フラッシュ ストレージの使用による 総所有コストの削減

ホワイト ペーパー
フラッシュ ストレージの使用による
総所有コストの削減
従来のハード ディスク ストレージより低い
ネットアップのフラッシュ ソリューションの総所有コスト
ネットアップ、Paul Feresten、Rip Wilson
2013年12月 | WP-7194
概要
本ホワイト ペーパーでは、フラッシュ ストレージで得られる総所有コスト(TCO)における
メリットについて、従来のハード ディスク ストレージの環境で得られるメリットと比較しな
がら説明します。ネットアップのフラッシュ ストレージ ソリューションを導入されたお客様
の事例から、フラッシュ ストレージの活用が従来のハード ディスクよりも低いTCOの実現に
つながることが実証されています。
目次
1
多くの誤解 ............................................................................................................ 3
2
フラッシュは高速、高額だが、HDDより安い? ............................................................. 4
2.1 光熱費と運用コストを60%以上も削減................................................................................. 4
2.2 ラック数の削減でデータセンターの長寿命化 ......................................................................... 5
2.3 少しの量で長い効果 ........................................................................................................ 5
2.4 多くの量で非常に長い効果 ................................................................................................ 7
2.5 柔軟性、拡張性、互換性 ................................................................................................... 7
2.6 評判とサポート .............................................................................................................. 8
3
2
結論:総所有コストの削減 ........................................................................................ 9
フラッシュ ストレージの使用による総所有コストの削減
1 多くの誤解
ストレージ環境をアップグレードするためにフラッシュ ソリューションを導入してはどうでしょう
か。この提案に対する一般的な反応を、フラッシュ テクノロジと価格に関する多くの誤解を交え、
いくつか紹介します。
代表的な意見の多くは、一見、正鵠を射ているようです。これらの見解を総合すると、フラッシュ
テクノロジを企業のストレージ環境に利用することは賢明でないと強く印象付けられるでしょう。
• 「速いのは確かで、高い評価も耳にしたことがありますが、その分値段も高くて」
• 「今の環境で十分です。予算をかけ過ぎずに、あとラック2つ分のSATAドライブを追加できます。
12カ月はこれでしのげます。その後の1年間も、必要ならラックをいくつか増設できます。その
後どうするかは、また考えます。これが容量を増やす最も安上がりな方法です。今の環境で対応
できなくなったときは、いつもこの方法で対処してきました」
• 「フラッシュはよさそうですが、フラッシュとハード ディスク ドライブの両方を管理できるスト
レージ管理者を新たに雇う余裕がありません。時間と予算を費やして現職の管理者にフラッシュ
関連の研修を受けさせたとしても、新しいテクノロジは一朝一夕に習得できるものではありませ
ん。時間もかかり、慣れるまではミスもあるでしょう。すべてがコストに跳ね返ります」
• 「フラッシュはコンシューマ製品では成功しましたが、企業の環境で十分な実績があるかは疑問
です。当社のストレージ環境は、携帯電話よりも少しばかり高度です。お客様は、重要なデータ
とアプリケーションに安心して使用できる、実証済みのシステムの提供を望んでいます」
• 「データセンターに多額の投資をしました。さまざまな種類のハード ディスクの組み合わせを試
行錯誤し、やっと速度とコストのバランスがとれました。もっと速くて高価な新テクノロジがあ
るというだけの理由で、この投資を放棄したいとは思いません」
• 「最新の優れたテクノロジだからという、ただそれだけの理由で、当社の環境にはこの方がベス
トだと言ってソリューションを押し付けられるのは願い下げです。それはあらゆる状況に最適な
万能のソリューションではありません。丸い穴に四角いピースをはめ込もうとしないでください」
これらの見解に共通して見られるのは、フラッシュ ソリューションは企業のストレージ環境に適さ
ないという考えですが、もう1つの共通点は「どれも誤解」だということです。
企業のストレージ環境を支える1つのコンポーネントとしてフラッシュ テクノロジを評価する場合、
CIOやCTOは、ハードウェアの購入コストのみを考慮するのではなく、総所有コスト(TCO)に重点
を置く長期的で俯瞰的な目線を向ける必要があります。このような広い視野から、ストレージへの投
資を将来的に削減できることに加え、フラッシュ ソリューションの導入がお客様に多くの可能性を
もたらすことも考慮に入れるなら、ネットアップのフラッシュ製品が長期にわたって提供する価値の
大きさや、従来の回転式メディアに頼る環境と比べてずっと低いTCOを実現できることが実感できる
でしょう。
業界をリードするネットアップのフラッシュ ソリューション ポートフォリオは、お客様に常に好評
を博しています。一部のお客様にソリューションについて忌憚のない意見を求めた際にも、具体的な
導入事例として、ネットアップのフラッシュ ソリューションがTCOを削減すると同時にビジネスの
遂行を容易にする速度の向上を達成したことが明らかとなっています。
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フラッシュ ストレージの使用による総所有コストの削減
2 フラッシュは高速、高額だが、HDDより安い?
