2015/10/05 本日の内容 総合診療専門医制度の概要と 今後の展望 1. 総合診療専門医が求められる背景 2. 総合診療専門医制度の概要とねらい 3. 総合診療専門医育成のこれから 第83回 東京大学医学教育セミナー 北海道家庭医療学センター 草場鉄周 日本の医療の課題と総合診療 世代の変化による 個別的ケアの ニーズ拡大 超高齢化社会での 高齢者ケア拡大 急性期病院の高度化・ 専門化による 機能分化拡大 Part1 総合診療専門医が求められる背景 地域包括ケア 4. 高齢化に伴い、特定の臓器や疾患を超えた多様な 問題を抱える患者が今後も増えるこ 郡部や僻地の医 師不足拡大 継続する身近な ケア 3. 地域では、慢性疾患や心理社会的な問題に継続 的なケアを必要としている患者が多いこと 個別性を重視し たケア 2. 複数の疾患等の問題を抱える患者にとっては、複 数の従来の領域別専門医による診療よりも総合的 な診療能力を有する医師による診療の方が適切な 場合もあること 総合診療の役割拡大 連携や協調を重視し たケア 1. 特定の臓器や疾患に限定することなく幅広い視野 で患者を診る医師が必要であること 多様な健康問題に 対応するケア 専門医の在り方検討会報告書より 癌患者増加 による在宅ホ スピス拡大 プライマリ・ケアの基本原則 1 2015/10/05 R.Neighbour PC連合学会・福岡学術大会 シンポジウムスライドより reduced premature mortality 若年死亡の減少 reduced overall mortality 総死亡の減少 lower overall cost as % of GDP より少ない総費用 (GDPの%として) 良く発達した プライマリ・ケ アと関連する エビデンス は? better cost‐effectiveness より良い費用対効果 総合診療領域における 学会による専門医制度 improved chronic disease morbidity 慢性疾患罹病の改善 increased patient satisfaction 患者満足の増加 greater equity of access to health care ヘルスケアへの より公平なアクセ ス • 1997年 旧日本プライマリ・ケア学会にてプラ イマリ・ケア専門医制度創設 • 2006年 旧家庭医療学会にて家庭医療専門 医制度創設 • 2010年 学会合併により両制度が統合され、 家庭医療専門医制度として継続 • 2013年 専門研修プログラムの改訂 Ver2.0 • 2015年 総合診療専門研修プログラムへ 専⾨医制度改⾰と総合診療専⾨医 サブスペ シャルティー 消化器病専⾨医 ⽼年病専⾨医 核医学専⾨医 消化器内視鏡専⾨医 ⼤腸肛⾨病専⾨医 透析専⾨医 肝臓専⾨医 レーザー専⾨医 ⼀般病院連携精神医学専⾨医 ⼩児神経専⾨医 呼吸器外科専⾨医 総合診療専⾨医 リハビリテーション専⾨医 救急科専⾨医 形成外科専⾨医 病理専⾨医 臨床検査専⾨医 ⿇酔科専⾨医 放射線科専⾨医 泌尿器科専⾨医 脳神経外科専⾨医 眼科専⾨医 ⽿⿐咽喉科専⾨医 産婦⼈科専⾨医 外科専⾨医 整形外科専⾨医 ⽪膚科専⾨医 精神科専⾨医 内科専⾨医 ⼩児科専⾨医 基本領域 北海道ブロック (20プログラム) 東北ブロック (23プログラム) 関東甲信越ブロック (75プログラム) 中部ブロック (27プログラム) 近畿ブロック (31プログラム) 中国ブロック (31プログラム) 四国ブロック (15プログラム) 九州ブロック (34プログラム) • PC連合学会では現在 256の家庭医療専門 研修プログラムが存 在 • 現在学会の家庭医療 専門医の既取得者は 512名、毎年約100名 の増加が見込まれて いる。 初期研修(2年) 卒前教育 9 なぜ総合診療専門医か? 