循環器診療で使える漢方薬.

循環器診療で使える漢方薬
平成27年5月鹿足郡研修会
(1)のぼせ、火照り、頭重感
・赤ら顔の人-「黄連解毒湯」
・体力中程度の人-「釣藤散」
(2)降圧薬の副作用の軽減
・Ca拮抗薬によるのぼせ・火照り
-「黄連解毒湯(寒性・涼性薬)」
・β遮断薬による冷え、脱力、倦
怠感-「真武湯(熱性、温性薬)」
(3)CKD合併症例
・蛋白尿の改善-「七物降下湯」
【高血圧】
○降圧効果を期待するのでなく高血圧随伴症状の緩和
(1)ふらっとするタイプ
•まずはー「苓桂朮甘湯」
•冷えがあるー「真武湯」
(2)フラフラする
•胃腸が弱く、どちらかと言えば
冷え性の傾向の人に
-「半夏白朮天麻湯」
【低血圧】
○自覚症状がある
(1)疲労感、体力低下がある低血圧
・補気剤ー「補中益気湯」
(2)糖尿病性自律神経障害の
起立性低血圧-「五苓散」
(なぜかわからないが効く、
西洋薬にプラス)
【低血圧】
○気虚(気の上昇力低下)に伴う(起立)低血圧の疲労感
○竜骨、牡蛎の含まれている薬
•元気がある-「柴胡加竜骨牡蠣湯」
•体力低下•お腹に抵抗がない
-「桂枝加竜骨牡蠣湯」
•体力低下•お腹に低下がある
-「柴胡桂枝乾姜湯」
•皮膚が乾燥しがち、胃腸元気、脈
が飛ぶ-「炙甘草湯」
【不整脈•動悸 】
不整脈自体を改善ではなく原因を治す
アップストリーム治療⇆ダウンストリーム
⇒無害性期外収縮の自覚症状の改善
○体液貯留のファーストチョイス
⇒「五苓散」
(難治性胸水に有効だった例もあり。)
○水が溜まった背景に炎症がありそう
な場合
⇒「柴苓湯(小柴胡湯+五苓散)」
(炎症を抑える漢方)
【 浮腫•心不全 】
○風邪をひかないこと
•ひかないためのー「補中益気湯」
•ひきそうになったらー「麻黄附子細辛湯」
(寒気が出た瞬間に)
○心不全•浮腫の標準治療に追加しては
・浮腫、心臓喘息-「木防己湯」
(注)補中益気湯の欠点=カリウムが多い
→浮腫など心臓の悪いひとは最小量から
【 浮腫•心不全 】
心不全予防のための感染対策(肺と心臓の関連)
☆西洋薬を優先
○原因の特定できない胸痛に
•喉から胸のつかえ-「半夏厚朴湯」
•冷えると痛む人-「当帰湯」
•瘀血の改善•目の下にくまなど
-「桂枝茯苓丸」
【胸痛性疾患ー狭心症、心筋梗塞とあえていわない】
○食事療法の手伝い
・お腹の張ったひと、
便秘がち、高血圧
-「防風通聖散」
(オウギー副作用に注意)
【 肥満の漢方治療 】
○甘草;循環器はカリウムの副作用に注意
•利尿剤、糖尿病、低カリウム
(キョウミノはグリチルリチン配合)
•芍薬甘草湯、小青竜湯など
⇒漢方薬+利尿剤の併用で他科に注意
○麻黄(エフェドリン)
•交感神経興奮、中枢神経興奮
⇒動悸、頻脈、血圧上昇など
【 循環器疾患で注意すべき漢方の副作用 】