フラッシュ ストレージ ソリューションのギガバイトあたりのコストは低下し続けていますが、従来
のハード ドライブの購入価格と比べるとまだかなり高額です。しかし、TCOを基準にギガバイトあ
たりのコストを検討し、純粋な購入コストに目を奪われることなく、「ソフトな要因」であるデータ
センターの寿命の延長、運用コスト(電力や冷却などのコスト)の削減、柔軟性と拡張性の強化、フ
ラッシュ ソリューションならではの優れたサービス レベルなどを考慮するなら、ネットアップのフ
ラッシュ ソリューションは回転式メディアと肩を並べるところに迫ります。
企業は多種多様です。ネットアップのフラッシュ ソリューションは導入時にさまざまにカスタマイ
ズされ、入力はTCO削減に貢献するよう調整されます。したがって、ネットアップのフラッシュ ソ
リューションが企業間、または異業種間に与える影響を正確に数量化するのは困難です。ただし、
ネットアップのフラッシュ ソリューションを導入したお客様の実例から、これらのテクノロジが企
業のTCOに与える影響を分析したところ、フラッシュ テクノロジが目立ってコストの削減を促進し、
ビジネスの成長に寄与できる分野が明らかとなっています。
2.1 光熱費と運用コストを60%以上も削減
ネットアップのフラッシュ ストレージ ソリューションは、比較的低い電力で動作し、使用中の発熱
による温度もかなり低くなります。金融サービス業向けのポートフォリオ分析ソリューションの代表
的なプロバイダであるStatProは、Flash Pool™を最近導入し、年間8,500ドルのコスト削減を達成
しました。StatProの社内インフラ チームを率いるMike Marechal氏は、こう語っています。「コス
ト面で、つまり電力とラック スペースのコストという意味で、フラッシュの使用は年間約8,500ド
ルの節約になっています」。この数年、この節約は、ハード ドライブを使用した場合に予想される
ものより多くの運用コスト削減に貢献しています。「経験から言って、シェルフ半分の消費電力は、
シェルフ一杯の450ギガバイトの回転式ディスク(1台の15Kフラッシュ ドライブ)の消費電力と比
較して、約60%から75%節減されます」と、Marechal氏は語っています。
ネットアップのフラッシュ ソリューションは、従来の回転式ディスクと比べて可動部品が少ないだ
けでなく、回転式ディスクを定期的に交換するためのメンテナンスの頻度も減らせることから、運用
コストの削減にも貢献します。会計 / コンサルティングの大手Frazier & DeeterがFlash Poolの導入
を決めた理由について、IT担当エグゼクティブ ディレクターは、回転式ディスクを追加すれば「メ
ンテナンスがもっと必要になります。なぜなら、不具合を起こすディスクが増え、交換するディスク
が増えるからです」と、説明しました。このような継続的なメンテナンスによって、従来のハード
ディスクのTCOは、ネットアップが提供するソリッドステート製のソリューションと比べて多くなり
ます。
フラッシュを部分的または全面的に導入した環境で電力や冷却の需要が著しく低下することは、長い
目で見ると、フラッシュ ソリューションの高額な初期コストが、光熱費と運用コストの削減によっ
て相殺されることを意味します。企業が負担する光熱費に現れる年間運用コストの削減効果は、ネッ
トアップのフラッシュ ソリューションのTCOが回転式ハード ディスク ドライブのみで構築された同
規模のソリューションのTCOよりも少ないことを実証する、わかりやすく、また数値で表せるメリッ
トです。電力と冷却のコスト削減によるメリットはもう1つあります。ネットアップのフラッシュ ソ
リューションを導入すれば、「環境に優しい」エネルギー効率に優れた企業というイメージ作りにも
一役買います。
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フラッシュ ストレージの使用による総所有コストの削減
2.2 ラック数の削減でデータセンターの長寿命化
TCOの削減につながるフラッシュ ソリューションの一連のメリットのなかでも、最も多くの導入先