日本の医療に おける様々な 課題 プライマリ・ケ アに関するエ ビデンス アイデンティ ティを求める 若手医師の期 待と学会活動 総合診療 専門医の 養成 専門医制度改 革の一翼を担 うことへの期 待 Part2 総合診療専門医制度の概要とねらい 2 2015/10/05 制度検討の流れ 総合診療専門医のあり方 • 2013.4月 – 厚労省・専門医の在り方検討会報告書にて基本専 門領域としての総合診療専門医の設立明記 • 2014.5月 – 日本専門医機構設立 • 2014.7月〜 – 総合診療専門医に関する委員会 • ワーキンググループを設置し詳細検討 • 2014.8月 – 総合診療専門医の研修プログラム整備基準発表 総合診療専門医制度の理念 現在、地域の病院や診療所の医師が、かかりつけ医として地域医療を 支えている。今後の日本社会の急速な高齢化等を踏まえると、健康にか かわる問題について適切な初期対応等を行う医師が必要となることから、 総合的な診療能力を有する医師の専門性を評価し、新たな基本診療領 域の専門医と位置づける。 以下の3つの理念に基づいて制度を構築する。 1. 総合診療専門医の質の向上を図り、以て、国民の健康・福祉に貢献 することを第一の目的とする。 2. 地域で活躍する総合診療専門医が、誇りをもって診療等に従事でき る専門医資格とする。特に、これから、総合診療専門医資格の取得を 目指す若手医師にとって、夢と希望を与える制度となることを目指す。 3. 我が国の今後の医療提供体制の構築に資する制度とする。 1. 人間中心の医療・ケア 1) 患者中心の医療 2) 家族志向型医療・ケア 3) 患者・家族との協働を促すコミュニケーション 2. 包括的統合アプローチ 1) 2) 3) 4) 未分化で多様かつ複雑な健康問題への対応 効率よく的確な臨床推論 健康増進と疾病予防 継続的な医療・ケア 厚生労働省専門医の在り方検討会最終報告書より 総合診療専門医は、従来の領域別専門医が「深さ」が特徴である のに対し、「扱う問題の広さと多様性」が特徴であり、専門医の一 つとして基本領域に加えるべきである。 総合診療専門医は日常的に頻度の高い疾病や傷害に対応出来 る事に加えて、地域によって異なる医療ニーズに的確に対応出 来る「地域を診る医師」の視点が重要である。 地域のニーズを基盤として、多職種と連携して、包括的且つ多様 な医療サービス (在宅医療、緩和ケア、高齢者ケアなど) を柔軟 に提供し、地域における予防医療・健康増進活動等を通して地域 全体の健康向上に貢献出来る。 研修目標 総合診療専門医の6つのコアコンピテンシー 1. 2. 3. 4. 5. 6. 人間中心の医療・ケア 包括的統合アプローチ 連携重視のマネジメント 地域志向アプローチ 公益に資する職業規範 診療の場の多様性 3. 連携重視のマネジメント 1) 多職種協働のチーム医療 2) 医療機関連携および医療・介護連携 3) 組織運営マネジメント 4. 地域志向アプローチ 1) 保健・医療・介護・福祉事業への参画 2) 地域ニーズの把握とアプローチ 3 2015/10/05 外来における総合診療医の役割 5. 公益に資する職業規範 1) 倫理観と説明責任 2) 自己研鑽とワークライフバランス 3) 研究と教育 6. 診療の場の多様性 1) 2) 3) 4) 外来医療 救急医療 病棟医療 在宅医療 救急における総合診療医の役割 1. 救急外来において、重大な疾患を見逃さず、軽症 救急全般及び中等症救急の一部を担当できる。 2. 災害時には、地域の資源に応じた適切な救急医療 を担い、正常な診療体制構築までの外来・病棟・在 宅医療の提供に資することができる。 在宅における総合診療医の役割 (一部抜粋) 1. 在宅療養を行う高齢患者に対して、高齢者 総合機能評価を実施し、老年医学的諸問題 に対応できる。 2. 在宅急性期医療において、在宅医療の限界 を踏まえて、必要なアセスメント、往診の適 切な提供、入院適応の判断、予期せぬ臨死 期の対応ができる。 1. 外来で遭遇する頻度の高い健康問題に対応し、相談に のり、適切な問題解決や安定化をはかることができ、必 要な専門家に紹介することができる。 2. 行動医学に基づき、患者を意識変容、行動変容に導くよ うに対応できる。 3. 外来で提供可能なリハビリテーションを多職種と共同しな がら提供することができる。 4. 軽症にみえる重症疾患、重症外傷を見逃さず対応できる。 5. 診断困難事例への対応ができる。 