このプロジェクトは下記のパートナー企業に支えられています 宮城県にあるスポーツランド SUGO でシリーズ第 2 戦が行われました。今回は3時間耐久レースとなり ました。#24「スリーボンド日産自動車大学校 GT-R」はプラチナドライバーに認定されている藤井誠暢選 手、ジェントルマンドライバーの星野敏選手、F3岡山戦に出場するため欠場した高星選手に代わって SUPER GT GT300 クラスに NetMove GT-R 参戦している岩崎祐貴選手の 3 名体制で参戦しました。学生は 4 年生 10 人、3 年生 10 人、1 年生 20 人の計 40 人体制です。 今回の学生活動の特徴は、事前のスケジューリングや当日の運営を学生主体で実行することと、2 年 生が海外研修で不在のため、入学して間もない 1 年生 20 人がスタッフとして参加したことです。 5 月 21 日 木曜日 SUGO サーキットへ移動して、キックオフミーティングで KONDO レーシングの河野さんからご挨拶をい ただいた後、リーダーはリーダーミーティングで活動スケジュールの打ち合わせ、1 年生はサーキット見 学となりました。 宿泊は今年も常宿である岩沼屋さんにお世話になりました。 5 月 22 日 金曜日 ThreeBond さんのホス ピトレーラーの設営をし、 お客様を迎える準備をしていきました。 今回は ThreeBond さんのテントが新しいタイプになりました。テント完成後、1年生は山田シェフによりお客様対応 の講義を受けました。実際にお客様と接するのでメモをとりながら真剣に聴き、流れを確認し、過去に経 験のある 3,4 年生からポイントを訊くなど真剣そのものでした。恒例のコースウォークも実施しました。 -2- 予選日 5 月 23 日 土曜日 天気:晴れ 路面:ドライ 午前はメインパートナーである ThreeBond さんによる接着剤についての講義がありました。 午後に行われた公式予選では#24 GT-R は A ドライバーの星野選手がアタック中にクラッシュし、マシン が大破してしまったため、B ドライバーに登録されている藤井選手はタイムアタックすることができません でした。チームはマシンを修復する事を決め、メカニックは日曜フリー走行までに車を仕上げるべく全力 を尽くしました。学生スタッフもステッカーの枚数を数えたり、壊れたマシンから出てきた泥を掃除したりと KONDO レーシングチームメカニックの方と協力して作業を進めました。なお、予選トップは#3「ENDLESS ADVAN BMW 」でした。予選 2 番手の#5「 MACH MAKERS GT-R」がコースレコードをマークしました。 予選結果 順位 No チーム A Driver B Driver Total Time 1’21.766 2’45.172 1 3 ENDLESS ADVAN BMW 1’23.406 2 5 MACH MAKERS GT-R 1’24.259 1’20.965(R) 2’45.224 3 1 GTNET ADVAN C-WEST GT-R 1’23.446 1’21.933 2’45.373 — 24 スリーボンド日産自動車大学校 GT-R 1’24.455 — — -3- 決勝日 5 月 24 日 日曜日 天気:晴れ 路面:ドライ 夜中まで掛かって修復を終えたマシンは、朝一番のフリー走行では 3 番手タイムをマーク。予選 タイムが計測されていないため、ST-X と ST2、ST3 の 3 クラスで構成される第 1 グループの最後尾 である 19 番手のグリッドから決勝レースに挑むことになりました。 藤井選手がスタートを担当し#24 GT-R は最後尾から猛追を見せ、10 周を終えた時点で 4 番手に までポジションアップしました。藤井選手は 2 番手までポジションを上げて自分のスティントを終 え、星野選手とドライバー交代しました。コースへ復帰していった星野選手は荒れた展開の中で他 車と接触してしまい、右前輪部分を破損し緊急ピットインを強いられましたが、メカニックが約 30 分で修復し、岩崎選手に交代して諦めないで追走し、4位でチェッカーを受ました。開幕戦の 2 位に続いて 2 戦連続で入賞を果たし、シリーズ 2 位を維持することができました。今回のレースで はアクシデントが多く、決勝レースに出ることさえ難しいという状況から 4 位入賞という結果を得 ることが出来ました。「最後まで諦めないこと」「コース上で少し遅く走ってもミスが無いことの 方が大事」という河野さんの話で幕を閉じました。 決勝結果 順位 No チーム Laps Time 1 16 REAF REAL ESTATE Kiiva BMW 114 3h01’18.056 2 8 ARN AMG SLS GT3 114 3h02’45.860 3 32 ケーズフロンティア 110 3h01’30.109 4 24 93 3h02’38.668 Direction Racing GT3R スリーボンド日産自動車大学校 GT-R シリーズランキング 順位 No チーム Rd.1 1 16 REAF REAL ESTATE Kiiva BMW 2 24 スリーボンド日産自動車大学校 GT-R 3 3 ENDLESS ADVAN BMW -4- もてぎ Rd.2 SUGO Total 18 20 38 22.5 10 32.5 30 1 31 学生から出た質問を藤井選手に訊きました Q:どの程度マシンセッティングを変えると体で感じ取れるものですか? A:変える場所にもよりますが、よく触る所は車高、あまり変えないがスプリングの堅さ、スタビラ イザー、ウイング、この辺は感度が結構あります。 車高だと 0.5mm ではあまり変化は感じませんが、1mm 変えるとわかります。 