で最高に目立つ形で現れる「ソフトな」効果として、ラックの増設ペースが抑えられることが挙げら
れます。これは、お客様のデータセンターの寿命を延ばすことにつながります。従来は、ストレージ
への需要が増えると、ハード ディスクの増設で対応しました。多くの場合、このような拡張には
ラックの追加が必要で、高額な不動産であるデータセンターのフロアが確実に消費されます。
「ストレージは、おそらくデータセンターの床面積の約50%を占めます」と、Virtustreamの製品管
理担当副社長、Brian Gracely氏は語っています。同社は、クラウドと仮想化のソリューションを企
業、政府機関、サービス プロバイダの顧客に提供し、急成長を遂げている高度に革新的な企業です。
Virtustreamでは、ストレージ需要の増加に対処するため、Flash PoolやFlash Cache™などのネッ
トアップのフラッシュ ソリューションを採用しました。これにより、clustered Data ONTAP®ソ
フトウェア プラットフォームがインテリジェントにキャッシュされ、フラッシュが最適化されます。
これらのソリューションは、Virtustreamのデータセンターにおける拡張ニーズを劇的に減らし、将
来的に必要となる投資を抑え、ネットアップ フラッシュ ソリューションの低TCOに貢献しました。
「フラッシュの導入で、5分の1~10分の1の統合比率が得られています」と、Gracely氏は語ってい
ます。「優れたパフォーマンスを提供でき、設置面積も多くを必要としないフラッシュのおかげで、
1四半期から半年程度はストレージ ラックの追加を先送りできます」と、Gracely氏は語り、フラッ
シュの利用がVirtustreamにもたらすメリットは「回転式ディスクのラックを設置するために必要な
床面積を大幅に削減できたことです。これまでは、どのようなペースで容量を増設し、データセン
ターに新しいスペースを空ければよいかを決めるため、プランを見直し、多くの計算を処理する必要
がありました」と、指摘しています。
StatProでは、必要とされる高度なパフォーマンスをハード ディスクより低コストで実現できると結
論し、ネットアップのFlash Poolを採用しました。Marechal氏は、こう説明しています。「同レベ
ルのパフォーマンスの提供に必要な回転式ディスクを購入する場合と比較したところ、Flash Poolの
コストが低いことは歴然としていました」。それは「単にハードウェアそのものが安いだけでなく、
必要なラック スペースや電力も少ないのです。コロケーション施設にラックを追加で取得する必要
がないことは、即座に得られるメリットでした」。さらに検討を進めた同社は、NetApp EF540など
のオールフラッシュ製品を採用すれば、データセンターのスペースと電力をいっそう削減できると結
論しました。「オールフラッシュ アレイを導入すれば、膨大なIOPSを狭い面積で提供できるので、
設置面積を大幅に削減できるでしょう」
ある大手電子機器メーカーは、ネットアップのオールフラッシュ製品EF540への切り替えでデータセ
ンターの規模を縮小しました。「以前は従来型のストレージを使用し、4つのデータベースが32から
44のRACユニットを占めました。現在では、ベース サーバーがわずか8つのRACユニットに収まっ
ています。以前と比べて、全体の設置面積は4分の1に減りました」
ネットアップの製品が提供する優れたパフォーマンスとデータセンターの設置面積削減の効果により、
将来の運用コストを含め、ネットアップのソリューションが提供するTCOはハード ディスクよりも
低くなります。
2.3 少しの量で長い効果
フラッシュの最大の長所はパフォーマンスです。ネットアップのフラッシュ ソリューションが、
HDDのみで構築された環境を大きくしのぐパフォーマンスを提供することは、紛れもない事実です。
ネットアップのハイブリッド ソリューションであるFlash PoolとFlash Cacheは、お客様のHDD環
境に比較的少量のフラッシュ ストレージを追加することでパフォーマンスの向上を達成します。わ