6. 心理社会的問題の解決が困難な事例への対応ができる。 7. 大きな社会問題である認知症について、患者、家族、地 域社会に対して適切に対応できる。 病棟における総合診療医の役割 1. 当該地域医療機関において入院頻度の高い疾患あ るいは健康問題の診断と治療ができる。 2. 外来・在宅など他のセッティングとの切れ目のない連 携の下で、リハビリテーション、長期入院患者診療、 術前術後の病棟患者管理を含む必要な入院ケアが 提供できる。 3. 併存疾患の多い患者の主治医機能をはたすことが できる。 4. 心理社会的複雑事例への対応とマネジメントができ る。 5. 地域連携を活かして退院支援ができる。 6. 終末期患者への病棟医療を適切に提供できる。 総合診療指導医 • 臨床能力、教育能力については、6つのコアコンピテンシーを具体 的に実践していることなどが求められる。レポートの提出などによ りそれらを確認し、総合診療専門研修指導医講習会(1泊2日程 度)の受講を経て、理解度などについての試験を行う。 • 指導医の候補としては、以下の1)~6)が挙げられている。 1) 日本プライマリ・ケア連合学会認定のプライマリ・ケア認定医、及び家庭医療専門 医 2) 全自病協・国診協認定の地域包括医療・ケア認定医 3) 日本病院総合診療医学会認定医 4) 大学病院または初期臨床研修病院にて総合診療部門に所属し総合診療を行う 医師(卒後の臨床経験7年以上) 5) 4)の病院に協力して地域において総合診療を実践している医師(同上) 6) 都道府県医師会ないし郡市区医師会から≪総合診療専門医専門研修カリキュ ラムに示される「到達目標:総合診療専門医の6つのコアコンピテンシー」につい て地域で実践してきた医師≫として推薦された医師(同上) 4 2015/10/05 プログラム統括責任者 経験目標 • プログラム統括責任者の資格要件として、以下の1)、 2)、3)の全てを満たすことを原則とする。 1) 専門研修指導医であること 2) 総合診療専門研修プログラムの専門研修基幹施設に所属している こと 3) 以下の①、②、③、④のいずれかである ① 日本プライマリ・ケア連合学会認定指導医 ② 全自病協・国診協認定の地域包括医療・ケア認定施設の教育責任者 ③ 日本病院総合診療医学会の認定医養成施設の教育責任者 ④ 大学病院または臨床研修指定病院における総合診療部門の責任者 • プログラム運営能力を標準化することを目的として、 総合診療専門研修プログラム統括責任者講習会(1 日程度)を行う。 1. 身体診察及び検査・治療手技 2. 一般的な症候への適切な対応と問題解決 3. 一般的な疾患・病態に対する適切なマネジメ ント 4. 医療・介護の連携活動 5. 保健事業・予防医療 Showcase Portfolio 研修手帳 (最良作品型ポートフォリオ) • 3年間を通じて、研修目標を網羅した研修手 帳に研修の実績を記録する • Work –based assessment(実際の仕事ぶりを 評価) • Learning portfolio(自らの学びの有り様も記 載し評価) • 記録内容を定期的に指導医と確認し、研修 の進捗状況を把握することが目的 – 全ての診療科研修で同一の評価表を用いながら 一貫性のある評価を展開 • 研修修了評価の際の重要な資料の一つ • 専攻医が習得すべきコンピテンシーの領域に 関する達成を証明する仕事内容を、症例報 告ではなく、実践内容として記述 • 現在、20領域を想定 27 プログラム整備基準 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 理念と使命 専門研修の目標 専門研修の方法 専門研修の評価 専門研修施設とプログラムの認定基準 専門研修プログラムを支える体制 専門研修実績記録システム、マニュアル等の整備 専門研修プログラムの評価と改善 専攻医の採用と修了 28 プログラムの施設体制 プログラム統括責任者が在籍する専門研修 基幹施設の種別により3つに分類 1. 大学病院基幹型 2. 地方センター病院基幹型 3. 