Q:ガソリンは何リッター入れますか? A:130L 入りますが、予選では 30L しか入れません。 満タン時と比較して 75 ㎏の重量差があるので、 違う車に感じ取れます。 Q:速く走るのには何を心がければいいのですか? A:車を理解する事。がむしゃらに走っても速くないので車の状態を理解する事。車に何が起きてい て曲がりにくいのかを分析しながら走る事。そうすれば速く走れるようになり、車のセッティング も進みます。 Q:ライン取りは、どうすれば上手くなりますか? A:プロが走るラインを真似していくこと。誰のラインを参考にすればいいかと言えば、プロは皆だ いたい同じラインを走っている。車のバランスによってタイヤ 1 つ分くらい違う時もある。 Q:SUGOでは何キロくらい出るんですか? A:バックストレートで、だいたい 230km/h くらいです。 Q:高い速度域で走り続けて怖いと思う事は無いですか? A:それは無いです。怖かったら、こういう仕事はしていません。 Q:速度差が激しいが遅い車を抜くときに気をつ けていることはありますか? A:抜かれる人よりも抜く人の方がよく見えている。 抜かれる人は後ろが見えていないから情報が少な い。抜く人は全部見える。だから前の人がどんな 動きをするのか予測して抜く。予想を反した動き をされたときにブレーキを踏む余裕があるとマー ジンとなる。 Q:数多くのGT3マシンに乗っているがバトルになった時に有利になったりしますか? A:誰でも乗ればマシンの特性がわかる。GT-R ならパワーがあり直線が速いから特性をとらえてバ トルに持ち込めます。 -5- リーダーコメント 4 年 村上(全体リーダー) 今回、全学年を通して初参加の学生が多く、みんながどのようにしたらうまく活動できるかを考 えました。事前に活動内容を画像などで展開し、全体にイメージ付けをしました。個々の学生の動 きについては“なぜうまく出来ないのか“ということを各リーダーが考え、班員に対して展開して もらいました。うまく出来ないことを諦めず、常に改善を求めることをリーダーとして主に投げか けました。その効果があり全体的に動きがよく、積極的に活動することが出来ました。 私自身、初参加から4年間S耐に参加し、4年目にして総リーダーという役職をいただきました。 全体のスケジューリングから当日の運営まで各リーダーの力を借りながらより良い活動になるよ うに一生懸命にリーダーをまっとうしました。そこから、チームがより良い活動になるようなリー ダーシップを身につけることが出来たと思います。そして、S耐、総リーダーという貴重な経験か ら、リーダーシップを含めコミュニケーションなど多くのこと学ぶことが出来て本当に良かったと 思います。 4 年 面澤(1 班リーダー) 1 年生は指示するとすぐやってくれたし、手が空いたら次どうしますかと声掛けてくれて積極性 を感じた。リーダーとしては助かったし自然な感じで声掛けてくれる子が多く、コミュニケーショ ン取りやすかった。ピットウォークでリーダーをやったことで指示を出して仕事を回していく大変 さがわかった。指示を出す立場になるには、自分の考えに自信を持って相手に伝える力が必要だと いうことを学んだ。参加してよかった。 4 年 山田(2 班リーダー) 1 年生は自ら進んで行動してくれたので、私からは初めの説明だけでとても助かりました。 今回は自分の計画の甘さがあった為に自由時間を削ってしまったので計画の大切さを学びました。 4 年 吉田(3 班リーダー) 指示したことを、しっかりとやってくれてとてもスムーズに行動できた。 今回は事故など様々なトラブルがあり、普段体験することが出来ない貴重な体験が出来た。また、 プロの仕事に対する姿勢はとてもかっこよかった。 4 年 渡辺(4 班リーダー) プロの仕事を実際に自分の目で見ることができ今までにない刺激をうけた。 リーダーとして班をまとめて効率良くしていくことの難しさを改めて実感した。 1 年生は、きちんと集合時間、場所の確認を毎回してくれて、時間にも遅れることなく行動して くれたので助かった。 -6- 4 年 相澤(5 班リーダー) 今回は 3 年生がサポートしてくれたお陰でなんとかやりとげることが出来た。1 年生に仕事の割 り振り、やる気を出させることが大変だったし自分のリーダーシップの無さを実感し今後の目標に なった。先を考えての準備事項、人の割り振りの大切さ、人と会話の大切さ、連絡の確認の大切さ を学ぶことが出来ました。 4 年 岩井(6 班リーダー) 1 年生が多かったがみんな積極的に活動してくれたので、リーダーはやりやすかった。 4 年生として参加してみてリーダーとしての責任感や統率力を求められたので将来に役立つ力が 身についたと思う。 3 年 水沼(7 班リーダー) 1 年生とチームを組んで活動が始まるまでは、1 年生をまとめられるか不安が多かった。しかし、 始まってみると指示をしっかり訊き、意欲的に働いてくれたためチームが明るく、楽しく活動でき たと思う。 S 耐は 3 回目の参加になるが、リーダーとして 4 年生たちに混ざり計画を立てたりしたことで、 色々と学ぶことがあった。この経験を来年に活かしたい。 次戦の見所 次戦の富士スピードウェイ(静岡県)は 1 週 4.563km でとてもストレートが長く高速から低 速コーナーまであるコースです。GT-R はパワーがあり直線が速いマシンなので富士スピー ドウェイは有利なコースです。次回は 8 時間耐久なのでマシンには厳しいレースになりそ うです。 レポート作成 日産栃木自動車大学校 瓦井 知宏 、平山 明志 このプロジェクトを支援・応援してくださる全ての方に感謝申し上げます。 -7-
© Copyright 2024 ExpyDoc