ずかな量のフラッシュを追加しただけでパフォーマンスを長期にわたって向上することができ、併せ
てデータセンターの使用効率も高めることができます。これらのソリューションで非常に低いレイテ
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フラッシュ ストレージの使用による総所有コストの削減
ンシが実現されるため、企業は業務を迅速に進めることができ、社内外にSLAを提供し、ユーザ エ
クスペリエンス全般を向上できます。ネットアップのフラッシュ ソリューションは、業務効率の向
上により、お客様のコストを削減します。従来の回転式メディアと比べて、フラッシュではTCOの削
減も二次的な効果として得られます。
仮想化とクラウドのサービスを大企業の顧客に提供する大手プロバイダであるVirtustreamは、アッ
プタイムだけでなくアプリケーションの可用性と応答性も保証する厳しいサービス レベル契約
(SLA)を提供する必要があります。Virtustreamでホストするアプリケーションの多くは、顧客の最
重要のアプリケーションです。ERPやサプライ チェーン管理などの機能が含まれているため、万が
一障害が発生すれば取り返しのつかない影響を顧客に及ぼします。Gracely氏は、こう説明していま
す。「お客様は、数年の試行錯誤の末に特定の応答時間を達成しています。パートナーとの連絡方法
や、支払いなどの取引の進め方がどうであれ、肝心なのは応答時間が希望どおりに維持されるかです」
このような包括的なSLAを一部でも守れない場合、Virtustreamは高い確率で顧客に損失を与えるこ
とになります。SLAは顧客が利用するサービスとストレージの階層によって異なりますが、
Virtustreamのサービスが他社との競争で優位に立つうえで重要な差別化要因とされています。多様
な階層の提供とSLAの達成は、ネットアップのフラッシュ テクノロジに支えられています。Gracely
氏は、こう語っています。「導入したおかげで、アプリケーションを適切に整える柔軟性をお客様に
提供することができ、またお客様に提示できる料金プランの多様性という点でも柔軟性を得ることが
できました。また、適用するかどうかをお客様の個別の要件に基づいて決める際に、きめ細かい対応
力も得られます。これは、非常に大きな魅力です。パフォーマンスと価格の最適なバランスをお客様
に選んでいただけることは、当社が市場で競争力を持つうえで極めて重要です」
StatProは金融サービス向けのソフトウェア企業なので、顧客企業から月末に求められる需要は途方
もないレベルに達します。Marechal氏は、こう説明しています。「直面する問題の1つは、お客様が
みなVMwareを利用し、当社のデータセンターでホストするデータベースに接続している状況で、月
末にいっせいにレポート作成を実行することです。負荷のピーク時にあらゆるものが月の同じ期間に
行われます」。Marechal氏の説明は続きます。「クライアントを追加して対応しましたが、残念な
がらレイテンシも伸びていました。ストレージに関して、非常に大きな課題を突き付けられたのです。
数百のデータベースと数百のクライアントが、いっせいにストレージ アレイに殺到していました。
レイテンシが急激に増え、クライアント、特に規模の大きなクライアントから応答が遅くなったと指
摘されるようになっていました。クライアントは不満を募らせました」
レイテンシの増加がビジネスの成長持続を大きく脅かすことを理解していたStatProは、ソリュー
ションを探し始めました。その候補の1つがFlash Poolでした。「ディスク ドライブの増設を検討し
ました。また、ソリッド ステートもオプションとして検討しました。分析を重ねた末、最終的には
Flash Poolが優れていると判断しました。当時の平均レイテンシは約20から30ミリ秒で、ときに
100ミリ秒にまで急増することがありました。かなり深刻な数値です」。Marechal氏は、レイテン
シにほとんどすぐに改善が見られたと想起します。「Flash Poolを導入すると、平均レイテンシは約
5ミリ秒に低下しました。その後、あるクライアントから、この改善に気が付いたこと、非常に喜ん