診療所基幹型 日本専門医機構HPに詳細は全て掲載 5 2015/10/05 パターン1:大学病院基幹型 プログラムの施設体制の基準 総合診療医学講座の教育 体制が充実したA大学を核 として、比較的広域の医療 機関が協力して築いた連 携体制 <必須> • 総合診療専門研修Ⅰ:診療所・中小病院 • 総合診療専門研修Ⅱ:病院の総合診療部門 • 内科:内科領域の研修病院 • 小児科:小児科領域の研修病院 • 救急科:救急科領域の研修病院 <オプション> • その他(整形外科、産婦人科、精神科等):総合 病院あるいは専門クリニック等 研修基幹施設:A大学病院総合診療部門 プログラム責任者:E教授 研修:総合診療研修(2ヶ月) 精神科(2ヶ月)・産婦人科(2ヶ月) 研修連携施設:B病院 研修責任者:各診療科科長 研修:内科・小児科・救急科(1年) ※都市部で各科研修が充実した 病院 パターン1のローテーション例 4 5 6 7 8 9 10 11 後期研修 年目 A大学病院 1 総合診療 精神科 12 1 2 3 後期研修 2年目 C病院 小児科 救急科 研修連携施設:D診療所 研修責任者:G所長 研修:総合診療専門研修Ⅰ(6ヶ月) ※比較的医療過疎地域のセンター 病院 ※比較的医療過疎地域の診療所 総合診療科の指導陣が充 実したA病院を核として、地 域の医療機関が協力して 築いた連携体制 基幹施設として3年間を通じた 研修サポートを提供 研修基幹施設:A病院 プログラム責任者:総合診療部門E部長 研修:総合診療専門研修Ⅱ(1年) 内科・小児科・救急科研修(1年) 内科 B病院 研修連携施設:C病院 研修責任者:総合診療科 F科長 研修:総合診療専門研修Ⅱ(1年) パターン2:地方センター病院基幹型 B病院 産婦人科 基幹施設として3年間を通じた 研修サポートを提供 後期研修 3年目 C病院 D診療所 総合診療専門研修Ⅱ 総合診療専門研修Ⅰ 研修連携施設:B病院 研修責任者:各科研修 科長 研修:精神科・産婦人科・整形外科 放射線科(6ヶ月) パターン2のローテーション例 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 後期研修 年目 後期研修 2年目 後期研修 3年目 精神科 週に1日はB病院で精 神科・皮膚科・整形外 科・産婦人科等の外来 診療研修を実施 内科 C診療所 B病院 産婦人科 整形 放射 外科 線科 基幹施設として3年間を通じた 研修サポートを提供 研修基幹施設:Aクリニック プログラム責任者:D院長 研修:総合診療専門研修Ⅰ(1年) A病院 救急科 ※ 同一医療圏内で医師会の協力を得た 開業医の診療所 グループ診療体制で研修 サポート体制が充実したA クリニックを核として、総合 病院と中小病院も含む連 携体制 総合診療専門研修Ⅱ 小児科 研修連携施設:Cクリニック 研修責任者:F院長 研修:総合診療専門研修Ⅰ(6ヶ月) パターン3:診療所基幹型 A病院 1 ※連携施設であり、専攻医に よっては研修を提供 総合診療専門研修Ⅱ ※ 同一医療圏内で各科研修が充実した病院 4 研修連携施設:Dクリニック 研修責任者:G院長 研修:総合診療専門研修Ⅰ 総合診療専門研修Ⅰ ※C診療所のローテーションはD診療所になる時もあり 研修連携施設:B病院 研修責任者:各診療科科長 研修:総合診療専門研修Ⅱ(6ヶ月) 内科・小児科・救急科(1年) ※各科研修が充実した病院 研修連携施設:C病院 研修責任者:F院長 研修:総合診療専門研修Ⅰ(6ヶ月) ※ 比較的医療過疎地域の中小病院 6 2015/10/05 パターン3のローテーション例 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 専門研修基幹施設 2 3 後期研修 年目 Aクリニック 1 1. 2. 総合診療専門研修Ⅰ(同時に、B病院にて各科の研修も1日/週実施) 後期研修 2年目 3. B病院 内科 小児科 救急科 後期研修 3年目 B病院 C病院 総合診療専門研修Ⅱ 総合診療専門研修Ⅰ 4. 5. 6. 総合診療専門研修ⅠもしくはⅡの施設基準を満たしていること。 