Document

公共経営概論
第9回「NPO」
2015/11/24 and 12/7
1/14
NPOとは何か
1.非営利組織
• Non Profit Organization?
• Not for Profit Organization?
• NGO(Non-Governmental Organization)との違い
2.定義(サラモン著『台頭する非営利セクター』より)
• 公式に定義されていること
• 民間であること
• 利益配分しないこと
• 自己統治
• 自発的であること
• 非宗教的であること
• 非政治的であること
NPOの種類
1.広義
• 特定非営利活動法人 ・社会福祉法人
• 学校法人 ・医療法人 ・任意団体
2.狭義
• 特定非営利活動法人
3.海外
• イギリスーチャリティー
• フランスーアソシエーション
NPO登場の社会的背景
1.阪神・淡路大震災以前
• 1980年代後半から学生運動世代が任意団
体や有限会社形態で市民運動の発展系として
NPOを視野に入れ始める。また、中曽根政権以
降の小さな政府化が福祉分野の外部委託を推
し進める。
2.阪神・淡路大震災以降
• 多くのボランティアが参加したことで、市民の
力というものが再認識され、これ以降多くの
NPOが誕生し、特定非営利活動促進法へ
活動領域
• 1.政府・行政の対応を超える領域
• ① 福祉・教育・健康・貧困・コミュニティ再開
発・途上国の支援など政府・行政が独占して
きた領域。
• ② 政府・行政の縦割り的対応によって零れ
落ちてきた領域。
• 2.市場の対応を超える領域
• ① 政府・行政が規制してきた領域
• ② 市場規模が小さく利潤がでない領域
NPOの3つの世代
• 1.第1世代(1970年代から1980年代中頃)
• チャリティ(慈善)を中心に活動するNPO
• 2.第2世代(1980年代中頃から1990年代前
半)
チャリティと市場の境界領域で活動する
NPO
• 3.第3世代(1990年代中頃から現在)
• 市場を利用した事業を中心に活動するNPO
•
第1世代の存在理由
• 1.政府の失敗
• Weisbrod,B.A(1975),”Toward a Theory of
Voluntary Nonprofit Sector in a Three Sector
Economy”, Edmund,S.P(ed) Altruism, Morality,
and Economics Theory, Russell Sage
Foundation.
• 2.市場の失敗
• Hansmann,H.B(1980), “ Role of Nonprofit
enterprise”, The Yale Law Journal 89.
NPOの3つのパターン比較
(伝統的)慈善型NPO
監視・批判型NPO
(アドボカシー型)
事業型NPO
活動
チャリティ(無償)
政府や企業の監視と
政策提言(無償)
社会的事業(有償)
スタッフ
ボランティア・スタッフ
ボランティア/プロ併用
プロのスタッフ
組織運営
アマチュアリズム
アマチュアリズム
ソーシャル・アントレプレ
ナーシップ
行動原理
博愛主義
問題意識と批判性
効率性(市場競争、コア・コ
ンピタンスへの意識)
マーケティン
グ活動
受動的、マーケティング
意識はない
マーケティング意識の萌
芽(資源獲得において)
顧客志向、マーケティング
(資源獲得、サービス提供に
おいて)
資金
寄付・会費中心
寄付・会費中心
事業収益中心
企業・政府と
の関係
独立的
独立的
コラボレーション
形態の組み合わせ
1.監視・批判型NPO+慈善型NPO
•NPO法人NPO推進北海道会議+4つのNPO
2.慈善型NPO+事業型NPO
•NPO法人グリーンファンド+㈱市民風力発電
3.事業型NPO+事業型NPO
•NPO法人ねおす+NPO法人北海道山岳活動サ
ポートセンター
4.慈善型NPO+株式会社
•NPO法人パレット+㈱パレット
活動の性格
無回答
0. 3%
事業型
42. 0%
( N=2, 516)
慈善型
56. 4%
監視・ 批判型
1. 3%
http://www.smrj.go.jp/keiei/chosa/037362.html
マルチステイホルダー・コラボレーションの意味
•
•
•
•
企業とNPO
行政と企業
行政とNPO
行政と企業とNPO
⇒ 異質な組織間の協働は、社会的課題の解
決に必要な知識や能力を継続的に学習してい
くことが戦略的に求められるようになってきてい
る
⇒ それらが結果として評判、従業員の士気向
上、企業体質の変革や組織変革につながる。
11/52
Cross-sector Collaboration
• ふたつあるいはそれ以上のセクター間に所属する
組織による情報・資源・活動・実行能力の連結あ
るいは共有を通じて、単一のセクターでは達成し
えなかった結果を協働で達成すること
• エゴセントリック型:自律性を最大限生かした必要
資源の獲得
• 相互補完型:合いの手の持つ資源、スキル。情報
を活用し、単一では解決しえない課題を解決する
• ソーシャル・イノベーション型:新たな関係を構築し
ながら、相互に代替補完する関係を広げる。組織
のみならず地域社会や社会そのものを改善する
12/52