でいることが伝えられました」
Flash Poolは、StatProのレイテンシを驚くほど改善しましたが、それ以上に重要な成果は、お客様
を喜ばせたことです。これは、同社がビジネスの成長を維持するうえで大きな力となるでしょう。ま
た、Marechal氏は、Flash PoolがStatProの既存の環境と互換性があるおかげで、さらにコストが削
減されたことにも言及しました。「当時の環境はすでに相当な規模でしたので、新たにフラッシュ
ストレージ アレイ全体や新しいディスク、新しいコントローラ、あるいはそういったものすべてを
丸ごと買い直すのではなく、ネットアップのフラッシュ ディスクをいくらか導入し、Flash Poolア
グリゲートを既存のネットアップのアグリゲート上に作成して既存のクライアントとデータベースを
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フラッシュ ストレージの使用による総所有コストの削減
高速化するだけに留めました。これらには、どれも圧倒的な利点があったのです。少しの投資で、パ
フォーマンスに多大なメリットが得られました」
2.4 多くの量で非常に長い効果
お客様によっては、高いレベルの顧客サービスを提供するため、桁違いの速度をお求めの場合があり
ます。このような要望を満たすため、ネットアップのオールフラッシュ ソリューション、EF540は、
従来の回転式メディアでは到底不可能な猛烈な速度を実現します。回転式ディスク環境とEF540でレ
イテンシがどれほど違うのか、ある大手電気メーカーの担当者はこう語っています。「条件がとても
良いときでも、およそ8から10ミリ秒で、平均すると約12ミリ秒でした。それが、フラッシュの導入
で単位がマイクロ秒になったのです。EF540では、読み取りに約500マイクロ秒、書き込みに約800
マイクロ秒。1ミリ秒を優に下回ります。おおよそ100倍の速さになりました」。その結果、顧客プ
ロファイルを保存するOracle®データベースをサポートしながら発注処理を支えるNetApp EF540が
提供する速度は、顧客満足度を維持し、最先端の製品作りへの取り組みを続けるうえで、絶対に欠か
せないものとなりました。「Webサイトが素早くきびきびと表示されるなら、そのサイトに長く留
まってあちこちのページを開き、さまざまなものをチェックして何かを購入する可能性が大きくなり
ます。嫌われるのは、何かをクリックするたびに待たされることです。しまいに待ちくたびれて、ど
こか他の場所に行ってしまうでしょう」
2.5 柔軟性、拡張性、互換性
ネットアップのフラッシュ ソリューションがTCOを間接的に減らすもう1つの大きなメリットとして、
これらの製品が提供する柔軟性と拡張性が挙げられます。ネットアップでは、フラッシュに最適化さ
れたアーキテクチャとして最先端のclustered Data ONTAPソフトウェア プラットフォームから幅
広いラインナップを誇るストレージ製品群までが構築済みなので、フラッシュ ソリューションを製
品ラインのどこにでもポートフォリオ レベルで導入できます。最もフラッシュに最適化されたプ
ラットフォームを使用できるということは、ネットアップの全製品が基本的に「プラグアンドプレイ」
で使用できることを意味します。Data ONTAPソフトウェア プラットフォームを基盤として、この
ように幅広い互換性を備え、導入の簡単なネットアップのフラッシュ ソリューションは他のスト
レージ システム ベンダーの製品とは一線を画しています。
フラッシュ ソリューションの導入をご検討のお客様は、ほとんどのケースで、事業にとって意味の
ある成長を経験しているか、そうなることを期待しています。お客様が求めるストレージ ソリュー
ションは、ITインフラへの大々的な投資や再設計を必要としないで事業とともに成長できるソリュー
ションです。ネットアップのフラッシュ ソリューションなら、容量を容易に追加して成長に迅速に
対処できます。ネットアップ ストレージ環境をすでにお使いであれば、これはさらに容易です。既
