10/24,25 スーパー耐久レースシリーズ2015 第6戦

スーパー耐久シリーズ 2015 第6戦
スーパー耐久レース in 鈴鹿サーキット
【自らのS耐チャレンジ】
2015 年 10 月 22 日~10 月 25 日
<近藤真彦監督とケント・オハラ氏(日産自動車常務執行役員)を囲んで>
編集者
一級自動車工学科4年 藤田誠人
一級自動車工学科1年 川辺 樹
一級自動車工学科3年 本橋 了
自 動 車 整 備 科 1 年 榎本 亘
一級自動車工学科2年 吉田大樹
専門学校
日産愛知自動車大学校
このプロジェクトは下記のパートナー企業に支えられています
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レース結果
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24 日(土)予選
天候に恵まれ快晴でスタートしました。Aドライバーの星野選手は2番手のタイムで好調をキープし、Bドライバ
ーの藤井選手は ST-X クラスでコースレコードとなるタイムで見事1位を獲得しました。両ドライバーの合計タイムで
はトップに僅か 0.039 秒届かず予選2位でフロントローからのスタートとなりました。ピットでは学生達から歓声が
上がり大きな拍手がありました。明日の決勝に向けて気合の入る予選結果になりました。
25 日(日)決勝
決勝も晴天に恵まれて、午後 1 時にフロントローからレースがスタートしました。スタートドライバーは高星選手
で、3 周目の 1 コーナーで早くもトップの#8 ARN AMG SLS をインから追い抜き、24 号車は首位に順位を上げまし
た。ピットからは大きな歓声があがりました。スタンドは応援学生から見える所でのオーバーテイクで興奮した様子
でした。 しかし、5 周目を走行中に左後タイヤのバーストが発生してしまい、ゆっくりピットへ戻ってきました。タ
イヤを交換後すぐにリスタートしましたが 15 周目にも再び同じ左後タイヤにバーストのトラブルが発生しました。2
回目のバーストはタイヤがフェンダーに接触して車両の一部を破損し、修理が必要な状況になりました。車両はその
ままピットインして、ガレージに押し戻されて修復となりましたが、メカニックの迅速な作業で約 15 分という早業で
修復を完了し、タイヤ交換とドライバーを藤井選手に交代をして、ピットアウトしました。戦列に復帰したものの、
43 周目にも同様のタイヤバーストでピットインしました。予定していたピットインの時期と重なったため、タイヤを
交換し、星野選手に最後を託します。コースに 8 位で復帰後、ペナルティを課せられましたが順位を最終的に 2 つ上
げて 6 位でゴールしました。
今回は何度もタイヤトラブルが発生したり、セーフティーカーが何度も出動するなど荒れたレース展開になりまし
た。テクニカルのスタッフはレース中のトラブルに対応するメカニックの素早さに驚き、邪魔にならないようにする
のが精一杯でした。またレース後には学生の動きについて指導していただき、レースだけではなく学生の動きもしっ
かり見ていただいていることに「やはり、プロフェッショナルは凄い」と実感しました。
10 月 25 日(日) 天候:快晴 路面状況:ドライ
順位
ゼッケン
チーム・マシン
ラップ
タイム
1
1
GTNET ADVAN C-WEST GT-R
73
3:01’29.931
2
16+
REAF REAL ESTATE KiiVA BMW
73
3:02’10.013
3
3+
ENDLESS・ADVAN・BMW
73
3:02’17.331
6
24
スリーボンド日産自動車大学校 GT-R
65
3:03’34.008
24 号車は年間総合成績クラス3位を獲得!
