JAまごころ宅配 かわら版 平成27年2月4号お届け号 同時配布号 日頃は、JAまごころ宅配をご利用いただき誠にありがとうございます。 平成27年もはや一ヶ月が過ぎ会員の皆様におかれましては益々ご健勝のことと思います。 寒さが厳しい毎日ですが、くれぐれも車の運転や歩行には充分にお気をつけてお過ごしください。 ※平成 27 年 3 月 14 日に北陸新幹線が金沢まで開業します※ 北陸新幹線の開業により、大都市圏との鉄道による移動時間が短縮されます!(東京~金沢間は1 時間20分程度の短縮です!)時間短縮効果に伴い、人々の交流が増え、経済効果が期待できます。 石川県に足を伸ばす機会も増えそうですね。 今回は金沢で暮らしたことのある宅配スタッフより 昨年末に長野市でも 40 ㎝の雪が積もった。朝起きると深々と大粒の雪が積もっていった。 その雪 金沢の「食」にまつわる話題をお届けします。 を見て、40 年ほど前に数年住んだ金沢の冬を思う。 金沢の冬は、雷で始まる。冬の訪れは、暗い 重く垂れこめた空に鳴り響く雷鳴と同時に雪が 断続的に降り積もることで知る。雷は夏の夕立 の物と思っている信州人を驚かし、憂鬱にさせ る。雪も尋常でなく降り積もる。雪かきを「雪 掘り」と言う。深い雪から、掘り出すイメージ か。 しかし、雲が重苦しく垂れこめ、雪が深い冬 にも、人々は生活している。夜には、街のあち こちで、旬の食材を食べ、酒を酌み交わし雑多 な話をしている。 『寿司』 寿司』 金沢は、日本の三大寿司処のひとつだ。新鮮な海の幸はもちろん、米、水そしてお酒をとっても 金沢の素材は極上だ。名の知れた一流店はもちろんだが、回転ずしもハイレベルだ。街なかのなに げない寿司店もおいしく安価だ。そこで、お造り(おつくりと言う。お刺身)を頼む。 「甘えび」このピンクのえびは、口の中でとろけるような甘味と食感が味わえる。晩秋から冬に かけて甘味が増し、旬である。卵は、青緑でピンクの身に抱え込まれて美しい。味噌とともに珍味 として好まれる。 「のどぐろ」脂ののった高級魚として、刺身・焼き魚として好まれる。白身魚でありながら、濃 厚な脂が乗り、白く柔らかい身は上品で強い甘みがある。 「アカムツ」のことで、喉の奥が黒いので、 「のどぐろ」と呼ばれる。 「ずわいがに」冬の味覚の王者。石川県沖で水揚げされたずわいがには「加能ガニ」と呼ばれ、身 はぎっしりと詰まり、ぷりぷりとした極上の甘味が特徴。11 月から 3 月の漁解禁期間に味わいたい。 『おでん』 おでん』 金沢市石引「若葉」 住民一人当たりのおでん屋の店数が日本一の地域は、金沢市だ。市内に 100 軒以上もある。 金沢のおでん屋は、長野とは少しちがう。安直でありながら、かなりぜいたくだ。煮干しベース の薄味の出汁に、大根・たまご・練り物はもとより、ふき・タコ・ロールキャベツ・バイガイ・車 麩、それに「かに面」と呼ばれるズワイガニの雌まで浮かんでいる。おでん屋ののれんをくぐって、 大きなおでん鍋を囲むカウンターにすわる。鍋をのぞきこみ、店の大将に好みのおでん種を頼む。 味のしみこんだふき・じゃがいも・ロールキャベツそして「バクダン」という巾着の中に筍・スジ 肉など雑多な具が詰め込まれたものが好きだった。大将は、手際よくおでんを皿に取り分け、客に 軽妙に声をかけながらわたす。口に運んだ瞬間、素直に「おいしい」と口から漏れ出してしまう。 注文品と一緒に麻雀の点棒のような小さな木片に価格を書いた物を渡される。最後は、茶飯で締め、 「おあいそ」と言って、この木片をかちゃかちゃ鳴らしながら大将に渡して精算する。 『かぶらずし』 かぶらずし』 ぶりの水揚げが最盛期となる冬の名産であり、年末年始正月料理のひ とつだ。各家庭で、かぶにブリを挟んで、麹で漬け込む。塩漬けしたブ リを、これも塩漬けしたかぶに挟み込み、麹に漬け込み発酵させる。準 備から出来上がりまで 1 か月程度かける。乳酸発酵により、麹の甘味と 身の厚いブリの脂・やわらかい白かぶの食感の爽快さがハーモニーして、 独特の旨味と香りを醸し出す。酒の肴にもされる。金沢生まれの女友達 はこの独特の風味を苦手と言っていた。 『第7ギョーザ』 金沢市もりの里 ギョーザ』 「第7ギョーザ」は、学生を中心に絶大な人気を誇っているギョ ーザ専門店だ。この店の「ホワイト餃子」は、丸くておまんじゅう のよう。皮が厚くかみごたえ十分なもちもちとした食感とたっぷり 入った具がジューシーだ。これが、金沢市民に愛され、B 級グルメ として、人気がある。 入店したら、出来たてが食べられるカウンター席がお勧め。ホワ イトギョーザを注文する場合は、わざわざ「ホワイト」という必要 はない。ホワイトギョーザが基本メニューになっているので、食べ たい数により「中」 (10 個) ・ 「大」 (15 個)だけで良い。ギョーザ が出来上がった時に、ライスを注文する。注文すると、カウンター に、小さなプラスティックの札が置かれる。この札の色がメニュー を表し、置き方(縦、横)で大・中を区別する。注文後は、たれを作り待つ。最初にラー油を入れて、 次いで醤油・酢を入れると、油が周辺にちょうど良い具合に広がり、餃子にラー油がほどよくつく。 ギョーザが来たら、 くっついているギョーザを一つ一つ切り離す。これは、まだ温かく離れやすい うちにギョーザを分け、熱いギョーザを程良く冷ますため。ギョーザを切り離し、たれにつけて食べ る。カウンターだと本当にアツアツなので、口の中を火傷しないように気をつける。ギョーザとご飯 との配分を考えながら食べる。 最後にお勘定。通はだまって立ち上がるだけ。すると店員がよってきて、会計をしてくれる。 金沢は、古いものを大事にすると同時に、新しい文化をつくりだしている。 最近の金沢のガイドブックの多くは、兼六園や石川門ではなく、 「金沢 21 世紀美術館」から始まる。 「まちの中に開かれた公園のような美術館」として、県庁・大学が郊外に移転してから、街の中心に でき、境界を取り払った円形のガラス張りの美術館だ。 「金沢は古く、そして新しい町。新しく、そして古い町。 」そのとおりに、変貌した現在の金沢で、 今回記した食材が、変わらず愛され食されているのが、嬉しい。 『平成 27 年 3 月 14 日(土) 』 平成 27 年 3 月 14 日(土)に北陸新幹線が開業すると、長野から金沢まで 1 時間足らずで行ける。 金沢駅を降りると、そこが、雨雪の多い気候でそっと傘を差しだすもてなしの心をイメージした「も てなしドーム」で、その先に、邦楽の鼓(つづみ)をイメージした「鼓門(つづみもん)」がある。 ここから、金沢の旬を食べに、街へ歩き出してください。 <宅配スタッフ:K>
© Copyright 2024 ExpyDoc