戦争法案の衆議院強行採決に断固抗議し、廃案を求める声明 2015 年 7 月 21 日 東京私大教連中央執行委員会 自民・公明両党は 7 月 16 日、前日の衆議院安保法制特別委員会に続き、戦争法案 (国際平和支援法案および自衛隊法・周辺事態法・武力攻撃事態法等の 10 本の現行 法を改定する一括法案)を衆議院本会議において強行採決した。 ほとんどの憲法学者が、集団的自衛権行使を容認する閣議決定と、その憲法解釈に もとづく戦争法案は憲法違反であると明確に指摘し、多くの学者・研究者が法案の危 険性、問題性を批判している。これらを一顧だにしないことは、立憲主義の否定であ り、学問・研究に対する許し難い愚弄である。 世論調査では大多数が反対ないしは今国会での成立は不必要とし、連日のように多 くの市民が国会を反対の声で取り囲むなか、主権者たる国民の意思を踏みにじった強 行採決は、民主主義を否定する暴挙である。 衆議院における審議で、安倍首相は集団的自衛権について判断していない最高裁の 砂川事件判決を持ち出し「合憲であると確信している」と非合理な主張を繰り返した。 政府は、海外での武力行使について「総合的に判断する」と述べるのみで基準も明確 にせず、「日本攻撃の意思が認定できなくても存立危機事態に認定できる」などとし て「自衛の措置としての集団的自衛権」という従来の説明さえも覆し、対「イスラム 国」(IS)や南シナ海での他国軍支援も「法的にあり得る」と述べた。法案の問題性 は、国会審議を通じてますます明らかになっている。 これと軌を一にして、政府・文科省は、深く真理を探究するという人類的営為であ る学問・研究に介入し、国立大学に国旗掲揚・国歌斉唱を求めるなど、学問の自由、 大学の自治に対する攻撃を加えている。憲法と民主主義を蹂躙する政権のねらいは、 学問と大学を戦争に動員することにある。 国際協調にもとづく平和の追求を放擲して日本を武力行使する国に変え、国民を危 険に晒し、学生・若者を戦場に送り出す戦争法案は、廃案しかあり得ない。 多くの学生・若者が戦争法案反対の運動に参加し、今やその先頭に立っている。私 たちは、戦争法案を廃案にするために、私立大学教職員の総力を結集し、若者や市民 とともに全力を尽くす決意をここに表明する。 以 上
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