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今回、鈴鹿サーキットでの最終戦に愛知校学生が参加しました。学生スタッフは昨年度の経験者を中心に新しい
メンバーを加えて構成しました。今回も「テクニカル・マネージメント」「ドライバーサポート」
「広報」の3領域に
分けてそれぞれの作業を進めていきました。各領域別に作業内容とグループのリーダーが気付いたことを集約してレ
ポートします。
~テクニカル・スタッフ~
テクニカル・スタッフは KONDO
Racing のメカニックと共に車両の整備などをする仕事です。
・タイヤ
タイヤに進行方向や組み付ける場所のマークを書いたり、交換後のタイヤを掃除します。仕事の指示としてはタイ
ヤを綺麗にすることですが、タイヤとホイールの表面にひびや傷が無いことを確認しながらの作業となります。自分
がチェックしたタイヤに異常が無いか真剣に作業する必要があります。この作業は走行後のタイヤ温度が予想以上に
熱くなっていて大変な作業でもあります。リーダーは掃除だけでなく、タイヤのチェックがしっかりされているか作
業を見守りました。そして何より怪我の無いように後輩を指導していました。重要なタイヤ作業は色々なところに気
を配らなければならなくて、学生達が油断しないようにリーダーも注意しながらの作業となりました。
・アライメント
今回は、車両のアライメント調整を手伝うことが出来ました。普段できない作業が行えて、学生も目を輝かせて作
業をしていました。タイヤの調整だけでなく、路面とアンダーカバーとの隙間、リヤウィングの左右のバランス、ホ
イールベースなどの調整を手伝いました。車のバランスはエンジンやタイヤの性能と同じくらい、早く走るために重
要な要素だと教えていただきました。そして見た目ではわずかな違いでも大きく走行に影響するとのことでした。こ
こでのリーダーは興奮気味に作業をしていた学生に冷静になるよう指導したそうです。
〈今回の活動で学んだ事をリーダーに聞いて見ました〉
一級 3 年
水野
隆仁
今回でS耐の参加が 3 回目です。初めて参加したときに学んだことは、
「言われたことだけをするのではなく、それ
以上のことを自分自身で考えて作業することの大切さ」です。2 回目の参加ではこのことを意識してできました。今回
はリーダーとしての参加なので、自らが率先して作業することよりも、後輩たちが積極的な行動がとれるよう影で支
えることを目標としました。初めはうまく指示が出せずに見ているだけのスタッフがいたりしましたが、時間と共に
上手く指導できるようになりました。経験の浅い1年生は指示通りに作業することに集中していますが周りを見て視
野を広げることで新たな仕事が見つけられる事を教えることができたと思います。日曜日には率先して作業に取り掛
かるスタッフを見て指導の成果を感じました。
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~マネジメント・スタッフ~
学生はスリーボンドのスタッフと共に、お客様の応対やピットウォークで商品を配ったりする仕事です。
・ホスピタルルーム
シェフの指導を受けて、キッチンカーの準備やテーブルやイスの設置をします。鈴鹿サーキットでは他のサーキッ
トで行っているテントの設営ができません。チームオフィスという部屋へテーブルと椅子のセッティングをするので、
配置を決めるのに試行錯誤しました。お客様に料理を美味しく召し上がってもらえるようにレイアウトまで考えると
ころに驚きました。レイアウトを決めて荷物を運ぶ仕事だと甘く見ていましたが、重要な作業であることが理解でき
ました。シェフの指導はきめ細やかで販売会社での接客応対に向けて良い経験ができました。
セッティングのできたホスピタルルームにお越しいただいたお客様をテーブルにご案内し、料理や飲み物の提供を
します。その際にお客様に料理の説明もします。慣れない接客で緊張してしまい、うまく話せないスタッフにはリー
ダーが様子を見てお客様に話しかけるタイミングを教え、学生から声をかけられるように指導しました。リーダーと
して学生スタッフの気持ちになって指導しないと学生達にも上手く伝わらないことがあり、苦労しました。
・ピットウォーク
ピットウォークの事前準備やスポンサーと学校の登り旗を用意し、大きな声でスポンサー名を言いながら商品を配
る仕事をします。事前準備では、ピットウォーク中に配る商品の陳列やドライバーのテーブルやイスを用意します。
初めは簡単な作業と思い、リラックスしてピットロードへ向かいましたが、いざ始まると人の多さとプレッシャーに