ただし、大学病院は研修全体の統括組織としての役割を果して いる場合はその限りではない プログラム統括責任者が常勤で勤務し、コーディネーターとして の役目を十分果たせるように時間的・経済的な配慮が十分なさ れていること 専門研修施設群内での研修情報等の共有が円滑に行われる環 境(例えばTV会議システム等)が整備されていること プログラム運営を支援する事務の体制が整備されていること 研修に必要な図書や雑誌、インターネット環境が整備されている こと 自施設で臨床研究を実施したり、大学等の研究機関と連携した 研究ネットワークに加わったりするなど研究活動が活発に行わ れていること 総合診療専門研修Ⅰ・Ⅱ 総合診療専門研修Ⅰ 総合診療専門研修Ⅱ • 診療所または地域の中小病院 • 総合診療部門を有する病院(規 (規模は以下の要件を満たせば 模は以下の要件を満たせば病床 病床数では規定しない) 数などで規定しない) • 外来診療(学童期以下が 5%以上、 • 一般病床を有し救急医療を提供 後期高齢者が10%以上)、訪問 し、臓器別でない病棟診療(高齢 入院患者や心理・社会・倫理的 診療(在宅療養支援診療所・病 問題を含む複数の健康問題を抱 院またはこれに準じる施設)およ える患者の包括ケア、癌・非癌患 び地域包括ケアの研修が可能な 施設 者の緩和ケア等)と臓器別でな い外来診療(救急も含む初診を 数多く経験し、複数の健康問題 をもつ患者への包括的ケアを経 験等)の研修が可能な施設 今後の展開 • 指導医養成講習会とプログラム統括責任者 講習会の開催 – 現在、講習会の細部についての議論を実施中 • プログラム認定 – 認定にあたっての細則策定も含めて申請から審 査、そして認定などのフローを今後検討 • 2016年6月にプログラム公募開始 • 2017年4月に新制度1期生の研修開始 これからの医師のキャリアパス 医学部教育 / 初期臨床研修 総合診療専門研修 Part3 家庭医療 フェローシップ 病院総合医 フェローシップ 専門基本領域研修 (内科/外科/産婦人科/小児科) 高度 専門 高度 専門 高度 専門 高度 専門 高度 専門 総合診療専門医育成のこれから 家庭医療 クリニック 中小病院 総合病院 大学病院 専門 クリニック 7 2015/10/05 地域医師会との連携 2025年のイメージ • 毎年500名の専門医が誕生する場合 → 4000名の専門医(家庭医療専門医を含む) – 医師30万人の1.3% • 総合診療専門医のみでプライマリ・ケアを担 うことは現実的に不可能 • 現実の地域医療活性化には地域で活躍する 開業医の先生方との連携が必要 • 既存の開業医との協力体制を通じた、面とし ての地域のプライマリ・ケア機能の強化 – (例)室蘭市医師会在宅連携システム • 在宅医療における診療所−診療所間の時間外対応で 連携を密にし、もって地域医療の充実・発展に資する • 自院にて在宅医療を行っている患者への不在時対応 を連携医へ依頼(医師会が仲介役) • 訪問診療の手順、必要なシステム、備品などの相談 • 12の診療所が登録し連携体制を構築 – グループ診療による在宅療養支援診療所が連携 医としての中核的役割を担いうる 病院における総合診療医の役割 • 診療所と基盤となるコンセプトは全く同じで、 場が異なるためにその役割は異なる • 病院において以下の役割をどう果たすか? – – – – – – – 高齢者(特に虚弱高齢者)へのケア 複数の健康問題を抱える患者への対応 必要に応じて他科専門医と連携 心理・社会・倫理的複雑事例への対応 癌・非癌患者の緩和ケア 退院支援と地域連携機能の提供 在宅患者の入院時対応 国の医療政策とゆるやかに連携 地域医療構想 地域包括ケア システム いずれも、地域の診療所が身近な健康問題に対応する「かか りつけ医機能」を発揮して、外来医療・在宅医療・救急医療を 担い、日常生活圏域で医療・介護・福祉がある程度完結するこ とを大前提とした制度設計 モデルとしての総合診療専門医 時を超えて伝承される価値 確かな 臨床能力 ご清聴ありがとうございました 健全な アイデンティティ 8
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