
23
207
D16
198.6
100
7
63
12
100
24
288
D19
286.5
100
7
84
16
100
18
288
D19
286.5
100
7
112
16
100
25
400
D22
387.1
100
7
112
44
16
100
32
512
D25
506.7
100
7
112
板厚
43
11
上面増厚および下面増厚補強用接着
剤および引張補強材
ひび割れ補修併用下面増厚補強法
(スーパ保全工法)
R C 床版下面の下地処理したご鉄筋を配置し、専用
のセメントモルタルで下面増厚補強する。その後、
2方向ひび割れ補修用接着剤を注入する。
●上面補修・補強および下面増厚補強に用いる
接着剤
(1)S F R C またはP C M で上面・下面を増厚補強で、
付着効果を高める目的で界面に塗布となる。
●浸透性プライマー
(2)浸透性プライマー+高耐久性接着剤+ S F R C
(P C M )
●上面増厚および下面増厚補強に用
いる引張材補強
(1
)鉄筋(ワイヤーメッシュ)
(2 )F R P グリット
(3)鋼板格子筋
●鉄筋
45
●高耐久性接着剤
●F R P 格子筋
●鋼板格子筋
46
橋面防水工
判定区分Ⅱ
予防保全型維持管理計画における道路橋R C 床版の補修法
判定区分Ⅲ(工法の選択)
劣化期を迎えたR C 床版
ひび割れ補修 下面
47
上面補修
LCC
( ライフサイクルコスト)
予防保全型維持管理計画におけるRC床
版のサイクル補修・補強法
床版の性能低下 疲労による劣化
判定区分Ⅱ
ひび割れの貫通
顕著な漏水
ひび割れが
ひび割れが2方向へ進展
2方向へ進展
曲げひび割
れの発生
小規模修繕
Ⅰ
健全 Ⅱ:予防
保全段階
Ⅲ:早期
更新
措置段階
Ⅳ:緊急
措置段階
100年
今後の
目標健全
PC床版
事後保全
上面補修
橋面防水工
ひび割れ補修
小規模修繕
補修法の選択は、橋梁点検の結果から順番
を決めてライフサイクルコストを算定する。 48
12
予防保全型維持管理計画における道路橋
RC床版の補修法
判定区分Ⅲ(工法の選択)
SFRC上面増厚
ひび割れ注入
部分補修
橋面防水工
+
CFS接着補強
ひび割れ注入 橋面防水工
部分補修
49
CFS接着補強
下面増厚補強
LCC
( ライフサイクルコスト)
SFRC上面増厚補強
床版の性能低下 疲労による劣化
対策区分Ⅲ (下面増厚補強)
PCM下面増厚補強
補強法の選択は、橋梁点検の結果から順番を
決めて、余寿命およびLCCを算定し、決定する。
50
予防保全型維持管理計画における道路橋
RC床版の補強法(下面損傷)
ひび割れの貫通
顕著な漏水
ひび割れが
ひび割れが2方向へ進展
曲げひび割 方向へ進展
れの発生
2
小規模修繕
Ⅰ
健全 Ⅱ:予防
保全段階
Ⅲ:早期
更新
措置段階
Ⅳ:緊急
措置段階
100年
今後の
目標健全
事後保全 PC床版
C補強
B補強
A補強
下面損傷
下面増厚補強
一次補強
上面増厚補強
二次補強
B補強
予防保全
補強引張材の選択および接着剤の有り、無
51
しは、余寿命とLCCから決定されると考える。
52
予防保全型維持管理計画
13
予防保全型維持管理計画における道路橋
RC床版の補強法(上面損傷)
二
次
補
強
上面損傷
上面増厚補強
一次補強
劣化期を迎えたRC床版
CFS下面補強
下面増厚補強
予防保全型維持管理計画
上面損傷に対する
点検および複合損
傷・劣化に対する
点検・診断につい
ては示されていな
い。今後、土木学
会で検討予定。
53
事後保全型維持管理計画における道路橋
RC床版の補強法
54
判定区分Ⅳ(床版取替)
第1案 RC床版
凍害による砂利化
床版取替
第2案 グレーチング床版
事後保全型維持管理計画
55
第3案 PC床版
56
14
再劣化に対する補強対策について
7. 日大の実験装置
R C 床版の損傷程度が進展期
から加速期(前期)にかけて1
次補強し、再劣化においても
進展期から加速期(前期)で再
補強、すなわち,2 次補強する
ことで延命化が図られる結果
となった。
2次補強までは可能であると考えられるが,再再劣化に
対しては、既設R C 床版の診断を適切に行い、床版取替
の検討も必要である。
58
輪荷重走行振動疲労実験装置の概要
実験室
500kN用
300kN用
≪輪荷重走行疲労実験≫
輪荷重走行振動疲労実験装置(最大荷
重:5 0 0 kN )は日本大学生産工学部で開
発した装置です。振動荷重(正弦波形)に
よる走行疲労実験が可能な装置は、日本
では唯一、この装置のみです。
59
新床版の開発
定点疲労実験
60
15