視覚認知論 准教授 井田 博史

視覚認知論
准教授 井田 博史
1.授業のねらい・概要
見る、視る、観る―ヒトや動物は、
「みる」ことによって外界に関する多くの情報を獲得している。視覚とは物理的
な光刺激に対する感覚であり、網膜上の視細胞で感受された光エネルギーが電気的エネルギーに変換され、神経信号と
して脳中枢まで伝達されることにより光学情報が処理される。本授業では、視覚系における知覚や認知の過程について、
解剖学的構造や神経生理学的メカニズムの基礎的理論に始まり、さらに色、形、運動などに対する感受性特性などにつ
いて概説していく。
2.授業の進め方
主にプレゼンテーションソフトを用いたスライド呈示、および板書による講義形式で授業を行う。また、視覚認知的
現象を体験する内容も適宜導入する。
3.授業計画
1.ガイダンス
9.高次の運動検出
2.眼球光学系
10.奥行き手がかり
3.視覚系の神経生理
11.両眼視
4.眼球運動
12.空間視
5.光の強度
13.視覚的注意
6.色覚
14.形状知覚
7.時空間特性
15.まとめ
8.運動視
4.到達目標
視機能に関する基本的な生体機序を理解し、ヒトのもつ視覚による認知機能に対して論理的な説明を行えるようにす
る。また、錯視に代表されるような、生理学的に特有な光学情報の処理機能について、心理物理学的解釈とあわせて体
験的に理解していく。
5.準備学修に必要な時間,またはそれに準じる程度の具体的な学修内容
参考図書などを利用しつつ、シラバスおよび授業中になされる予告にもとづいて、週に 30 分程度の自習時間を確保
することが望ましい。また日常から、主観的に感じる視覚的もしくは認知的な現象について興味関心を持ち、学習した
内容を実体験できるように努める。
6.成績評価の方法・基準
授業態度や積極的取り組みなどの平常点を 30%程度、期末レポートによる課題点を 70%程度として総合的に評価する。
ただし、必要に応じて課題提出を求めた場合には、これも評価に入れる。
7.テキスト・参考文献
特に指定しないが、以下を参考図書とする。その他の資料は、必要に応じて授業中に配布する。
・
「視覚I(講座 感覚・知覚の科学1)
」内川惠二・篠森敬三(朝倉書店)
・
「視覚 II(講座 感覚・知覚の科学2)
」内川惠二・塩入諭(朝倉書店)
8.受講上の留意事項
特になし。