農地中間管理事業活用に向けた出し手の掘起し推進集中月間について 平成27年9月29日制定 青 森 県 農 地 中 間 管 理 機 構 (公益社団法人あおもり農林業支援センター) 1 趣旨 本年度、農地の貸借4,600ヘクタールを目標に担い手への集積・集約を進める農地 中間管理事業(以下「機構事業」という)については、6月5日に「平成27年度青森県 農地中間管理事業推進方策」を策定し、機構はもとより関係する機関・団体が共通認識を もちながら事業を進めているところであるが、依然として貸付申し出農家が少ない状況が 続いている。 また、一部の機構集積協力金の交付単価が来年度から減額され、減額前の単価で交付を 受けるためには、11月中頃までに出し手に申し出てもらうことが必要であることから、 本年10月・11月を「出し手の掘起し推進集中月間」として、農地の出し手が積極的に 市町村に農地の貸付申し出をするよう、関係機関・団体の協力を得て、次の取組を促進す るものである。 なお、農地の受け手となる借受希望者についても認定農業者などを主体に機構への応募 を引き続き働きかけていくものとする。 2 取組内容 (1)関係機関・団体の取組みの喚起 ①県幹部、機構理事長が市町村長及び農業委員会事務局長を訪問し、機構事業の農業 者への浸透と、地域の農地を適正利用していくための機構事業活用を要請する。 ②県と機構は、関係機関・団体の役職員が集まる情報の把握に努め、その場において 地域農業の振興と農地の適正利用のために、機構事業を地域・農業者に一層周知す るよう、要請する。 ③県と機構は、モデル育成地区、集落営農推進地区、ほ場整備地区では、地域ぐるみ での機構事業の活用を促すために、自ら旗振り役となる場合を除き、当該地区の旗 振り役となる機関・団体に対し、極力推進チームを組織するなどして具体的な貸借 活動を強化するよう、要請する。 (2)広報媒体の活用 ①県は、県の広報媒体を活用するほか、月刊誌「あおもり農業」等で機構事業の周知 に努める。 ②機構は、ホームページや報道機関への情報提供などで機構事業を周知する。 ③市町村、農業委員会、農協、土地改良区等は、それぞれの広報紙で機構事業の一層 の周知に努める。 ④広報紙用の原稿については、必要があれば素材を機構から提供する。 (3)農業者に対する啓発活動(広報を除く) ①県と機構は、国の指導により開催する地域の担い手との意見交換の場において、担 い手に対して、地域の出し手候補者を対象に機構事業の良さを積極的にPRするよ う、要請する。 ②市町村は、人・農地プランの話合いや、集落単位等での機構事業の説明会を開催す るほか、多面的機能支払や中山間地域等直接支払制度の話合いの場などを活用して、 農業者に対する機構事業の周知に努める。 ③農業委員会事務局と農業委員は、日常の農地適正利用活動の中で農業者に対し、機 構事業を積極的に紹介する。 ④県民局、農協、土地改良区等は、農業者に対する説明の場があるときは状況に応じ て、機構職員の同席を求めるなどして機構事業の啓発に努める。 (4)出し手候補者の把握 ①市町村は、出し手の把握が遅れているモデル育成地区などでアンケートを実施し、 出し手候補者を把握する。なお、アンケート様式は、市町村で作成するが、必要に 応じて機構で提供するものとする。 ②市町村は、借受希望の応募者や農作業受託者に対して、出し手からの農地貸付の申 し出があった場合、速やかに市町村へ情報提供を行うよう要請する。 ③農業委員会は、農地利用意向調査や農業委員の情報により出し手候補者を把握し、 市町村へ情報提供する。また、市町村とともに農地図面を精査し、利用権交換可能 者を掘り起こすものとする。 ④農協、土地改良区等は、出し手候補者の情報を入手した場合、本人に対して、機構 事業の利用を勧めるほか、市町村へ情報提供する。 (5)出し手候補者に対する貸付申し出の働きかけ ①市町村は、状況に応じて機構職員の同行を得て、把握した出し手候補者に対して、 個別に機構事業の活用を働きかける。 ②農業委員会は、出し手候補者から利用権の設定等の申し出があったときは、国の通 知(農業経営基盤強化促進法基本要綱第6の1の別紙6)に基づき、機構集積協力 金の対象にならない場合でも機構事業の利用を優先し、市町村も同様の進め方を講 じていくものとする。 ③モデル育成地区、集落営農地区、ほ場整備地区では、旗振り役が主体となって出し 手候補者に対して機構事業を利用するよう働きかける。 (6)周知資料の作成・配付 ①機構は、今後の周知活動に必要なパンフレットを作成し、関係機関・団体へ配布す る。 ②県と機構は、機構集積協力金も含めて、事業推進上必要な資料を作成し、関係機関 ・団体へ配布する。 (7)その他 出し手の掘起し促進は、上記(1)~(6)の取組のほかにも、考えられるものにつ いては、地域の条件を踏まえて、各機関・団体が積極的に講じていくものとする。 3 留意事項 (1)機構集積協力金の単価が減少することの周知促進 耕作者集積協力金と地域集積協力金を最も高い協力金単価で交付を受けるには、下 表のとおり12月の農業委員会での審査が期限となることから、県、機構、関係機関 ・団体は、11月中旬頃までに、農地提供を申し出るように出し手候補者に働きかけ るものとする。 耕作者集積協力金の最大単価2万円/10a※の交付を受けるための手続き期限 項 目 期 限 摘 協力金の市町村への申請 平成28年3月10日 転貸の県認可 平成28年2月26日予定 転貸の県への認可申請 平成28年1月4日予定 要 2か月程度要する 機構への貸付(権利移動) 平成27年12月 農業委員会の決定が必要 機構への貸付申し出 市町村によって異なる 平成27年11月中頃まで ※平成28年は1万円/10aとなる。 地域集積協力金の最大単価を受けるための手続き期限 項 目 期 限 摘 要 機構への貸付(権利移動) 平成27年12月 農業委員会の決定が必要 機構への貸付申し出 市町村によって異なる 平成27年11月中頃まで 地域集積協力金の単価 単位:万円/10a 地域農地のうち 機構への貸付割合 27年12月まで 28年1月 ~29年まで 差 2割超~5割以下 2.0 1.5 △0.5 5割超~8割以下 2.8 2.1 △0.7 8割超 3.6 2.7 △0.9 (2)農作業受委託を利用権へ切り替える場合の優先配慮の活用 平成26年度は機構に貸付けを申し出ると誰に貸付けられるか分からないため、機 構事業の利用を見送る農業者が多かったことから、平成27年4月から貸付先決定ル ールを見直し、農作業受委託を利用権に切り替える場合に優先配慮することにしてい る。 農業からのリタイアや部門縮小を考えている農業者は、農作業を委託している場合 が多いので、こうした農業者に対しては、本ルールの活用を勧めていくものとする。 (3)賃料を米穀の一定量で定める際の注意喚起 賃料については、面積当たりの金銭定額で定める方方のほか、一定量の米穀で定め、 前年産の県産米相対取引価格(包装代を除く品種銘柄の加重平均)で金銭換算する方 法の二通りがある。 相対取引価格は、いわゆる仮渡金(概算金)に比べると過去5ヵ年で米穀60キロ グラム当たりで、2,250円から3,250円(5ヵ年平均では2,600円)上 回っていることから、この方式を取り入れる場合は、誤解が生じないようこのことを 注意喚起し、価格差を織り込んで双方納得のできる契約数量とするよう周知徹底する。 相対取引価格と仮渡金の相違 年産 (単位:円/60kg) 22 23 24 25 26 10,900 13,400 15,100 12,900 9,700 12,400 仮渡金② 8,400 10,150 12,350 10,650 7,450 9,800 差①-② 2,500 3,250 2,750 2,250 2,250 2,600 46kg 45kg 49kg 49kg 46kg 相対取引価格① 60kg当たりの仮渡金 と同額となる米穀量 5年平均 47kg (4)農地図面の活用 農業委員会では農地の地図情報が整備されつつあるので、モデル育成地区や集落営 農地区など、地域ぐるみで機構事業の活用機運が醸成されつつある地区では、農地利 用調整図を極力作成し、受け手・出し手の理解を高めていくものとする。
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