存のストレージ インフラとの拡張性と互換性があることは、ネットアップのフラッシュ ソリュー
ションの大きな利点です。ストレージ容量への新たな投資を先行させなくてもビジネスの成長を追求
できる柔軟性があるからです。
Virtustreamの顧客は大企業が多く、即応性と拡張性は特に重視される能力です。Gracely氏は、同社
が求めるものをこう説明しています。「当社のビジネスにとって最大の課題の1つ、特にお客様が大
企業の場合の課題は、当社が今日提供できる全容量の50%以上、あるいは100%が必要とされる取引
が明日合意に至る可能性があることです。ストレージ システムは、高い柔軟性があり、非常に大きな
データ、つまり非常に大きな容量を追加できる能力があり、それを非常に迅速に行える必要がありま
す」。Gracely氏は、ネットアップがVirtustreamの課題をどう解決したかについても語りました。
「フラッシュをかなりシームレスなコンポーネントとしてシステムに追加できるのは素晴らしいことで
す。ネットアップがユニファイド ストレージ—ブロック ストレージだけでなくファイル ストレージ
も提供することができ、バックアップやDRなどの機能も統合したテクノロジ—によって提供するもの
は、当社が提供するサービスの効率性とコスト面での効果を高めるのに役立ちました。ネットアップ
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フラッシュ ストレージの使用による総所有コストの削減
のclustered Data ONTAP テクノロジのおかげで、お客様に不便を強いたり、当社のシステム運用を
大幅に変更したりせずに、システムを拡張し、容量を継続的に追加することができます」
StatProは、搭載ソフトウェアの異なる複数の製品モデルを運用し、それらの異種システムを管理す
るために必要なスキルを整える必要があることに不満を募らせた末、数年前にネットアップの製品に
移行しました。Marechal氏は、ネットアップの製品の優れた拡張性、そしてソフトウェアとプロト
コルがモデル間で統一されていることが、StatProにとって大いに魅力だったと語っています。
「ネットアップが素晴らしいのは、2000シリーズだろうが6000シリーズだろうが自由に選べて、1台
を管理する方法がわかっていれば、他の装置も管理できることです。同じプロトコル、同じソフト
ウェア、すべてが同じ。当社にとって大変なメリットでした」。さらにFlash Poolの導入がいかに簡
単だったかに話は進みます。「Flash Poolを使うために、トレーニングを新たに実施したり、新しい
スキルを持つ人材を雇ったりする必要はありませんでした。ただ差し込んで、後は動かすだけでした。
経験したなかでも最高に簡単な導入の1つです」
Virtustreamがネットアップのフラッシュ ストレージ ソリューションを導入する際に経験したこと
は、フラッシュを他のストレージと同じ方法で管理できる点で、StatProのケースとそっくりでした。
Gracely氏は、特別なスキルがなくてもネットアップのフラッシュ ソリューションを導入できたこと
をこう想起します。「運用面では、フラッシュ ストレージを管理するためだけに誰かを雇う必要は
ありません。ストレージと容量、DRを包括的に管理するストレージ管理者を雇いました。フラッ
シュはその一部として管理されるので、人員の数やトレーニングという意味で追加のコストは発生し
ません」。フラッシュとHDDの両方のストレージに通じたストレージ管理者を新たに雇う必要はな
いため、ネットアップ フラッシュ ソリューションのTCOはさらに低下します。
2.6 評判とサポート
評判は重要です。ネットアップの名前は広く認知され、大きな敬意をもって語られています。グロー
バルな企業であるため、製品は厳格にテストされ、要求の厳しいたいていの環境でその性能は実証済
みです。お客様、特にサービス プロバイダのお客様は、データが安全であり、必要なときに利用でき
ることに確信を持ちたいと思っています。エンタープライズ フラッシュ製品のような新しいテクノロ
ジを扱う際は、自社データを業界で最も認知された名前の1社に委ねることで安心感が得られます。