押しつぶされそうになりました。開始直後は恥ずかしさから大きな声がだせなかったりしましたが、まずはリーダー
自らが大きな声で応援をお願いしました。リーダーとして学生スタッフのサポートも大切ですが、率先垂範の重要性
も合わせて学ぶことができました。
〈今回の活動で学べたことをリーダーに聞いて見ました〉
一級 3 年
岡安
雄也
事前に聞いていた予定が変更になることが多く指示が混乱してしまいました。
その場で臨機応変に対応しましたがコミュニケーションがとれていないと実感し
ました。宿舎に戻ってグループでミーティングを行い、仲間意識を醸成すること
でコミュニケーションを取りやすい環境を作りました。翌日からは学生間で連携し
て作業が行えるようになりました。人は色々な考え方があって、その個々を理解す
ることでお互いが理解しやすくなります。グループのメンバーを理解してうまく
指示が出せたときには達成感がありました。
-4-
~ドライバーサポート~
・ドライバーサポート
ドライバーサポートはドライバーやチームスタッフが快適に過ごせるようにサポートをしました。 主に KONDO
Racing のスタッフから指示を受け,ドライバーが快適に運転できるようにサポートをしました。具体的にドリンクやタ
オルをドライバーに用意したり、コミュニケーションを取ったりします。ドライバーサポートはドライバーやメカニ
ックと間近で話をする機会があり、運転のテクニックや車のセッティングの話、所有している車など興味深い話を聴
かせていただきました。また打ち解けるまではとても近付き難かったメカニックの方と話してみると気さくな人たち
だと気付きました。右も左も分からない学生達を忙しい作業の合間に見ていただき、色々教えていただきました。
日曜日には仕事の理解もすすみ、指示を待たずに作業を進められる場面が多くなりました。リーダー、学生スタッフ
共にコミュニケーションを取ることと積極的に仕事にかかわっていくことで自ら考えて行動できるようになり「少し
は成長できた!」と実感することができました。
〈今回の活動で学べたことをリーダーに聞いて見ました〉
一級2年
澁谷
真輝起
ドライバーサポートとして2年目の参加です。藤井選手や高星選手は昨年も
お会いしていて面識があったのですが、星野選手とは初めてで中々話しかける
ことが出来ませんでした。しかし「このままではいけない」と思い、勇気を出し
て話しかけてみました。すると思っていたより気さくな方でいろいろお話をする
ことができました。やはり新しい活路を見出すには自らが行動を起こしていくこと
が必要だと思いました。また3年生の先輩と一緒にペアを組むということで若干緊張しましたが、これも自ら話しか
けることで打ち解けてコミュニケーションが取れるようになりました。普段の学校生活では消極的なところが自分に
あると気付いています。今回のS耐で自分から多くの人に話しかけることを目標にして実行し、積極的な行動がとて
も重要だと分かりました。
~広
報~
広報の仕事は写真を撮ったり、ドライバーなどにインタビューをし、学生の活動をレポートにします。
広報は多くの方々と関われるので、モータースポーツの裏側や、自分の知らない事を学べるのでとてもやりがいのあ
る仕事です。
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・広報活動
広報はレポートに載せるための写真を撮影します。写真は自分が撮りたいと思う物やレポートに必要だと思ったも
のを撮り、その中からから厳選してレポートに掲載します。車の写真も撮りますが、一生懸命に作業をしている学生
をメインに撮影します。闇雲に撮影するのではなくレポートの構成を考えて写真を撮るため、事前の段取りがとても
重要になります。インタビューは自ら交渉して予定を組み立て、質問は自分たちで内容を考えて行います。今回はド
ライバーやレース実況の辻野さん、レースクイーンに ENDLESS と多くの方にご協力いただきました。その他にも多
くの方が学生の活動に賛同してくれていて、他チームにも話を聞くことができました。また、レポート作成について
は、KONDO Racing 河野さんの講座を受け、見て下さる方に分かりやすく楽しんでもらえるように写真の配置や文章
を工夫するようにアドバイスをいただきました。そしてこのレポートは何度も試行錯誤を重ねて完成させました。
〈今回の活動で学べたことをリーダーに聞いて見ました〉
一級3年
本橋
了
広報は周りから見ると車の写真を撮っていたり、レースの様子をモニターで見て
いたりと一生懸命さが伝わりにくい活動です。リーダーに選ばれた時は、「楽な
