天鷹通信 34号 PDF

天鷹通信 tentaka news
有機清酒醸造元 天鷹
2012 年 08 月
34 号
有機清酒醸造元
いつも天鷹をご愛
顧いただき誠にあ
8月情報
天鷹酒造 代表取締役社長 尾崎宗範
天鷹の大吟醸- 「大吟醸 三割五分磨」
りがとうございま
た。一部市中に流れることはあって
す。
も、それまでのお酒のイメージとは全
く異なり、評価は散々だったようで
立秋を過ぎても連
す。その後、地酒ブームとともに「日
日真夏日、熱帯夜
本酒」に対する評価も変わり、徐々に
が続いております
吟醸酒の良さが理解され、販売される
が、お変わりござ
ようになりました。昭和の後半には一
いませんか。
大ブームとなり、各蔵がこぞって発売
天鷹通信 34 号を
するようになりました。当時のラベル
お届けします。
をみると、その蔵のブランド名は隅の
本号は「天鷹 大
ほうに小さく書かれ、正面に「大吟
吟醸」を初めて特
集いたします。
醸」と大きく書かれたラベルが多く見
今では「高級日本酒」の代表である
られます。当時は「大吟醸」という造
「大吟醸酒」ですが、元々は酒造技術 り自体が希少価値であったことが良く
練磨のために造られ、昭和の中頃まで わかります。当然各種鑑評会もヒート
市販されることは余りありませんでし アップし、本来は、入場できない技術
天鷹酒造最新ニュ
ース:
研究会に様々な「つて」を使って潜り
酵母は日本醸造協会から頒布される
天鷹の夏の酒-好
込む「熱狂的ファン」や「酒販店さ
ものが殆どで、その中の 9 号や 10 号
評発売中です。
ん」で溢れ、早朝から長蛇の列が出来
が香りを出すと言われて用いられて
先月号で特集いたしま
ました。また、酒質的には香りが重視
きました。その後、酵母の育種方法
した夏限定酒 「純米天
され、香りが強いお酒が追い求められ
が確立すると、各県の研究機関でも
鷹氷温熟成夏生」「有
た時代でした。そして当時の大吟醸と
こぞって酵母の開発競争がおきまし
機純米氷温熟成生原
いえば
「YK35」が黄金率でした。
「Y
た。精米は、お米の澱粉質を、麹の
酒」「純米酒 瑞穂の郷
=山田錦、K=協会酵母、35%精米」
、
出す酵素の力で糖化して、それを酵
初呑切り」はいづれも大
この組み合わせがもっとも良いとされ
母が食べてアルコールに変えるお酒
好評です。さらにもう 1
たのです。山田錦は昭和 11 年の開発当
造りにおいて、澱粉の割合を高く
種。夏の限定酒の知ら
初から評価が高く、様々な研究の対象と
し、発酵において雑味となりやすい
せがあります。詳しくは
なっていました。山田錦で造ったお酒
たんぱく質や脂質を多く含むお米の
裏面をご覧ください。
は、上品で、かつ、熟成に耐え、また高
表皮の部分を削るのが精米の役割で
精白に適し、吟醸酒造りには最適だった
す。その澱粉の割合がもっとも高くなる
のです。また、当時、純粋培養された
のが 35%だったのです。
またそこまで削ると、酒米の最大の特
公的機関による受賞のほか、南部杜
徴である心白の大きさとなります。心白
氏協会などの緒団体においても高い
は良い山田錦の中心部に円盤状に現
評価を頂いてきました。市販酒において
〒324-0411
れ、澱粉密度が粗いため、光が屈折し
も昭和 56 年に 「天鷹吟醸 The
栃木県大田原市蛭畑
て白く見える部分です。ここはとても脆
SAKE」を発売、翌、57 年には、山田
2166
く、それ以上削ってもメリットはなく、デメ
錦 40%精米「大吟醸 天鷹あらばし
TEL:
リットのみが大きくなるため、今でも理
り」を発売、その後 37%、35%へと深
0287-98-2107
論的には 35%精米が大吟醸には最も
化しました。またこの頃から A 地区産
適した精米歩合といえるでしょう。
山田錦の直接取引が始まり、現在特
0287-98-2108
さて、天鷹の吟醸酒の歴史は、戦後間
A 及び A 地区産山田錦の使用量は、
E-MAIL:
もない昭和 28 年に開催された第一回
全使用米の 1/3 以上となっています。
[email protected]
日本酒造協会関東支部主催清酒品評
「The SAKE」が発売されてから約 30
会における優等賞受賞から始まり、関
年。現在では、特 A 地区産山田錦使
●東京事務所
東信越国税局酒類鑑評会での主席を
用、35%精米「大吟醸 天鷹三割五
〒135-0062 東京都江東区
含む連続入賞、全国新酒鑑評会での
分磨」となり、天鷹酒造を代表する大
東雲 1-9-15-1004
8 連続金賞を含む 13 年連続入賞など
切な大吟醸酒となりました。
天鷹酒造株式会社
FAX:
090-9208-5539
03-3534-0495(fax)
天鷹酒造
再建計画情報‐5 壁の下地に取り組んでいます
再建工事は順調に進んでいます。現在骨組みが完成し。断熱や壁の下地造りが行われ
ていますが、通常より厚い 100mm の断熱材を使用した上に、外壁の仕上げには天然素
当社 Web サイト
URL:
www.tentaka.co.jp
材の塗り壁を採用しています。この壁はシラス台地の石灰岩を砕いたもので、湿気は外
に逃がしつつ、防水性も高く、表面には水分を保持する「呼吸」する壁です。 そのため、
夏には水を掛けるとその気化熱により壁自体を冷やすことが出来ます。また屋根にも散
水システムを取り入れるなど、環境に優しく、自然の力を利用した造りを目指しています。
●天鷹 夏越しぼりたて生酒
特別本醸造「天鷹 夏越 しぼりたて
生酒」は、冬に仕込んだ、「特別本
醸造 しぼりたて生酒」を、冷凍庫
にてビン詰めのまま、ゆっくり熟成
新製品です
させました。新酒特有の若々しさが
取れ、まろやかで、とろりとした濃
好評発売中
厚な味わいになりました。
原料米:五百万石(100%)
精米歩合:60%
アルコール度:18 度
日本酒度:+6
1.8l
酸度:1.6
2,625 円(税込)
720ml 1,313 円(税込)