Marechal氏は、エンタープライズ フラッシュ ストレージ製品でテストが比較的徹底されていないカ
テゴリには安定性や信頼性に不安があることを承知しています。「ソリッド ステート ディスクにつ
いて、全般的な信頼性に多少の不安を抱く人は多いようです」と、Marechal氏は述べつつも、Flash
Poolを導入してから1年が経過し、そういった心配は杞憂に終わったと説明します。「この1年間稼
働した経験から言えるのは、現在に至るまで障害は発生しなかったということです」
Gracely氏によれば、多くのVirtustreamの新規顧客は、社内データとVirtustreamでホストされる
データとの相互運用性に不安を抱きます。「あるレベルの不確実性があるため、クラウドと仮想化を
当社から利用するお客様は、当社が使用する機器の種類、機器を運用する方法、当社が抱える認定資
格取得済みの人員の数、バックアップとレプリケーションのために既存のシステムをVirtustreamの
システムにシームレスに確実にリンクできるかどうかなどを確認したいとおっしゃいます」。
Gracely氏の説明では、このような顧客の懸念はネットアップのフラッシュ ソリューションで解消さ
れます。「ネットアップのフラッシュ ソリューションのおかげで、当社はシステムの品質をお客様
に保証することができ、お客様か当社のどちらかがネットアップに何かを求める場合も誰かが電話に
答えてくれるという安心感を与えることができます。これが当社に最大の収益をもたらします。凡百
のフラッシュ システムのベンダーには真似できないことです」
多くのベンダーがさまざまなフラッシュ製品を企業向けに販売していますが、ディスクに替わるソ
リューションを評価する際は、ネットアップのような広く認知され、高い信頼を勝ち得ている企業か
8
フラッシュ ストレージの使用による総所有コストの削減
らのサポートがストレージ ソリューションのTCOに寄与することが、どれほどの値打ちを持つかを
考慮してください。
3 結論:総所有コストの削減
CTOやCIO、IT部門調達担当者は、ストレージ環境のアップグレードや拡張を検討する際に、箱に貼
られた値札にとらわれずにTCOにもっぱら目を向ける必要があります。「ハード コストのほかに、
冷却、設置スペース、電力などのソフト コストもかかります。これらは計算式に入れない人が多い
コストです」と、Frazier & DeeterのIT担当エグゼクティブ ディレクターは指摘します。このよう
なソフト コストは、企業によってまちまちであり、ストレージ ソリューションの真のTCOを知るに
は重要なものです。フラッシュ ストレージ ソリューションは、額面は従来のハード ディスク スト
レージより高価ですが、このホワイト ペーパーで紹介した多くの導入例でわかるとおり、そのTCO
は従来のストレージと比べて大幅に少なくなります。デバイスの購入価格だけでなく、ソフト コス
トとして、ネットアップのフラッシュ ソリューションの明らかに低いOPEX(運用コスト)やフラッ
シュ ソリューションならではの優れたパフォーマンスのメリットも考慮するなら、従来の回転式メ
ディアのTCOと比べてネットアップのフラッシュ ソリューションのTCOがどういったものなのかが、
より総合的な観点から理解できるでしょう。
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フラッシュ ストレージの使用による総所有コストの削減
本ドキュメントに記載されている製品や機能のバージョンがお客様の環境でサポートされるかどうかにつ
いては、ネットアップのサポート サイトでInteroperability Matrix Tool(IMT)を参照してください。
NetApp IMTには、ネットアップがサポートする構成を構築するために使用できる製品コンポーネントや
バージョンが定義されています。サポートされているかどうかは、お客様の実際のインストール環境と公
表されている仕様によって異なります。
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