仕事になった」と正直思いました。しかし実際にはすべての活動内容を自分たちで
考えて決めなければなりません。他の領域のようにプロが指導してくれることは
ありません。事前に他校のレポートを確認したり、レースやイベントの時間を確認
して担当者を割り振ったりと、暇な時間はほとんどありませんでした。またレポー
トの講座では想像していた以上に文章で人に物事を伝える難しさを知りました。いかにレポートを読んでくれる人に
わかりやすく学生の活動を伝えるかがとても難しく、何度もレポートを修正しました。そのおかげで他人に物事を伝
える難しさと重要性を知ることができました。次回参加することができれば、もっと高い目標を設定して果敢にチャ
レンジしていきたいです。
・近藤監督とケント・オハラ執行役員の挨拶
「今回、予選が 2 位でマシンの調子がよく、メカニッ
クがいい仕事をしている。最終戦は絶対に勝ちたい!」
と意気込みを語っていただきました。スタッフや学生全
員が「レースで勝つ!」と共通の認識を強く持ち、全体の
士気が一気に上がりました。また、ケント・オハラ執行役員
からも激励のコメントを頂くことができました。学生は普
段聞くことのない英語のお話を真剣に聞き入っていました。
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~講 座~
レースウィーク中に多くのスポンサーの方々による講座も行われました。各スポンサーによる講座を受ける学生の
様子を写真と共に紹介します。
・JVC
KENWOOD(オーディオ機器メーカー)
カーナビ・オーディオ機器に関するお話をしていただきました。イヤホン・ヘッドホンや実際に最新のカーナビと
ハイレゾのスピーカーが搭載された車を体験させていただきました。学生達はそれらを自分の手で触れながら最新技
術を体感して、高音質スピーカー体験ではその性能の凄さに「ここまで違うのか!」と驚いていました。
・ThreeBond(接着剤メーカー)
クルマに使用するシール剤と呼ばれる接着剤を中心に、製品に実際に触れながら講座を受けました。接着剤の性質
を知る実験を、学生達は楽しそうに行っていました。その中で学生達はボンドが固まるときに予想以上に高温になる
ことに大変興味を持ちました。
・BOSCH(自動車パーツメーカー)
主に自動車の電子機器に関するお話をしていただきました。レース車両にも多く使われていますが、普段は見るこ
とのできない部品と言うことで、学生達は多くの質問をしていました。少し難しい話もありましたが、レース車輌に
使われている部品を自分の手で持って、その部品の軽さやサイズが小さい事に「凄い!」との声が上がっていました。
鈴鹿サーキット施設見学
担当の方の案内で、普段入ることの出来ないサーキットの施設内を見学させていただきました。学生達からの多く
の質問で理解が深まり、大変貴重な体験となりました。
・コースウォーク
国際サーキットである鈴鹿サーキットのコース上を自らの足で歩かせていただきました。ストレートを走ったり、
写真を撮ったりと、各々の方法で憧れのコースを楽しんでいました。
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最後に…
今回、学生が過ごした 4 日間は普段の生活では味わうことのできない貴重なものでした。レースと言う過酷な状況
の中で仕事をしているプロの方々を目の当たりにすることで、プロの仕事に対する意識の高さを感じることが出来ま
した。また色々な業種のプロがいて多くの考え方があるという事にも気付くことができました。私たちはこの経験を
確実に将来への糧としたいと思います。この活動に参加させていただいたおかげで、私たちは多くのことを学び、成
長することが出来ました。普段の生活では決して前に出ようとしない学生が、一歩踏み出したり、自分から進んで仕
事をしたり、学生スタッフをまとめたりしました。多くの方々が我々をサポートしてくれたおかげで、今まで知らな
かった事をたくさん学ぶことができましたし、今までの自分がとても甘えていることに気付くこともできました。そ
してもっと上を目指してチャレンジしていくことの大切さを知りました。
このような素晴らしい経験は学生個人の力でできるものではありません。このような経験ができる活動に参加させ
てくれた学校にとても感謝しています。そして、学校の活動に賛同し、ご支援をいただきました全ての方々にこの場
を借りてお礼を申し上げます。
お世話になったすべての方々へ
ありがとうございました
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